ビジネス街から繁華街まで! 各所にスムーズな移動が可能な都営大江戸線(清澄白河・蔵前・落合南長崎・新江古田)|まちの住みやすさ発見
見知らぬ土地に不動産を購入する際は、物件だけでなく周辺の環境を知っておきたいもの。現在の様子はもちろん、未来のまちを事前に把握できると、購入物件の将来の資産価値も予想しやすくなります。「まちの住みやすさ発見!」では、さまざまな角度からまちのよさに迫ります。
今回は下町から繁華街まで、さまざまな街を行き来できる魅力的な都営大江戸線沿線エリア(清澄白河・蔵前・落合南長崎・新江古田)をご紹介します。
都内を大きく一周する都営大江戸線
都営大江戸線(以下、大江戸線)は都庁前駅を起点として、都内全体を一周して結ぶ、東京都内の地下鉄路線の中で最も新しい路線です(開業2000年)。車両およびラインカラーは「マゼンタ」とよばれる赤紫色が使用されていて、都内路線の中でも特徴的なカラーをしています。
ビジネス街である新宿や六本木へのアクセスだけでなく、月島や勝どきなど住宅地として人気の地域へのアクセスも可能です。
今回は、新宿へのアクセスがしやすい西側エリアの2駅(落合南長崎・新江古田)と、近年お洒落なカフェなどの参入により、新しさと昔ながらが調和した東側エリア2駅(清澄白河・蔵前)をご紹介していきます。
都内全体を網羅!
大江戸線は全38駅で構成されています。都内でも最大級の交通の利便性を誇り、東京メトロ千代田線を除くすべての地下鉄への乗り換えが可能です。また地下鉄路線としては全国で最も長い運行距離であり、都内地下鉄路線の中で1日の平均輸送人員が最も多いのも特徴です。
大江戸線西側エリアは新宿へのアクセスがしやすく、東側エリアは大手町や九段下などのビジネス街へのアクセスに長けています。
住宅街やビジネス街、また繁華街などさまざまな地域を通ってるので、幅広い需要に対応できる路線です。
大江戸線エリア周辺の開発情報
大江戸線は、住宅地からビジネス街までさまざまな地域を結ぶ都内でも有数の大規模路線です。
今回はそんな大江戸線沿線の大規模再開発情報を、エリアごとにご紹介します。
大江戸線延伸計画
大江戸線延伸計画は、現在大江戸線終点の光が丘駅から、大泉町方面を通り東所沢駅まで延伸することを目的とした路線開発になります。
東所沢駅までの途中駅としては、土支田駅(仮称)、大泉町駅(仮称)、大泉学園町(仮称)の3駅が設置される予定です。現時点で開業予定時期は未定となっています。
練馬区の北西部は、一定の距離に鉄道やバスがない鉄道空白地域が存在しており、今回の開発により北西部と都心部がつながるため、その問題は大きく改善される予定です。
開発の効果としては、都心へのアクセス時間短縮が見込まれており、延伸後の新宿駅や六本木駅へのアクセスは最大で18分短縮が可能とされています。
また、大江戸線は東日本大震災発生時に、最も運転の再開が早かった路線のため災害時での緊急利用路線としても開発の効果として挙げられます。
新宿エリア
新宿駅西口地区開発事業(2022年〜2029年)
新宿駅西口地区開発事業は小田急線新宿駅周辺を中心とした、中高層部にオフィス機能、低層部には商業施設を有す大規模複合商業施設の開発です。
小田急電鉄株式会社および東京地下鉄株式会社が中心となって進めている開発事業で、新宿グランドターミナルの一環として進行中。新たな新宿のランドマークとして注目が集まっています。
この計画で予定されているビルが完成すると、新宿駅西口に地上48階、高さ約260mの高層ビルが誕生し、新宿では最も高いビルとなる予定です。
2022年度に着工、完成は2029年度を予定しています。中高層部にオフィス機能、低層部には商業施設を有します。
