不動産投資で有利なのはどちら?貯金してから始める派VSローンで始める派
不動産投資をするにあたって、「貯金派」「ローン派」のどちらが有利なのかと考える方もいるでしょう。結論からいえば、不動産投資は「ローンで始めた方が圧倒的に有利」です。ただし、「2018年時点では」という、ただし書きが付きます。なぜ「今のタイミング」だとローンを軸にして不動産投資を始めた方が有利なのでしょうか。
購入費用を貯金してから始めたときのメリットは?
まず、貯金をして不動産投資をスタートしたときのメリットを考えてみましょう。貯金派には大きくわけて「全額を現金で支払う」「一部を現金で支払う」という2つのタイプがあります。例えば、物件を全額現金で購入した場合は金融機関からの借り入れの金利を支払わなくて済むということがメリットです。また、一部を現金で支払う場合は、フルローンで物件を購入する場合に比べて、金利負担が減少します。
これはローンでの購入と比較すると分かりやすいです。ローンで不動産を購入した場合だと「物件価格+金利」が総費用になり返済義務が生じます。しかし、貯金派は、全額現金なら金利部分はカットでき、返済義務も負いません。一部現金の場合は、借り入れる金額が少なくなることから総支払い額が下がり、返済総額が少なくなります。
現金で払う割合が高いほど金利分の支払いが少なくなり、家賃収入の手残りが多くなるでしょう。しかし、現代ではマイナス金利政策などの影響で借入金利が低くなっているため、現金で払うよりもローンを活用した方が投資としては効率が良いのです。
他のメリットを挙げるとすれば、「空室になっても返済がない(少ない)」ということでしょう。ローンを組んで空室になると、月々の返済をそのままオーナーが負担しなくてはなりません。現金で払って購入すれば、空室になっても返済負担がない分、落ち着いて対応しやすくなります。
ローンで不動産投資を始めるときのメリットとは?
一方のローン中心で不動産投資をスタートするメリットは、「資金に対してレバレッジが効かせられること」です。レバレッジとは「テコの原理」の意味で、不動産投資では小さな資金で大きな利益を得るという意味で使われています。ここでいう資金とは、頭金のことです。不動産投資におけるレバレッジは、実際のリターンを計算してみると実感しやすいでしょう。
例えば、2,000万円の不動産を頭金200万円で購入したケースで考えてみます。この場合、「物件価格2,000万円-頭金200万円」で金融機関からの借入額は1,800万円です。仮に、1,800万円を金利1.5%、35年で返済すると、月々の返済額は5万5,113円になります。家賃収入は1ヵ月あたり6万5,000円だと仮定します。(経費を引いた額)
「月の家賃収入6万5,000円-月のローン返済5万5,113円」で手残りは月9,887円です。年間利益だと11万8,644円になります。そして、利回りですが、頭金は200万円ですから「年間利益11万8,644円÷資金200万円×100=利回り5.93%」になります(※)。この資金200万円に対して5.93%という利回りは、ローンを組んだことで得られるものです。
貯金をした場合の金利に比べると、はるかに高い利回りになっています。注意点があるとしたら、この利回りは「超低金利時代だから高く設定できる」ということです。もっといえば、ローンを主体にして不動産投資をしていきたいと考える方は、「超低金利の間にどれだけ所有物件を増やせるか」が鍵になります。
※不動産投資ではさまざまな利回りの計算方法があります。ここで使われている利回りはそのうち「総投下資本純収益利回り」です。
ローン重視で不動産投資をすることは資産形成に有効
ローン活用によるレバレッジをうまく使うと、限られた人生で大きな資産を形成することができるようになります。「少ない資金で不動産を購入する」「残債がなくなったら新たに物件を買う」というポイントを繰り返すことで、数多くの物件を所有することが可能です。もし、貯金で千万単位、億単位の資産をつくろうと思ったら膨大な時間がかかってしまいます。
もし、毎月5万円ずつ貯金した場合は、年間で60万円を貯めることが可能です。このペースの積み立てだと1,800万円を貯めるのに30年かかります。(金利計算を含まず)不動産に限らず、投資とは最終的に「いかに効率的にレバレッジがかけられるかが勝負」です。そして、さまざまな投資の中でも、ミドルリスク(立地によってはローリスク)で大きなレバレッジがかけやすいのが不動産投資の醍醐味といえるでしょう。
不動産投資ローンを組むときに必要な年収と、最大の融資額はいくら?
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