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お金と制度
2022.03.16

遺産分割協議書とは何か。遺産相続発生時に必要な手続きや手順を紹介

遺産分割協議書とは何か。遺産相続発生時に必要な手続きや手順を紹介

親族が亡くなり相続が発生した場合、相続人は遺産分割を進めなくてはなりません。しかし、何をどうすればいいのか分からないという人も多いでしょう。遺産分割において重要なステップである「遺産分割協議」について、流れやポイントを解説します。

遺産分割協議とは

遺産分割協議とは

相続が発生した場合、相続人で遺産を分け合うことになります。しかし、相続人の誰かが勝手に遺産分割を進めた場合、不公平な分け方になる可能性もあるでしょう。

そこで遺産分割の際には、基本的に故人が遺した財産の分割について相続人全員で話し合う遺産分割協議の実施が必要です。

遺産分割協議で重要なポイント

遺産分割協議は、ただ単に遺産分割について相続人同士が話し合えばいいというわけではありません。適正な遺産分割協議が行われていないと判断された場合には、遺産分割協議が無効となる可能性もあるので注意が必要です。

遺産分割協議で押さえておくべき重要なポイントとして、以下の2点が挙げられます。

  • 相続人全員が参加
  • 協議の結果を書類に残す

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

遺産分割協議に相続人全員が参加

遺産分割協議を行う際は、相続人全員が参加しなくてはなりません

例えば、他の相続人と仲が悪い、遠方に住んでいるなどの理由から、その人を呼ばずに遺産分割協議を開催した場合、その協議は無効となります。必ず全員が1カ所に集まって話し合う必要はありません。電話や手紙などで、参加できない相続人の意思を確認できれば十分です。

判断能力が不十分と考えられる未成年が相続人に含まれる場合には、代理人が代わりに遺産分割協議に参加することも可能です。

遺産分割協議の結果を書類に残す

適切な遺産分割協議が行われたことを証明するためには、協議の結果を書類に残す必要があります。これが「遺産分割協議書」です。

遺産分割協議は相続人全員が参加するだけでなく、遺産分割の内容に対して相続人全員が同意する必要があります。本当に全員が同意したかを証明するために、遺産分割協議書には相続人全員の署名・押印が求められます。

遺産分割協議書が必要な手続き

遺産分割協議書が必要な手続き

遺産分割協議書はすべての相続で必要というわけではありません。遺産分割協議書の提出が求められるケースは限られているため、必要かどうか、どこに提出すればいいのかを事前に把握しておくことが大切です。

遺産分割協議書が必要な手続きの一例と提出先、不要なケースを確認しましょう。

遺産分割協議書が必要な手続きの一例と提出先

遺産分割協議書の提出を求められる主な手続きと提出先の一例は以下の通りです。

  • 預金の名義変更や払い戻し:金融機関
  • 株式の名義変更:証券会社
  • 不動産の名義変更:法務局
  • 自動車の名義変更:運輸支局
  • 相続税の申告:税務署

基本的に、故人が有していた権利を引き継ぐまたは変更する手続きの大半で、遺産分割協議書の提出が求められると理解しておきましょう。

遺産分割協議書が不要なケース

遺産分割協議書は、正しく遺産分割協議が行われたことを証明するための書類です。そのため、以下の2つのケースでは基本的に遺産分割協議書を作成する必要はありません。

  • 相続人が1人の場合
  • 故人の遺言書通りに遺産分割を行う場合

相続人が1人の場合や遺言書通りに遺産分割を行う場合には、遺産分割協議が不要なので遺産分割協議書の作成も基本的には不要です。

遺産分割協議書の作成手順

遺産分割協議書の作成手順

遺産分割協議書が必要な手続きの中には、期限が定められているものもあるため、速やかに遺産分割協議書を作成しなくてはなりません。

遺産分割協議書を作成するためには、事前に作成手順を把握しておくことが大切です。遺産分割協議書の作成は以下の4つの手順で進みます。

  1. 相続人の確定
  2. 被相続人の財産の確定
  3. 遺産分割協議
  4. 遺産分割協議書の作成

各ステップを詳しく見ていきましょう。

相続人の確定

遺産分割について話し合う遺産分割協議は、相続人全員の参加、同意を得ることが必須です。そのため、まずは誰が相続人なのかを確定させなくてはなりません。

相続人を確定させるためには、被相続人(故人)の戸籍謄本などを取得して調べる必要があります。スムーズに次のステップに移行するためにも、早めに戸籍謄本を取得して相続人を確定させましょう。