商業施設の中層階(9階〜14階部分)には、「スカイコリドー」とよばれる見晴らしのいいテラスのような空間が創り出され、賑わいと交流が生み出されます。新宿ミロードなど、低層階にある交流広場からのアクセスもしやすくなっているため、多くの人が利用することでしょう。
また新宿駅内の動線も整備される予定で、地下1階と地上1階部分には丸ノ内線改札と小田急線改札が設けられます。
大江戸線や京王線など他路線の動線も改善されるため、より駅自体の利便性も向上し、新宿駅周辺を利用する人も増加するでしょう。
新宿グランドターミナル構想
「新宿グランドターミナル」とは、2040年代を見据えた新宿の街づくりとして、東京都と新宿区が中心に進めている構想です。
この構想のコンセプトは、「~「交流・連携・挑戦」が生まれる人中心のまちへ~」。現在の新宿の特性を生かしつつ、今抱えている新宿の街と駅の課題を解決することで、より魅力的な街にしていく構想です。
街づくりの方向性として、以下の4つが挙げられています。
引用:新宿の拠点再整備方針(案)~新宿グランドターミナルの一体的な再編~東京都・新宿区 (PDF)|東京都都市整備局
- 世界一のターミナルにふさわしい機能の充実・強化
築50年以上が経過した駅ビルの建替えを契機として、複数の駅と駅前広場も含めて一体的に整備することで、国際交流都市の玄関口としてふさわしい整備を行う- 駅とまち、まちとまちの回遊性向上
新宿に訪れる誰もが自由に行き交うことができ、活動しやすい歩行者空間を創出する- 国際競争力の強化に資する機能の導入
国際ビジネス交流ゾーンを形成する中核的な拠点の一角として、来訪者の多さや多様な機能の集積を生かし、世界から投資や消費を生み出す、国際水準の環境整備や新たな魅力を発信し続ける機能の導入を誘導する- 周辺地域への展開
ターミナルの再編を契機として、周辺のまちづくりを進め、新宿のまち全体の機能更新を促進する
新宿グランドターミナルに向けて新宿はどう変わるのか?
新宿グランドターミナルに向けて、東京都・新宿区が挙げている具体的な方針をいくつかご紹介いたします。
グランドターミナルと街を「東西骨格軸」でつなぐ
新宿駅の東西の行き来をよりしやすくする取り組みです。2020年に開通済みの地下の東西自由通路に加え、線路上空に東西デッキを設置し、よりスムーズな移動ができるようになる予定です。
グランドターミナルの顔となるプラザ・テラスを整備
新宿駅の線路上空に、新宿の新たな顔として「新宿セントラルプラザ」の整備、また新宿駅のデッキから地下までを結ぶ「新宿テラス」の整備が予定されています。
グランドターミナルの各所に人が佇みたくなる空間とみどりの創出
新宿セントラルプラザ、新宿テラスを人の動きが視覚的にわかりやすい設計に。また、緑を多く取り入れることで、居心地の良い空間作りが予定されています。
大江戸線エリア(清澄白河・蔵前・落合南長崎・新江古田)の基本情報
人口推移
各駅ともに人口は増加傾向にあります。なかでも蔵前駅や清澄白河駅周辺は、近年駅周辺の整備やお洒落なカフェなどの参入などにより、街全体で賑わいと人気を見せています。
最近では住みたいと感じる若者が増加し、顕著に人口を伸ばしているため、今後も引き続き安定した賃貸需要が見込めます。
大江戸線沿線の乗降者数
大江戸線全体の1日平均乗降人員は約65万人と、都営地下鉄の中で最も乗降者数の多い路線となります。
ターミナル駅である新宿駅や、近年再開発で整備された街並みが人気な勝どき駅などは平均乗降者数も非常に多いほか、住宅地である練馬駅や光が丘駅も一定数の利用者がいます。
ビジネス街から暮らしやすい住宅街までさまざまなエリアを結ぶため、幅広い層から利用される路線です。
大江戸線沿線の主な企業
企業名 | 連結含む従業員数 |
---|---|
