【退去時の賃貸住宅ビフォーアフター】賃貸管理会社がしていること DAY2:壁紙の張り替え
貸している部屋の入居者が入れ替わるとき、その部屋では次の新しい入居者さんを迎え入れるため、どのような準備がなされているのか。
退去のあとの部屋がどう整っていくか、部屋の変化の模様をお届けするシリーズの、見学2日目です。
初日は状況確認と、次工程の日程調整
退去日(部屋で何が行われていたかは前回の記事をご覧ください)に修繕の度合いを確認した結果、この部屋に必要なのは「壁紙の張り替え」と「部屋のクリーニング」とわかりました。それぞれ専門の職人さんへの依頼と日程調整が進行しました。
そしてこの記事でお伝えするのは見学2日目の「壁紙の張り替え」です。新たな入居者を迎えるための原状回復工事にかかる7日間のうちの、1日です。
壁紙の剥がしと張り替え
事前に「古い壁紙を剥がすところと、新しい壁紙を張るところを見学させてほしい」とリクエストしたうえで、約束の日の朝9時少し前に部屋に行きました。
するとすでに職人さんたちがいらして、部屋の1/3ほどが新しい壁紙に張り変わっていました。だいぶ早い時間から作業を開始されていたようです。
作業の邪魔をしてはいけないので静かに見学スタート。この日出会ったのは、なんと親子の職人さん! 親子で働けるなんて、なんて素敵でしょう……!! と思いながら、でも現場に漂う緊迫感もあり、規律正しく業務が進んでいきます。
古い壁紙を剥がすのは息子さんが担当
お父さんの方を観察しはじめてしばらくすると、「古い壁紙を剥がしますよ」と声をかけていただきました。「剥がしを見たい」という要望が伝わっていたため、取材班(この日は私1人)が到着するまで剥がす壁を残しておいてくださいました!
お父さんの動きから、息子さんの剥がしの方へ目を向けます。
剥がしの作業に必要な道具はカッターナイフ1本! カッターナイフは壁紙用のとのことですが、そんなに簡単に剥がれるものなんでしょうかと思いきや、スイスイと作業が進みます。
一気に剥がします!
大きな面積が剥がれると気持ちよさそうです。そして進みも早いです。
このあと、剥がし残しのある細かな部分は、カッターナイフで丁寧に取り除かれていきました。
新しい壁紙担当は熟練のお父さん
壁の剥がしを一通り見終わったところで、お父さんの見学を再開。新しい壁紙を張っていくのは、熟練職人のお父さんです。
カッターナイフの動きが滑らか!
お父さんの遠藤さんは、腰に巻いた道具入れの中から作業に合わせて次々と道具を使い分けています。
しばらく観察していると、カッターナイフの刃を長く出していることに気づきました。刃をしならせながら、細かな作業を行っています。
刃は、作業中に何度も取り替えられていました。刃先がダメになると、意図した箇所をカットしたつもりがカットできていなかったり、壁紙が破れてしまったりと想定外のことが起こるそうです。
すべての動きが早い!
いろいろな動きが早く、理解するより前にシャッターを切らなければいけないので、ファインダー越しに見るのをいったんストップし、直接目で見ることにしました。
しばらく眺めていると、ぼんやりですが流れがつかめてくるような気がしてきました。再びカメラを持ったときには、シャッターを押すタイミングも最初の頃よりは調整できるようになってきました。
写真に収めることができた限られた動きのみですが、複数の小道具を使い分けながら、ピシッと新品の壁紙が張られていく様子がこちらです。
折り畳まれた壁紙を伸ばしつつ、壁に張っていき、
均等にならしていくための、プラスチックかゴムに見えるヘラで壁紙を押さえ、
次は硬い素材に見えるヘラとカッターで不要な部分をカットし、
仕上げに近づくと、水を少し含ませたスポンジが登場します。
貼る工程の最後の方で、張り合わせの部分を補強するために、コーキング材が塗られていきます。右手でコーキング材をチューブから出し、左手で伸ばしていきます。
そして最後の仕上げにスポンジ。 最後の仕上げが終わると、張り合わせ箇所が本当に目立たなくなっていました!
動作は一瞬で過ぎ去っていきます。
コロコロもよく見ました。なかなか写真に捉えられなかったのですが、ちゃんと写っている写真がこちら。
小さくてかわいいサイズですが、おそらく重要な役割を担っているのでしょう。
壁紙と壁紙の張り合わせ部分は、最初重なるような幅でカットされていて、最後に不要な幅がカットされ、張り合わせ部分がわからないところまでいきます。
下の写真の、重なった部分がカットされます。
そして重なり部分がカットされると、左右の壁紙はぴったりと並びます!
あとは壁紙の端っこにあるグリーンやブルーのテープを引き抜いて完成!
ローラーで整えれば、もうつなぎ目がわかりません。
ちなみにこの日一番手がかかったのは、カーテンレールを覆うカーテンボックスの壁紙だったそうです。残念ながら私が到着したときにはカーテンボックスの壁紙は張り終わっていました。
なるほどいったんカーテンレールも外されるんだという気づきもありました。
貼るだけの状態で搬入される新しい壁紙
今回新しい壁紙は、「貼るだけの状態」で現場に運ばれていました。あらかじめ別の場所で寸法通りにカットされ、接着剤がついた状態にまで準備が済んでいるそうです。
作業現場でカット→接着剤もできるそうですが、カットする道具の運搬が重くて大変なので、この方法にしているということでした。
張る直前にも、メジャーで壁の寸法を測ります。
張る壁紙を間違えないよう、用意した壁紙から適切なサイズのものが選ばれています。お父さんが「190」と言うと、息子さんが該当する壁紙を手渡すというシステムです。
準備されたそれぞれの壁紙に寸法が書かれた付箋がついていて、間違いのないように工夫されています。
このようにして、親子でサクサクと作業が進んでいき、見学開始から2時間も経たないうちにこの日の工事は完了となりました!
見学させていただきありがとうございました。
最後の工程はクリーニングです!
次のステップは、クリーニングと小さな工事の予定で、時間は朝から夕方までの作業予定と聞いています。クリーニング取材はカメラマン森さんも復活です!
つづく。
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