被相続人の財産の確定

遺言書の有無や被相続人の財産をきちんと把握せずに遺産分割協議を開始すると、あとで財産が発見されて再協議の手間がかかる、相続税額が変わるといったトラブルに発展する可能性があります。そのため、相続人の確定と並行しながら被相続人の財産を確定させなくてはなりません。

被相続人の財産と聞くと、現金や預金、不動産などのプラスの財産をイメージする人が多いでしょうが、借入金やローンといったマイナスの財産も相続に影響します。

マイナスの財産がプラスの財産と比較して多いケースでは、「相続放棄」といった対応を考えなくてはならないため、時間をかけて財産を確定させましょう。

遺産分割協議

相続税の申告や納付は、被相続人の死去を知ってから10カ月以内に行わなければなりません。「10カ月もあれば十分だ」と考えるかもしれませんが、話し合いが難航してあっという間に期限が迫ってくるというケースも多いのが遺産分割です。

遺産分割協議で同意を得られない場合には、家庭裁判所の調停委員会による「遺産分割調停」、それでも解決しなければ家庭裁判所による「遺産分割審判」へと発展します

期限に間に合わないということがないように、逆算して着々と遺産分割協議を進めましょう。

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議で話し合った内容は、遺産分割協議書にまとめます。遺産分割協議書は、各相続人が署名・押印を行った同じ内容のものを各相続人が1通ずつ所持します。

遺産分割協議書の内容を変更する場合は、再度相続人全員が集まって遺産分割協議を行う必要があるため、納得のいくまで話し合ってから作成しましょう。

遺産分割協議書の作成ポイント

遺産分割協議書の作成ポイント

遺産分割協議書に特定の様式はありません。しかし遺産分割協議書の内容が不十分な場合、不備があることを理由に手続きを進められない可能性もあるので注意が必要です。遺産分割協議書作成時のポイントについて確認しましょう。

遺産分割協議書の作成例

遺産分割協議書に特定の様式はないものの、以下の4点は盛り込んでおく必要があります。

  • 被相続人の名前、亡くなった日
  • 相続人全員が話し合った内容に合意している旨
  • 相続財産の内容と誰が相続したか
  • 相続人全員の名前、住所、署名、押印

法務局のウェブサイトには、遺産分割協議書の作成例が用意されています。どのように作成すればいいか分からない場合は、こちらのページを参考に作成しましょう。

参考:<記載例> 登記申請書(PDF)|法務局

遺産分割協議書について知り相続に備えよう

遺産分割協議書について知り相続に備えよう

相続が発生した場合には、預金の名義変更や払い戻し、不動産や自動車の名義変更といった手続きのために遺産分割協議書が必要になります。

遺産分割協議書とは、相続人全員がどのように遺産を分割するか話し合う遺産分割協議の内容をまとめた書類です。

遺産分割協議書に特定の様式はないものの、財産の種類や金額(量)、誰が何を相続するか、相続人全員の署名・押印が必要といった最低限の要件は満たさなくてはなりません。

要件を満たしていないと、正式な遺産分割協議書として認めてもらえず、手続きが進まない可能性もあるため、遺産分割協議書についての理解を深めてから取りかかりましょう。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

矢野翔一 宅地建物取引士・2級ファイナンシャル・プランニング技能士(AFP)

有限会社アローフィールド代表取締役として不動産投資や株式投資を行う一方で、学習塾の経営も行っています。自身の経験と保有資格を生かしながら、ライターとして活動しています。 【保有資格】宅地建物取引士・管理業務主任者・2級ファイナンシャル・プランニング技能士(AFP) 有限会社アローフィールド

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