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作成日: 2021.04.01

マンションは高層と低層のどちらが住みやすいのか? メリット・デメリットを比較

マンションは高層と低層のどちらが住みやすいのか? メリット・デメリットを比較

マンションを選ぶ場合、立地や内装といった条件のほかに、低層マンションと高層マンションという階数や階層の選択肢があります。類似したエリアでも、低層と高層では得られる住環境や諸条件が大きく異なります。最近は高層のタワーマンションに強い注目が集まりますが、一方で戸建て感覚に近い低層マンションにも根強い人気があります。

実際に住む場合、マンションは低層と高層のどちらがオススメでしょうか。それぞれのメリット・デメリットを比較しながら紹介します。

低層マンションと高層マンションの定義

「低層マンション」と「高層マンション」の大きな違いは何でしょうか。法律上の明確な区分はありませんが、一般的によく使われる区分は、低層マンションが1~5階建て、高層マンションは6~20階建て、超高層マンションは20階建て以上を指す場合が多いようです。

建築基準法によって31m(ほぼ6階建ての高さ)まではエレベーターの設置義務がないこと、そして高さ60mを超える建築物には特別な規定が設けられていることが区分けの起因のようです。

また、5階建て前後のマンションを「中層マンション」とよぶケースもあるようで、高層マンションは一般的に「タワーマンション」ともよぶことが多いようです。低層マンションは比較的環境の整った郊外の閑静な住宅地に、高層マンションは利便性の良い駅近の都市中心部に多く建つようです。

もちろん、建築基準法によって建築できる建物の高さに制限があるので、郊外の住宅地に高層マンションを建設することはできません。

住みやすいマンションの基準とは

マンションの住みやすさの基準とは何でしょうか。住みやすさには、大きく分けると「物理的な住みやすさ」と「精神的な住みやすさ」があります。

低層と高層のマンション比較を行う前に、マンションの良さや特徴を知るため、戸建てとも比較してみます。

戸建てとマンションの住みやすさ

戸建住宅は独立性が高く、プライバシー面ではマンションより優位性があります。

敷地条件にもよりますが、自由にガーデニングできる庭があり、駐車場が近く、生活の利便性が高いというメリットがあります。また、マンションの管理規約のような制限もなく、改修工事やペットを飼うことも自由にできます。

ところが戸建住宅の多くは駅から遠い住宅街が中心で、車がないと不便という一面もあります。もちろん駅に近い戸建住宅もありますが、価格が高く、変形地や狭小地という難しい土地を利用したコンパクトな住宅が多くなります。

マンションも立地によっては駅から遠い物件がありますが、戸建てに比べると駅に近く、買い物などの面では利便性の良い場所に建っているケースが多く見受けられます。

マンションは戸建てとは異なり、管理の良さと防犯性が大きな魅力です。常に清掃された外回りや共用部は安心感と清潔感を感じます。最近では24時間いつでもゴミが出せるマンションも増加しているので、生活の利便性は極めて高いといえるでしょう。

防犯性においてはエントランスがオートロックで管理され、玄関ドアの鍵一つで外出できる気軽な安心感は戸建てとは比較になりません。さらに防犯カメラや管理人の巡回によって防犯性は高くなっています。

物理的な住みやすさ

では、マンションの「物理的な住みやすさ」を見てみましょう。マンションを住まいとして選択する人の多くは、「立地」を優先する傾向があります。駅から近く、また近隣や同じ建物内にスーパーやコンビニをはじめ商業施設が入ることも多く、車やバスの移動手段がなくても通勤や生活に困らないという点を重視する人にとって住みやすいといえます。

また、戸建住宅とは異なる「行き届いた管理」「共用部の清掃」「防犯性」が物理的な住みやすさの基準ともなっています。

「立地」は通勤や生活の利便性に加えて、資産価値にも大きく関わっています。購入したマンションを将来売却する場合、売却価格に大きな影響を及ぼすのが「立地」です。売却時に、マンション価格が購入者の予算金額をオーバーする場合であっても、「立地」が良ければ売買契約に至るケースが多いようです。

精神的な住みやすさ

マンションは、区分所有しているとはいえ、大きな一つの建物に複数の世帯が暮らしています。厚いコンクリートの壁の向こうには他人の生活の場が存在しています。コミュニケーションや騒音の問題は戸建て以上に神経質になる場面といえるでしょう。

分譲マンションにせよ賃貸マンションにせよ、近隣住人と顔を合わせる機会が増えるのもマンションの特徴です。ご近所様とエレベーターで顔を合わせて無視するわけにもいきません。社交的な近隣関係であれば暮らしやすい環境になりますが、逆の場合は精神的に住みにくい住居になる可能性があります。「精神的な住みやすさ」は、戸建てでもマンションでも実際に住むまでは判断しにくい基準でもあります。

低層マンションのメリット・デメリット

メリット

低層マンションの多くは「住居専用地域」とよばれる住居系の用途地域に建っています。住居系用途地域は名前が表す通り、都市計画によって住居の用途を主たる目的として設定された地域です。

