マンションの中古物件を購入する手順。費用や注意点について解説
中古のマンションを購入したい場合は、どういった段取りで進めればよいのでしょう。マンション購入から実際の引き渡しまでは色々なプロセスがあり、それぞれに所定の費用がかかります。中古マンション購入の流れを、経費や注意点とともに解説します。※
中古マンションを購入する流れ
中古マンションの購入を決めたら、どう動けばよいのでしょう。購入の流れから解説します。
情報収集や資金計画などの事前準備
中古マンションの購入を考え始めたら、情報収集と資金計画からスタートします。
まず、物件の情報収集に先がけ、住まいに求める条件の整理が必要です。その上で、住みたいエリアにはどういった広さ・間取り・価格帯の物件があるのか、条件に合う物件が実際に存在するのかについて、情報収集を行います。
同時に、頭金や月々のローン返済額の目安などといった資金計画も重要です。月々の返済可能額は、ローン借入額の目安にもなります。一方で、ローンは好きなだけ借りられるわけでもありません。借入可能額を知るには、シミュレーションツールを使って調べてみるのも一つの方法ですが、実際に「事前審査」に申し込むと借りられるかどうかがより明確になります。
希望の地域の相場は?東京都の例
中古マンションを購入する上では、希望するエリアの相場価格を知っておくと便利です。近年、東京23区内をはじめとした都市部では新築・中古を問わずマンションの価格高騰が目立ちます。上昇傾向が続く一方で、「天井感が強まっている」との声もあるようです。
具体的には、東京23区内の中古マンションの売買価格の中央値は5,750万円(Renosy独自調べ)となっています。築年数や間取りなど、マンションの状態にもよりますが、人気のエリアではさらに高い地域もあります。
希望の物件が決まった後は売買契約
不動産会社などを通して物件を選び、実際に見学して購入物件が決まったら、申し込みをします。購入申込書には、購入希望額・住宅ローン利用の有無・契約見込み日などが記載されるのが一般的です。
売主との調整がすんだら、いよいよ「売買契約」を締結します。売買契約時には、不動産会社が仲介をしている場合には買主・売主・不動産仲介会社が同席し、重要事項説明書と売買契約書の読み合わせなどが行われます。その後、手付金の支払い、不動産会社によっては仲介手数料を支払うことがあります。
残金決済日に引き渡し
売買契約を交わしたら、いよいよ引き渡しです。中古マンションは、購入残金の決済日に引き渡しとなります。そのため、売買契約書を締結したら、引き渡しまでにローンの借入ができるよう住宅ローンの申し込みを行います。
引き渡し当日は、司法書士による登記関係の手続き・住宅ローン資金の実行・引き渡しの順に進められるのが一般的です。自分の口座に住宅ローン資金が入金されたら、売主への支払い手続きを行います。あわせて、司法書士や不動産会社への諸費用を支払うことになります。
購入を決める前の注意点
魅力的な中古マンションに出会っても、購入を決める前に注意したいポイントがあります。条件に見合う物件でも、以下の2点は必ず確認しておきましょう。
内覧では室内のみでなく周辺環境も要確認
中古マンションの内覧では、マンション居室内の状況を確認するのは当然です。室内の動線や間取りの使い勝手についても確認します。また、窓やドアといった建具も問題がないか必ず確認しておきましょう。日当たりなども内覧時のチェックポイントです。
また、室内だけでなく周辺環境も重要です。コンビニ・スーパーの場所はもちろん、街灯の有無も生活していく上でポイントになります。実際に住む際の利便性・安全性を見ておくことが大切です。
管理状態を必ずチェックしよう
中古マンションを購入する際は、マンションの管理状態も重要なチェック項目です。たとえば、
- 植え込みの手入れが行き届いているか
- ごみ置き場が整理整頓されているか
- ポスト周辺にチラシが散乱していないか
などといった共用スペースの状況は、管理状態を見る大きな手掛かりとなります。
分譲マンションでは、管理組合が正しく機能しているかどうかは、物件の価値を左右する重要項目です。管理費や修繕積立金の残高の確認と合わせて、次回の修繕費用が足りているのかどうかについても確認しておきましょう。
リノベーションを行う場合の流れ
比較的安く手に入る中古マンションを購入し、希望の暮らし方に合わせてリノベーションするという人が増えています。リノベーションを希望する場合は、早めの検討がおすすめです。
物件探しの段階で計画を立て始めよう
リノベーションを希望するのであれば、物件探しと並行して、リノベーション計画を進めるのがベターです。
マンションの構造や管理規約などによって、どのようなリノベーション工事ができるかは異なります。マンション購入後に、「リノベーションができなかった」というようなことがないよう、物件探しと並行して、リノベーション会社選びも進めておきましょう。Renosyのように、物件選びからリノベーションまでをワンストップで提供している会社もあります。
リノベーション済の物件は、リノベーション費用が上乗せされているためその分費用が高い傾向にあります。希望する計画がある場合は、リノベーションされていない中古物件を紹介してもらうよう依頼するのもポイントです。
費用は住宅ローンに組み込める?
