夫婦共有名義でのマンション購入 メリット&デメリットは?
共有名義とは、1つの不動産をパートナーや親と一緒に所有することを言います。中古マンションを購入する時にも、利用することが可能です。共有名義はさまざまなメリットがある一方、離婚時などにトラブルの原因となることもあります。仕組みやデメリットをきちんと理解してから利用することが大切です。
ペアローンを組む時などに使う「共有名義」の考え方
共有名義は、例えば次のようなシーンで利用されています。
- 購入費用の一部を(パートナーや親などに)負担してもらった場合
- 返済ローンの頭金を出してもらった場合
- 比率を決めてペアローンを組んでいる場合
共有名義では、「お互いが負担した額(割合)に合わせて持分比率を決める」ことが重要です。例えば、4,000万円の中古マンションを夫3,000万円、妻1,000万円のローンを組んで購入した場合、持分比率は夫75%・妻25%になります。持分比率75%であれば、そのマンションの75%を所有していることになります。
共有名義は後に解説する通り、節税メリットが大きいですが、デメリットも大きい仕組みです。トラブルになると泥沼化の恐れもあります。特に夫婦で共有名義にする時は要注意です。約3組に1組の夫婦が離婚すると言われる時代、万が一の時のこともイメージした上で共有名義にするべきでしょう。
共有名義の最大のメリットは、住宅ローン控除の節税効果アップ
-
共有名義のメリット:融資可能額を増やすことができる
例えば、夫一人では希望した額の住宅ローンが組めない場合、夫婦の共有名義にすることで融資可能額を増やすことができます。これは親子の場合も同様です。父親だけでは長期ローンを組むのが難しい場合、共有名義にすることで融資交渉が楽になります。 -
共有名義のメリット:住宅ローン控除を出資者ごとに受けられる
共働き夫婦がそれぞれ住宅ローンを組んで共有名義にした場合(ペアローンともいう)、夫と妻が別々にローン控除を受けられます。それにより、夫一人でローンを組むよりも節税効果が高くなります。
共有名義の最大のデメリットは、離婚トラブル
-
共有名義のデメリット:債務者が亡くなったあとも返済が続く
不慮の事故などで住宅ローンの債務者が亡くなった場合、亡くなった方のローンは団体信用保険でまかなわれますが、残った方のローンは返済し続ける必要があります。そのため、子どもの養育費などを払いながら1人でも返済できる返済額に設定しておかないと、後々苦しい事態となることもあります。 -
共有名義のデメリット:離婚時に残りのローン返済が問題となる
住宅ローン返済中に離婚することになり、どちらかがマンションに住み続けると主張した場合、マンションを出て行った方も返済義務があります。出ていった方の返済が滞ってしまえば、そのマンションを退去しなくてはなりません。
ペアローンを組む場合は早めの仮審査を
最後に補足として、共有名義に関する注意点です。
ペアローンで共有名義にする場合、夫と妻どちらかが住宅ローンの審査に落ちてしまえば、希望のマンションを購入できなくなります。住宅ローンには、契約前の仮審査と、契約のための本審査がありますが、早めに仮審査を受けて、本当にペアローンが組めるのか確認しておきましょう。
もし、片方が審査に落ちた場合は、他金融機関を検討したり、夫一人の融資可能額でも購入できる価格のマンションへ切り替えましょう。
また例えば、夫一人が住宅ローンを組み、妻が頭金だけを出した場合、「共有名義ではなく、夫一人の名義で登記しよう」と考えるご夫婦もいると思いますが、これは基本的にはNGです。なぜなら、妻が出資した頭金は贈与と捉えられ、贈与税の課税対象となるからです。共有名義とすることで、頭金は贈与の課税対象から外すことができます。
※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。
関連キーワード