東日本旅客鉄道株式会社(新宿) | 49,780人(連結、2021年3月時点) |
ソフトバンク株式会社(大門) | 47,313人(2021年3月31日時点) |
コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社(六本木) | 15,772人(2020年12月31日時点) |
三和ホールディングス株式会社(新宿) | 11,540人(連結、2021年3月時点) |
大成建設株式会社(新宿) | 8,572人(2021年3月31日時点) |
(RENOSY調べ 2021年)
大江戸線沿線は多くのビジネス街に対しアクセスが良いこともあり、多種多様の有名な企業が点在しています。
大規模ターミナル駅である新宿駅周辺の事業者数は約15,000、従業員数は約40万人にもおよびます。
参照:新宿区の統計 町丁別産業大分類別民営事業所数および町丁別産業大分類別民営事業所従業者数|2018年│新宿区
今後は「新宿グランドターミナル」をはじめとしたさまざまな開発が控えているので、さらに新宿の魅力が高まり、企業の本社移転が増えることも考えられるでしょう。
大江戸線沿線の主な大学
大学名 | 学生数 |
---|---|
工学院大学(新宿) | 6,804人(2021年5月時点) |
東京理科大学(飯田橋) | 19,033人(2021年5月時点) |
中央大学(後楽園) | 4,774人(2021年5月時点) |
武蔵大学(新江古田) | 4,381人(2021年5月時点) |
二松学舎大学(飯田橋) | 3,013人(2021年5月時点) |
(RENOSY調べ 2021年、大学院生含む学生数)
現在のまちの様子
清澄白河(大手町まで約8分、新宿まで約26分)
2015年に「ブルーボトルコーヒー」の日本1号店が誕生し、 近年は都内随一のカフェ激戦区となった清澄白河。住環境と都心へのアクセスの良さが後押しし、住みたい街の候補に挙がるほどの人気エリアです。
23区の中でも緑が多いエリア。駅の南には清澄庭園や清澄公園、東京都現代美術館、木場公園、隅田川、小名木川などがあり、休日は多くの人で賑わいます。
清澄白河駅の利用可能路線
利用可能路線は、都営大江戸線と東京メトロ半蔵門線の清澄白河駅。2線利用できるのは魅力です。
ターミナルまでの所要時間は、大手町まで約8分、六本木駅まで約21分、渋谷駅まで24分、新宿まで約26分。乗り換えなしで行けるので移動の負担は少ないでしょう。
清澄白河駅の周辺環境
東京都指定名勝に指定されている清澄庭園。1878年、三菱財閥創業者の岩崎弥太郎氏が買い取り、庭園の造成に着手しました。自然豊かで開放的な空間なので、気持ちの良い風を感じられるでしょう。
受け継がれてきた下町の良さと新しい文化が共存しているのも清澄白河の魅力。近年は激戦区としてその数を増やしているカフェ。このエリアだけでも30以上のカフェがあるでしょう。
駅周辺にはコンビニやファミレスはもちろん、カフェや商店街もあるので、飲食や日常の買い物に不便さを感じることはないでしょう。
蔵前(日本橋まで約6分、東銀座まで約9分)
「東京のブルックリン」とよばれる蔵前。川沿いにあることや倉庫、職人の街であることがブルックリンとの共通点として挙げられます。
駅からすぐの場所に隅田川があり、開放的な雰囲気を感じながらスカイツリーを見ることができます。川沿いには「隅田川テラス」が、街にはカフェや雑貨店が多く、穏やかな休日を過ごせる街といえるでしょう。
蔵前駅の利用可能路線
利用可能路線は、都営大江戸線と都営浅草線の蔵前駅。2線利用できるのは魅力です。
ターミナルまでの所要時間は、日本橋駅まで約6分、東銀座まで約9分、飯田橋まで約9分、六本木駅まで約26分、新宿まで約36分。日本橋・銀座エリアに出やすいので、特にビジネスマンには大きな魅力です。また、これらの駅に乗り換えなしで行けるので移動の負担は少ないでしょう。
