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作成日: 2021.01.08

マンション売却で火災保険料が戻ってくる! ほかに戻ってくる費用は何?

マンション売却で火災保険料が戻ってくる! ほかに戻ってくる費用は何?

住宅ローンを組んでマンションを購入する際、基本的には火災保険に加入する流れとなっています。

火災保険は、地震や天災など不測の事態に備えた「万が一」の補償ですが、何らかの理由でマンションを売却する際、解約手続きと返金がスムーズにできるかどうか気になる方もいるのではないでしょうか。また、火災保険に併せて地震保険料を含む諸費用の返金に関しても知っておきたいところです。

今回は、マンション売却時の火災保険や地震保険の対応について紹介します。

マンション売却で火災保険料が戻ってくる

火災保険は、戸建てと同様に、マンションを購入した場合でも大手損害保険会社を中心に複数の企業が取り扱っています。保険のタイプは、「掛け捨て」と「積み立て」の2つです。

マンションの火災保険は、保険の対象を「建物のみ」「建物と家財どちらも」のいずれにするかをまず決めます。そして契約した補償内容によって各自で負担する金額に違いが生じます。マンションにおける保険補償の対象内容については、以下の通りです。

【マンション内における火災保険補償の対象内容(一例)】

  • 火災(落雷やマンション内の建物の共用部分が損害を受けた場合等)
  • 風水害(台風による風災や洪水、その他天災などにより共用部分の一部が床上浸水した場合等)
  • 水濡れ(給水管の破裂や洗面台の水道蛇口閉め忘れによる水漏れ等)
  • 盗難(現金を含む家財の被害が対象)
  • 地震保険

マンションを売却する際、売主が気になることのひとつとして、「火災保険の解約及び保険料の返還」が挙げられます。多くの売主は、「前払いをした保険料は取り戻せるの?」という疑問が出てくるのではないでしょうか。あとで「あのときに調べておけばよかった」ということがないよう、保険料返還の条件や解約の流れなどについて知っておきましょう。

火災保険料を取り戻せる条件

マンションの火災保険を「長期一括払い」「年払い」「半年払い」等で契約している場合、保険契約満期日までの残存期間(未経過期間)が1カ月以上であれば保険料は戻ってくるケースがほとんどです。なお、1カ月に満たない日数がある場合や返戻金の計算等、細かい条件については各保険会社によって異なります。マンションを売却しようと考えている方は、改めて火災保険の契約内容を確認しましょう。

火災保険料を取り戻せない事例

一方で火災保険料を取り戻せないのは、すべての契約方式に共通して火災保険の補償期限が1カ月未満という場合が多いです。ほかにも「月払い」契約に関しては、火災保険の残存期間が1カ月以上あっても返戻金がないので注意が必要です。マンションを売却する際に、契約した火災保険の補償期間の残存期間を確認しておきましょう。

火災保険解約のベストタイミングとは?

マンションの売却を理由とした火災保険解約のベストタイミングは、引渡しが完全に終わったあとです。なぜなら、マンションの売買契約成立から引渡しまでの間に火災・地震等の災害に遭遇した場合、売主が修繕費を負担しなくてはならないからです。

※令和2年4月施行の民法改正により、原則として売主が危険負担を負うこととされました。例えば、売買契約締結後、引渡しまでに対象不動産が天災により滅失してしまったとき、買主は代金の支払いを拒むことができます(民法第536条第1項)

もし引渡し完了までに火災保険を解約していた場合は、火災等による建物の毀損・滅失があった場合でも保険の適用が受けられません。そのため、確実に引渡しが完了するまでは火災保険の契約は継続しておいた方が安心です。

なかには、「なるべく早く火災保険料を返金してもらいたい!」と思う方もいるかもしれませんが、保険料を確実に取り戻すためにも焦りは禁物です。

自分で行動することが肝! 火災保険を解約する方法

マンションを売却しても、火災保険が自動的に解約されるわけではなく、そのままではお金も戻ってきません。売主自身が契約した保険会社へ電話またはネットを通じて、解約手続きするのが基本的な流れとなっています。その際に保険証券といった火災保険の契約について記された書類も手元に用意しておくと、解約手続きがスムーズにできます。

その後、保険会社から解約関連の書類が送付されるので、必要事項を記載や捺印の上、提出をします。自分からアクションを起こさない限りスムーズに火災保険料の解約ができないので、注意しましょう。

計算式で返金額の目安を知っておこう

マンションを売却する際、火災保険料の返金額は、「長期一括保険料×未経過料率」の計算式で算出されます。

なお「未経過料率」とは、長期で一括払い契約をした際の契約内容の変更や解約保険料を算出し、契約した内容に基づき変更前後の長期一括払いの保険料の差額をかけた係数のことを指します。ただし、「未経過料率」は保険会社によって異なります。

以下は、保険会社の火災保険解約に基づく返戻金の未経過料率表をピックアップしたものです。ぜひ参考にしてみてください。

【保険会社の火災保険返金関連のページ(抜粋)】

  • 損保ジャパン

「火災保険・地震保険 未経過料率表」にて、保険期間、経過年数および月数の軸から「未経過料率」を確認可能。上記で紹介した計算式に長期一括保険料と未経過料率を当てはめると返金額の目安を把握できるでしょう。

地震保険はどうなる?

