マンション購入経験者の中古マンションを買った理由。買わなかった理由。
マンション購入時に、最近は中古という選択肢も出てきています。それだけに、「新築物件にすべきか」「中古物件にすべきか」で悩む方は増えているでしょう。ここでは、実際に新築/中古マンションを買った理由&買わなかった理由を検証します。購入経験者の声をマンション選びにお役立てください。
CONTENTS目次
住宅購入経験者に対し、国土交通省が行った「平成30年度住宅市場調査」では、「新築か中古かの選択理由」について聞いています。それぞれの理由の上位を見てみると、同じマンション購入者でも新築と中古では動機が異なることがよく分かります。
共通している点
新築・中古ともにすでに現在マンションを購入している人は、同じ種類の住宅で選ぶ傾向がありました。新築マンションで購入した人は、次も新築マンションで購入を検討し、中古マンションで購入した人は、次も中古マンションで検討をしていました。
新築マンション購入者の比較検討した住宅
1位 | 新築マンション | 75.5% |
2位 | 中古マンション | 33.5% |
3位 | 新築戸建て住宅 | 24.5% |
4位 | 注文住宅 | 15.4% |
5位 | 賃貸住宅 | 6.4% |
6位 | 中古戸建て住宅 | 5.3% |
※複数回答可
中古マンション購入者の比較検討した住宅
1位 | 中古マンション | 75.7% |
2位 | 新築マンション | 30.3% |
3位 | 中古戸建て住宅 | 20.5% |
4位 | 賃貸住宅 | 12.8% |
5位 | 新築戸建て住宅 | 11.3% |
6位 | 注文住宅 | 5.0% |
※複数回答可
新築マンション購入者と中古マンション購入者でここまではっきりと分かれているデータは非常に面白いです。新築・中古を購入した際に重視していたことは、住んでも変化することなく、次の購入時にも同様に重視しているということが分かります。
中古マンション購入者のデータ
中古マンションを買った理由
中古マンション購入者が中古物件を購入した理由です。
1位 | 予算的にみて中古住宅が手頃だったから | 70.6% |
2位 | 新築住宅にこだわらなかったから | 40.9% |
3位 | リフォームによって快適に住めると思ったから | 32.9% |
※複数回答可
この3つの理由から「前の住人のことがそれほど気にならず、リフォームを楽しみながら割安な中古物件を理想の住空間にしていきたい」という中古マンション購入者像が浮かび上がってきます。こんな方が中古マンションと相性が良いようです。
ただし、建物の構造の問題で希望するリフォームまたはリノベーションができないこともあります。また、すでにリフォーム・リノベーション済の物件が販売されていることもあるでしょう。これらのポイントをしっかり確認のうえ、自分と相性の良い中古マンション選ぶほうが良さそうです。
ちなみに、新築と中古のマンションの価格を比べてみると、同じエリアの同じ間取りであれば、全国平均で、15~20年ほど経てば5割程度中古が安いと一般的にいわれます。この中古の価格にリフォーム代を加えても、まだ新築マンションよりも割安というケースが多い傾向です。
中古マンション購入時に設備で重視した点
1位 | 間取り・部屋数が適当だから | 58.9% |
2位 | 住宅の広さが十分だから | 51.6% |
3位 | 住宅のデザインが気に入ったから | 35.8% |
※複数回答可
1位は間取り・部屋数が適当だったからとなりました。ライフイベントなどによって部屋数の過不足が出たことにより、購入を検討していることが分かります。2位に中古マンション購入者は広さを重視していることが分かります。前述した購入理由の1位が「予算」だったので、中古マンションは「予算のわりに広さが確保できる」ということが中古マンション購入者の背中を押している事がわかります。
新築マンション購入者のデータ
新築マンション購入時に設備で重視した点
新築マンション購入者が購入時に設備で重視した点を見ていきましょう。
1位 | 間取り・部屋数が適当だったから | 66.7% |
2位 | 住宅のデザインが気に入ったから | 56.0% |
3位 | 住宅の広さが十分だから | 40.0% |
※複数回答可
1位は間取り・部屋数が求めているものに合致したというのが66.7%と圧倒的でした。これは後述しますが、中古マンション購入者の1位と同じです。他にも注文住宅購入者の1位でもあります。やはり住宅購入時に1番重視するのは当然ながら間取り・部屋数となるようです。
中古マンションを買わなかった理由
今度は、同調査の「中古マンションにしなかった理由」を見ていきます。(新築マンション購入者が)中古住宅にしなかった理由は次の通りです。
1位 | 新築の方が気持ち良いから | 60.6% |
2位 | リフォーム費用などで割高になる | 30.9% |
3位 | 給排水管などの設備の老朽化が懸念 | 29.8% |
※複数回答可
「新築の方が気持ち良い」という心理的な理由が60.6%と圧倒的です。「日本人は新築好き」とよくいわれますが、これを裏付けるデータになっています。
ほかにも、「給排水管などの設備の老朽化が懸念」という回答が29.8%いました(第4位)。これは、日本で中古住宅が伸びない大きな要因といわれてきました。しかし、国土交通省が中古住宅のインスペクション(現物状況調査)に関するルールづくりに力を入れているため、不具合に対する不安は今後、解消されていくものと予想されます。
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