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作成日: 2021.01.05

マンション売却後は確定申告が必要! 必要書類や注意点まとめ

監修:
税理士法人 スバル合同会計
マンション売却後は確定申告が必要! 必要書類や注意点まとめ

マンションを売却したら、忘れてはいけないのが確定申告です。確定申告とは1年間の所得にかかる税金を、税務署に申告する制度です。マンションを売却すると確定申告が必要ですが、なじみがない方も多いでしょう。

そこでこの記事では、マンション売却後に確定申告が必要な理由と、その際に準備すべき書類や注意点をご紹介します。  

マンション売却後に確定申告は必要?

「確定申告」と聞くと、個人事業主や自営業の方などが行うものと考えられがちです。しかし、マンションなど不動産を売却した際に「譲渡所得(≒売却益)」が発生すれば、誰でも確定申告する必要があります。

譲渡所得とは土地、建物、株式などの資産を譲渡して得た利益のことです。例えば給与所得であれば、勤務先が年末調整で申告してくれます。ただ譲渡所得は、不動産を売却した本人が行わなければなりません。

では、マンション売却で必要となる確定申告とはどのようなものでしょうか。
まず、譲渡所得がどれだけ生じたかの計算方法は以下になります。

譲渡収入金額-取得費-譲渡費用-特別控除額=譲渡所得

売却額からさまざまな経費を差し引いて残った金額が譲渡所得になります。譲渡所得がプラスの場合は、確定申告により「譲渡所得税」を納める必要があるのです。

反対に譲渡所得がマイナスになったときは、確定申告の必要はありません。しかし、この場合でも一定の要件に該当する場合には確定申告することで、給与等と損失を相殺(損益通算)できる場合があるので、確定申告した方がよいでしょう。給与所得と相殺すれば、給与所得が減額され節税になるからです。

つまり損失が出ていても、確定申告をするメリットはあるということ。マンションを売却予定の人は、確定申告についても事前に知っておくようにしましょう。

マンション売却後の確定申告の流れと必要書類まとめ

確定申告は以下の流れで行います。

  1. 必要な書類を集める(譲渡所得の計算に必要な資料を準備)
  2. 譲渡所得税の計算(譲渡所得の内訳書でプラスかマイナスかをチェック)
  3. 書類を作成(確定申告書を準備して申告書を作成)
  4. 税務署へ提出

以下より詳しく解説します。

マンション売却後の確定申告で必要な書類

まずは、「確定申告書の用紙(B様式、第一表・第二表)」と「分離課税用の申告書(第三表)」、「譲渡所得の内訳書」が必要です。これらは最寄りの税務署で取得するか、もしくは国税庁のホームページからダウンロードできます。

マンションを売却した際の売買契約書の写しも、記入した確定申告書と併せて提出します。具体的には「不動産売却時の売買契約書」「不動産購入時の売買契約書」です。売却時だけでなく、購入時の書類も必要になる点がポイント。

譲渡所得の金額を正確に割り出すためには、売却利益がいくらになるかを把握しなければなりません。そのため売却価格が掲載されているものではなく、成約時の価格の証明が必要になります。また、不動産会社に支払う仲介手数料や登記の費用、印紙代などの領収書も経費になるので、忘れずに準備しましょう。

最後に法務局が発行する、売却した物件の「全部事項証明書」が必要になりますが、これは不動産登記簿に記載された内容が正しいことを証明する書類です。所有権の移転や抵当権の設定・抹消なども含めた全履歴が記載されています。登記内容はデータ化されているので、マンションの所在地にかかわらず全国どこの法務局でも取得可能。窓口で取得する際は手数料がかかるのでご注意ください。

マンション売却後に確定申告する際の注意点

確定申告用の書類はとにかく数が多く、取得場所が多岐にわたるので、つい漏れが出てしまいがちです。また領収書等はうっかりなくしてしまう恐れもあるので、まとめて管理しておくよう心がけましょう。

なお国税庁のサイトから確定申告書類を作成できるので、こちらで作成することをおすすめします。このサイトを利用すれば譲渡所得も自動計算してくれるので便利です。

【利益が出た場合】マンション売却時の確定申告

マンション売却時に行う確定申告では、利益の出た場合と損失があった場合、それぞれ申告する内容が異なります。まずは利益が出たパターンの税率や、特別控除について解説します。