建物の高さには制限があり、周囲に高い建物が建つ可能性はほぼありません。基本的に周辺は一戸建てが多いエリアのため、閑静で落ち着いた住環境が魅力的です。緑の豊かな住環境で、戸建て感覚に近い住みやすさがあります。条件により異なりますが、低層マンションの多くは住環境を優先し、高級感漂うイメージの建物も多いようです。

低層マンションの大きな魅力は、高層マンションのようなエレベーター待ちが少ないことです。急ぐ場合は階段で下りることもできるため、移動のストレスが少なくなります。地上に近いということは、地震などの災害時にも階段で容易に避難しやすくなります。低層マンションは総戸数が少なく、住民同士のコミュニティが構築しやすくなるのも大きな特徴です。

低層階は外出しやすく、緊急時でも避難しやすいという利点を持っています。

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デメリット

低層マンションは駅や商業施設から離れている場合が多く、小規模のために共用施設やサービス、また管理体制などが充実していないマンションもあります。構造面でも2〜3階建てのマンションではエレベーターが設置されていないケースがあり、「壁式構造」という特殊な構造になっていることがあります。

壁式構造は撤去できない壁の条件が多く、リフォームの場合は自由度が下がります。また、総住戸数が少ないために管理費が割高となり、大規模修繕工事なども高層マンションに比べると負担が大きくなる傾向にあります。

低層マンションは戸建てと条件が近く、道路や外部からの視線が気になりやすいことがあります。同時に車の音や通行人の話し声も聞こえやすく、虫が入りやすいこともデメリットになります。

高層マンションのメリット・デメリット

メリット

高層マンションは駅前や商業地域などの利便性の高いエリアに建てられることが多いです。

高層マンションの高層階は良質な眺望に加えて日当たりや風通しが良いという利点があります。高層特有の眺望の良さをウリにして販売されるケースも多く、価格の高い高層階から売れていく傾向があります。高層マンションは戸数も多く建物の規模も大きく、コンシェルジュサービス、キッズルーム、ゲストルームやフィットネス施設、ラウンジやパーティルームといった充実の共用施設が魅力的です。

1階部分にはコンビニや店舗が入るケースも多く、利便性の高さも高層マンションの大きな魅力でしょう。高層階は周囲からの視線や騒音が気になりにくく、周囲に遮る建物が少ないために日差しや風通しが良くなります。

昼間であれば照明を利用しなくても十分な明るさを得ることができます。一定の高さを超えると蚊などの虫の侵入がなくなり、窓を全開にしておくことも可能です。ただし、鳥には注意が必要です。

高層階に行くほど眺望が良くなり、プライバシーの面でも周りの建物からのぞき込まれる心配も少なくなります。

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デメリット

高層マンションの最大のデメリットはラッシュ時のエレベーターの利用です。特に朝の通勤時間帯はエレベーターが混雑しやすく、設置台数が少ないと強いストレスを抱えることになります。

停電や地震などの災害時にはエレベーターが止まることがあり、高い階ほど移動が不便になります。非常用エレベーターがあるマンションであっても、避難のために利用する人数が増えるほどエレベーターは思うように機能しなくなります。

免震マンションを除けば、高層階に行くほど地震や風の影響で揺れが大きくなります。そのためしっかりとした家具や家電の転倒防止対策が必要になります。

また、高層階は遮るものがないため、風が強くなることがあります。状況によっては窓を開けられないケースや、洗濯物が外に干せないこともあります。

利便性が高く、共用施設やサービスや管理体制が充実している高層マンションほど維持費や管理費が高くなる傾向にあります。さらに規模の大きなマンションは総戸数が多くなるため、住民同士の合意形成が難しくなり、管理組合の運営や修繕工事の計画に問題が生じやすくなります。

ライフスタイルによって選択肢が決まる

低層マンションと高層マンションを選ぶ場合、大切になるのは「ライフスタイル」です。どのような暮らし方をするのか、家族構成や仕事を考慮した条件や利便性などを考慮しなければなりません。

低層マンションは静かで落ち着いた暮らしを望むファミリー層やシニア層に向いたスタイルでしょう。逆に利便性重視なら高層マンションがオススメです。シングルや仕事重視の共働きファミリーが暮らすには便利な条件です。

低層マンションを好む人でも、高層マンションの低層階に住むという選択肢のほか、セキュリティの面や眺望、風や日光、価格の件も考慮しながら、バランスが整った中層階を選ぶという考え方もあります。

日常的な住みやすさだけでなく、緊急時の対処や被災後の暮らしについてもしっかりと検討しておかなければなりません。流行や話題に流されず、立地や室内状況、設備などを重視する前に、現在と未来の生活スタイル、そして将来性を把握したうえで理想的な階を検討しましょう。

※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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この記事を書いた人

田場信広 一級建築士

30年近く建築業界に従事し、工務店経営・大工・設計士・現場監督・建築コンサルタントの経験を得る。現在は、建築士として専門的な視点から建築系資材関連のコラムも執筆中。作家、Web集客アドバイザーの顔も持つ。 【保有資格】一級建築士、宅地建物取引士、メンタル心理カウンセラー

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