近年の相次ぐ大規模地震によって地震保険のニーズが高くなっており、火災保険の補償対象として扱われています。一般的に、単独で地震保険に加入することはできません。また、火災保険の補償期間は最長で10年、地震保険の保険期間は最長で5年という相違点があるため、双方の保険料が返金されるかどうか保険会社に問い合わせをしておくとよいです。

マンションの売却による地震保険料の解約に関しても、先に記載した火災保険の解約の流れと同じく、自分で保険会社へ連絡し解約の申請を進めます。

そのほかに戻ってくる費用はある?

マンションの売却は、火災保険料と地震保険料のほかにも返金される費用があるので、紹介していきましょう。

1. 税金関連

マンションの売却では、火災保険料や地震保険料だけでなく返金されるものもあります。

固定資産税精算金

一般的な不動産売買では、固定資産税及び都市計画税(以下、総称して「固定資産税」という。)の負担分を売主と買主で分担し、売買代金決済時に精算します。例えば、売主がすでにマンションの固定資産税を全て納めていた場合、1月1日から引渡し前日までを売主の負担とし、引渡し日以降は買主の負担分として日割り計算します。つまり、買主が負担する分は決済時に売主へ支払われるため、売主としては、その分の固定資産税が戻ってくることになるのです。なおこれらの取り決めは、売主・買主が同意している必要があります。

2. ローン関連

住宅ローンを組んでマンションを購入していた場合、ローン契約(金銭消費貸借契約)時に保証料を一括前払いしていれば、マンション売却時に未経過分の返金があります。ただし、住宅ローンを契約した銀行および保証会社によっては返金の計算方法が異なります。事前に確認しておきましょう。

注意すべきポイントは?

先の章では、保険料の返金について述べましたが、逆に返金できない、うっかりすると負担する羽目になる費目もあります。

1. マンションの管理費と修繕積立金は返金対象外

原則として、マンションの管理費修繕積立金が戻ってくることはありません。なぜなら、管理費修繕積立金は建物全体の維持管理等に使用されるものだからです。例えば、マンションの区分所有者が部屋(専有部分)を売却するたびにそれぞれ個別に管理費等を返還していては、管理組合の財政状況が悪くなり、建物の良好な維持管理が困難になってしまいます。

仮に、管理組合の規約に大規模修繕に基づく修繕積立金の返還について記載があれば、その分が返還される可能性もありますが、基本的には「戻ってこない」と思っていた方がよいです。

2. マンションを手放しても修繕費用を負担

マンションを売却して引き渡したあとであっても、物件のどこかに欠陥箇所が発見された場合、契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)により、原則としてその修繕費用は売主が負担するのが一般的です。その場合は、火災保険料の返戻金を修繕費に充てることができます。

とはいえ、このような事態を防ぐためにはマンションの売却前にできるだけ欠陥部分がないかをチェックし、もし欠陥があれば修繕を行い次の方が安心して入居できる環境を整えておくことが大切です。火災保険の契約期間中であれば、万が一災害によりマンションが損傷した場合でも、保険料を充てることで修繕費を安く抑えることも可能です。

なお、売主が宅地建物取引業者(いわゆる不動産会社)ではなく個人や一般法人の場合は、売主が契約不適合責任を負う期間を「引渡し日から6カ月以内」と限定したり、免責することもできます。もちろん、契約の相手方となる買主の合意が必要なので、契約前に協議しておくと安心です。

マンション売却するなら火災保険料の契約内容と返金費目を確認しよう

マンションを購入すると契約する火災保険。最近は、地震保険なども一緒に契約するケースが一般的です。「長期一括」などで火災保険を契約した場合、保険契約満了日から1カ月以上の残存期間があれば、解約することができます。契約内容を確認しましょう。

また、マンション売却に伴う返金は、火災保険料だけでなく、税金の控除や保証料も返還となりますので、売却の知識を高めつつ、どのくらいの返金額になるかということを調べておきましょう。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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