蔵前駅の周辺環境
倉庫を生かしたお店やレトロなビルにカフェが入るなど、街並みはそのままに新たな魅力が生まれています。ハンドメイドやインテリアショップも多く、見ているだけで感性が刺激されるでしょう。
駅周辺にはコンビニやドラッグストアはもちろん、カフェや商店街もあるので、飲食や日常の買い物に困ることはないでしょう。
落合南長崎(新宿まで約13分、六本木まで約23分)
閑静な住宅街が広がる落合南長崎。マンガの聖地「豊島区トキワ荘マンガミュージアム」が誕生したことから休日は多くの人で賑わっています。
駅周辺は目白通りと新青梅街道に面した交通の要所。タクシーや自転車で移動するには非常に優れた立地です。
落合南長崎駅の利用可能路線
利用可能路線は、都営大江戸線の落合南長崎。ターミナルまでの所要時間は、新宿駅まで約13分、六本木駅まで約23分、どちらも乗り換えなしで行くことができます。
池袋へ行く場合は、西武池袋線の椎名町駅まで徒歩約17分、自転車があれば池袋駅まで約10分で行くことが可能。
周辺には立教大学や日本大学、武蔵大学があり、学生が自転車通学するには便利な立地です。
落合南長崎駅の周辺環境
手塚治虫をはじめとする現代マンガの巨匠たちが住んでいたマンガの聖地「トキワ荘」が再現されている「豊島区トキワ荘マンガミュージアム」。イベントや企画展も開かれているので、何度行っても新しい発見があるでしょう。
駅から直通で行けるのが嬉しい複合型ショッピングセンター「アイテラス落合南長崎」。スーパーや飲食店、病院があるので、住民には欠かせない存在です。
買い物はアイテラス落合南長崎をはじめ、コンビニやスーパーがあります。日常の買い物をするには十分といえるでしょう。
新江古田(新宿まで約17分、池袋まで約17分)
大きな建物はほとんどなく、のどかな雰囲気が広がる新江古田。
街の大部分は住宅地で、大通りから外れると静か。穏やかな環境でゆったりと暮らしたい人にとっては最適な街といえるでしょう。
駅前は目白通りに面しているので賑やかですが、道を一本入れば商店街や閑静な住宅街になっています。
新江古田駅の利用可能路線
利用可能路線は、都営大江戸線の新江古田。ターミナルまでの所要時間は、新宿駅まで約17分、六本木駅まで約25分、どちらも乗り換えなしで、池袋まで約17分で行くことができます。
また、西武池袋線の江古田駅まで徒歩約9分で行け、隣の練馬駅まで行けば西武池袋線や東京メトロ有楽町線が使えるのは大きな魅力。
周辺には立教大学や日本大学、武蔵大学があり、学生が自転車通学するには便利な立地です。
新江古田駅の周辺環境
四季折々の自然と出会える中野区立江古田の森公園。里山の樹林やビオトープがあり、自然を身近に感じられるでしょう。この公園は防災公園としての役割もあるので、住民にとっては大切な存在です。
早朝から深夜まで営業しているマルエツは心強い存在。ほかにもスーパーやコンビニがあるので日常の買い物には不自由しないでしょう。買い出しが必要な場合は隣の練馬駅に行けば、大体のものは揃えられるでしょう。
アクセス利便性が高く、各所にスムーズな移動が可能
大江戸線は各所にスムーズな移動が可能なのは大きな魅力です。例えば学生の間は新宿に通学、社会人になったら大手町に通勤となった場合も、通勤の利便性を求めて引越しをする必要はありません。ライフステージの変化による利用駅の変化に強い路線といえるでしょう。
沿線には大学も多く、社会人になっても住み続ける方もいることから、今後も高い賃貸需要が予想されます。
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