リノベーションの費用は住宅ローンに組み込むことができます。ただし、中古マンションの場合は、建物の耐久性が考慮され、借入期間が新築物件よりも短くなることがあります。たとえば、35年ローンを組むつもりだったのに、審査が下りたのは20年だったということがあるのです。
ローンの借入年数は築年数だけでなく、収入や年齢も影響します。リノベーション費用を含めた借入額が実際に借りられるのかどうか、あらかじめ金融機関に相談しておくのがおすすめです。
なお、リノベーション費用のローンを追加するよりも、購入時にリノベーションをして、住宅ローンにあらかじめ組み込んだほうが手続きが簡単です。リノベーションを希望するのであれば、購入と同時に実施することをおすすめします。
中古マンション購入に必要な費用とは?
中古マンション購入時にかかるのは、マンションそのものの費用だけではありません。契約から引き渡しまでには様々な諸経費が発生します。
売買契約時に必要な諸費用
中古マンションの購入では、売買契約を交わす際に
- 印紙税
- 仲介手数料
- 手付金
が発生します。
売買契約書には「印紙税」がかかります。2020年3月31日までは軽減税率が適用され、1,000万~5,000万円以下の場合は1万円です。
一方、「仲介手数料」は、仲介業者である不動産会社に対して支払うもので、建物価格×3%+6万円が上限です(建物価格が400万円以上の場合)。支払いの時期については不動産会社によってまちまちです。売買契約締結時に50%を、残りの50%は引き渡し時に支払いをする会社や、決済時に100%、売買契約時に100%という会社もあります。またこれとは別に、「手付金」が必要となります。
中古マンションの手付金は、建物価格の5%というのが一般的です。手付金は、残金決済時に頭金として、購入代金の一部とすることができますが、この手付金はローンではなく現金で納めるのが通例となっています。
引き渡し前後に必要な諸費用
引き渡しを前に、住宅ローンの借入を行います。その際、以下の費用が発生します。
- 印紙税(借入額1,000万~5,000万円以下で1万円)※
- 融資手数料(借入額の2%が目安)
- ローン保証料(金融機関による)
- 抵当権設定登記費用(登録免許税および司法書士手数料、3~4万円が目安)
- 火災保険料
※2020年3月31日までの間に作成される契約書に適用される軽減措置
さらに、引き渡し時には、「所有権移転登記」を行います。これもまた、司法書士に依頼することになり、物件価格によりますが数十万円の費用がかかります。加えて、固定資産税など売主がすでに支払った費用の日割り清算金も必要となる場合があります。
購入後に必要な諸費用
ローン借入を実行し、無事に残金支払いを終えたら、次は引っ越しやそれに伴う家具などの費用が発生します。特に、ファミリーでの引っ越しとなると費用も高額になることがあります。早めに見積りを取得して、予算を確保しておきましょう。
また、引き渡しの半年~1年半をめどに「不動産取得税」の納税通知が届きます。「不動産取得税」は都道府県に収めるもので、一定の条件を満たすことで軽減税率を受けられる場合があります。都道府県によって手続き方法が異なりますので、自治体、あるいは不動産会社に早めに問い合わせるのがおすすめです。
まとめ
中古マンションを購入する際は、物件の中だけでなく、周辺の生活環境やマンション全体の管理状況も大切なチェックポイントになります。
リノベーションの希望がある場合には、マンション探しと並行して進めておくと、ローンを一本化しやすく便利です。また、内覧時に諸経費の確認も行うと、予算管理がしやすくなります。チェック項目のひとつとしておきましょう。
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