譲渡所得税の税率

マンション売却時に利益(譲渡所得)が出た場合は「譲渡所得税」を納めることになります。

譲渡所得税は、上述した譲渡所得に税率を掛けます。ただし、不動産の所有期間によって税率が異なるので注意しましょう。マンションを売却した年の1月1日時点で所有期間を算出します。

所有期間5年以下は39.63%(短期譲渡所得)、5年超だと20.315%(長期譲渡所得)の税率です。また10年を超える場合は、要件を満たせば以下のような軽減税率の適用も受けられます。

譲渡所得
6,000万円以下の部分
譲渡所得
6,000万円超の部分
所得税 10% 15%
住民税 4% 5%
復興特別
所得税
0.21% 0.315%
合計 14.21% 20.315%

上記の税率を掛けて譲渡所得税を算出し、確定申告することで納税します。

3,000万円の特別控除

ただ自宅の売却であれば、条件を満たせば3,000万円の特別控除が利用できます。この特別控除は、譲渡所得から最高3,000万円の特別控除が受けられる制度です。つまり譲渡所得が3,000万円以下であれば、譲渡所得はゼロ円になり税金もかかりません。

この特別控除を受ける条件は、売却した物件を自己居住用として使っていたことや、買い手との関係が親子や夫婦など特別な間柄でないこと。そして過去2年間(売却した日によって3年間の場合あり)に同様の特例を受けていないことなど。上述した国税庁のサイトで、特例を受けられるかを判別してくれるので利用してみるとよいでしょう。

特定居住用財産の買換え特例

ほかにも「特定居住用財産の買換え特例」という税制優遇があります。この特例は、マンションを売却した後、住み替えるための不動産を購入した場合に適用されます。つまり住宅の買い換え時に利用できる特例です。

特例を受ける条件は、居住していたマンションの売却額が1億円以下であることや、所有期間が10年超、居住期間が10年以上であること。そして床面積が50平方メートル以上で、築年数25年以内または耐震住宅であることなどです。

ただこの特例は税金を繰り延べるだけの特例であり、税金を帳消しにするわけではありません。なお買換え特例と、前項の3,000万円の特別控除は併用できない点には注意しましょう。

【損失が出た場合】マンション売却時の確定申告

次に譲渡所得がマイナス(譲渡損失)になるときの確定申告について解説します。上述の通り譲渡損失が発生する場合に確定申告は不要です。ただ以下の特例を利用できるときは、確定申告した方がよいでしょう。

特定居住用財産の譲渡損失の損益通算と繰越控除

「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例」を受けられる条件は、まず売却するマンションの所有期間が5年超であること。そして売買契約の締結前日までの段階で、残りの住宅ローンが10年以上残っていることなどです。

この特例は譲渡損失を給与所得や事業所得などと損益通算できます。また合計所得が3,000万円以下の年度なら、譲渡の翌年以降、最大で3年間繰り越せます。

例えば譲渡損失が800万円発生し、その年の給与所得が600万円だった場合、損益通算することで、この年の給与所得はゼロになるということ。つまり給与所得に対しての税金は発生しません。さらに控除しきれなかった200万円は翌年に繰り延べして控除できます。

買い換え時の損益通算と繰越控除

損失が出た場合に適用される特例として、もうひとつ「買い換えなどによる譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例」があります。特例の内容自体は前項の「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算と繰越控除の特例」と同じです。

特例を受ける条件は、売却済みのマンションを5年超所有していたこと。また購入した不動産の延床面積が50平方メートル以上であること。そして購入した年の大晦日の時点で、ローンが10年以上残っていることなどです。

確定申告書と併せて「居住用財産の譲渡損失の金額の明細書」「居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書」、売却したマンションの売買契約書や住民票の除票、また買い換えた不動産の登記事項証明書、売買契約書、住宅ローンの残高証明書などが必要になります。

マンション売却後は必要書類を準備し、確定申告に備えよう

確定申告の期間は、例年2月16日から3月15日です(年によって変動あり)。 この期間を超えてしまうと、追加徴税される場合もあります。まずは譲渡所得を計算し、利益が出るか損失になるか計算しましょう。

利益が出るなら3,000万円の特別控除を適用できるか確認し、それでも譲渡所得がプラスになるなら納税する必要があります。また損失が出ていても給与所得などと相殺できることがあるので、その点も確認しましょう。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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