【2種類の固定金利の話】マンションを買う前に絶対知っておきたい!
固定金利というと「住宅ローンを返済する全期間が固定金利」という認識の人もいると思います。実は固定金利には全期間の金利を固定する「全期間固定金利型」と、一定期間だけ固定金利にする「固定金利選択型」があります。この差を明確に把握してから金融機関と契約することをおすすめします。変動金利をお考えの方にも役立つ内容です。
安心だけど少々金利が高めの「全期間固定金利型」
まず、全期間固定金利型のメリットですが、ローン返済中の全期間で金利が固定されているため、ローン完済までの月々の返済額が明確で人生設計を立てやすいと言えます。
ただし、市場の金利が上がっても金利を上げられないということは、貸し出しをする金融機関側から見ればマイナス材料になります。そのため、「変動金利」や(後で紹介する)「固定金利選択型」と比較すると金利が高めに設定してあります。
一方、日本は今、低金利時代ですので、金利が上がることはあっても、下がることは考えづらい状況です。だからこそ、この一番金利が低い時に全期間固定金利型を選択し、完済までの計画を明確にしたいと考える方もいます。
全期間固定金利型でも比較的金利が低いフラット35
全期間固定金利型の中でも、例外もあります。住宅金融支援機構がバックアップしている「フラット35」であれば比較的、低金利で利用することができます。フラット35には、金利が低い以外にも、保証人や保証料が不要だったり、一定基準をクリアするとさらに金利が0.25%下がるなどのメリットもあります。
また、中には一般の金融期間でも、「全期間固定金利型でも低金利」の商品を用意していることもあります。
変動金利の要素も持った「固定金利選択型」
もうひとつの固定金利である「固定金利選択型」は、一定期間だけ固定金利でその後、変動金利または固定金利などに移行するものです。「全期間固定金利型」と比べるとやや低めの金利、「変動金利」と比べると少し高めの金利に設定されていることが多くなっています。
このタイプは、「変動金利」の方が安いというメリット、「全期間固定金利型」の安心して返済できるというメリットの両方を得るようなイメージです。ただし、一定期間終了後は先が見えないという意味では、固定金利という名が付いていても、変動金利に性格が近いと言えます。とくに3年や5年だけ固定金利という条件は、長期的に見ると計算できない部分もあります。
低金利の今だからこそ全期間固定型を選択する手もある
ここまでの解説を聞いても、「変動金利」の方が自分には合いそうだと判断される方もいるでしょう。変動金利を利用する時の注意点としては、金利が上がった時のことをリアルにイメージしておくことです。これから先、もし金利が上がって固定金利に切り替える場合、当然、今より高い金利で住宅ローンを組むことになります。
一般的には、変動金利よりも固定金利の方が先に金利が上がります。固定金利が上昇しだしたら、「固定金利に切り替えるタイミングかも」と早めに検討した方が良いでしょう。予想以上に金利が上昇してきた時には、返済額が増えないよう「繰り上げ返済」が有効です。万が一に備えて、繰り上げ返済の資金をストックしておきましょう。
ペアローンを組むなら固定金利と変動金利のミックス型も
最近は、固定金利と変動金利を組み合わせた「ミックス型」と呼ばれる方法も出てきています。これは、夫婦のペアローンでマンションを購入する場合、夫は固定金利、妻は変動金利を選択するというものです。
例えば、借入額のうち、夫の固定金利を7割、妻の変動金利を3割に設定しておけば、変動金利のリスクを抑えつつ、全体の支払い額を抑えることができます。
ここでは様々なタイプの住宅ローンを紹介しましたが、ご自身には、どのタイプがフィットするか、人生設計に合わせてしっかり検討しましょう。
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