リフォームローンの金利を徹底解説!初心者でもわかる選び方のポイント
リフォームやリノベーションのためにローンを借りたいけど、金利の種類や相場がわからないという人は多いのではないでしょうか。リフォームローン(リノベーションのためのローンは一般的にリフォームローンと言います。当記事ではリフォームローンに統一して表記します。)の金額は、ローンや金利の種類、担保の有無、返済方法、金融機関によって大きく変わってきます。それぞれ詳しく説明していきます。 リノベーションやリフォームには複雑な仕組みや減税制度が関わってきます。自分にあった仕組みや制度を踏まえた資金計画が理想のリフォームやリノベーションを成功させるために大切です。
リフォーム・リノベーションで使えるローンは2種類
リフォーム・リノベーションで使用できるローンは大きく分けて2種類あります。担保が必要ないリフォームローンと、担保が必要な住宅ローンです。それぞれ金利や初期費用、借入額、融資審査の厳しさなどの特徴が異なるので、紹介します。
リフォームローンとは
リフォームローンとは、住宅ローンの一種ですが利用用途がリフォーム・リノベーションに限られており、担保の必要な無担保型リフォームローンと担保の必要な有担保型リフォームローンで、借入可能額、返済期限、金利などが異なります。
無担保型リフォームローン
多くのリフォームローンが、無担保で借り入れることができます。そのため、住宅ローンに比べ借入限度額が低い、金利が高い、返済期限が短い、などの特徴があります。
担保を必要としないため、金利が少し高めに設定されていますが、借入額はそこまで高くないので審査が比較的受けやすく、また審査にかかる時間も1週間程度です。また、すでに住宅ローンを組んでいても、新しく融資を受けることが可能です。もっとも、融資額は少なく、金利も高いです。
金融機関 | 借入限度額 | 返済期限 | 金利 |
---|---|---|---|
イオン銀行 | 最高500万円 | 最長10年 | 2.5% |
中央労働金庫 | 最高2,000万円 | 最長20年 | 2.0%~3.275% |
りそな銀行 | 最高2,000万円 | 最長15年 | 2.975%~4.1% |
有担保型リフォームローン
担保型のリフォームローンとは、無担保型のリフォームローンと違い、担保が必要なローンとなります。担保が必要な分、無担保型に比べ借入限度額が多い、返済期限が長い、金利が低い、などの特徴があります。審査期間が長く、融資を受けられないこともあります。
金融機関 | 借入限度額 | 返済期限 | 金利 |
---|---|---|---|
りそな銀行 | 最高3,000万円 | 最長35年 | 2.475%~4.275% |
有担保型リフォームローンと無担保型リフォームローンの違い
先に述べた有担保型リフォームローンと無担保型リフォームローンの特徴をまとめて比較するとこのようになります。
借入限度額 | 返済期限 | 金利 | 審査期間 | |
---|---|---|---|---|
有担保型リフォームローン | 多い | 長い | 安い | 長い |
無担保型リフォームローン | 少ない | 短い | 高い | 短い |
金融機関からローンを借りる場合、担保の有無を選べます。そもそも担保とは、借り入れ主がローンを返済できなくなったときのための、金融機関に保証しておくものです。保証人を立てておく人的担保と、物件や土地を設ける物的担保に分けられます。
リフォームローンと住宅ローンの違い
リフォームローンと住宅ローンの大きな違いは、利用用途がリフォーム以外も含まれる、借入可能額が高い、返済期限が長い、金利が安いということが挙げられます。またリフォームローンは無担保での借入が可能ですが、住宅ローンの場合無担保では借り入れできません。
高額を借り入れるため金利が低く設定されていますが、その分融資審査は厳しく、審査には2週間以上かかることが多いです。
また、住宅ローンは団体信用生命保険に加入しなければならないケースが多いです。団体信用生命保険とは、借入名義人が死亡したり高度障害状態になったときに、残りの返済額を生命保険で弁済してくれる保険のことです。
借り換えでリフォーム・リノベーションの資金を捻出できる
リフォームやリノベーションをするにあたって、誰しも少しでも資金を捻出したいと思います。そのような場合、現在借入している住宅ローンとリフォームローンの2つのローンをセットとして取り扱いしている金融機関もあります。ローンをひとつにまとめると、リフォーム・リノベーション資金を住宅ローンと同じ金利で借り入れることができる金融機関があるため、リフォーム・リノベーションの機会に借り換えを検討してみるのもよいかもしれません。
リフォームローンの変動金利と固定金利の違い
リフォームローンの金利は、大きく2種類に分けられます。金利が変わる変動金利と一定の固定金利です。
変動金利は期間ごとに金利が見直されます。多くの民間金融機関では、半年ごとの変更を採用しています。金利が下がると返済額は減り、反対に上がると増えます。一般的に5年間は返済額が一定で、変わったとしても最高でも1.25倍までしか増えないという特徴があります。
固定金利は、借入をする際に、毎月の返済額とローン全体の返済額が決まります。金利固定なので、返済計画が立てやすいことや、変動によるリスクを負わなくてよい特徴があります。
なお、金利が上昇し限度を超えた場合については、元金の返済割合が少なくなり、利息の支払い割合が多くなる可能性には注意が必要です。
それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
変動金利のメリットとデメリット
メリット
・金利が下がれば返済額が少なくなる
・固定金利より金利が低く設定される
デメリット
・金利が変わる(上がる)リスクがある
・金利上昇が続いた際には元金の返済が進まなくなる場合がある
固定金利のメリットとデメリット
メリット
・金利が上がるリスクがない
・長期の返済計画が立てやすい
デメリット
・変動金利より金利が高く設定される
・金利が下がっても変わらない
リフォームローンの返済方法は主に2種類
リフォームローンの返済方法は主に2種類に分けられます。元金均等返済と元利均等返済です。それぞれの特徴について説明します。
元金均等返済とは
元金均等返済とは、毎月の元金返済額(利息を除いたもの)が一定で、毎月の元金残高によって変動する利息が加わった金額を毎月返済する方法です。
メリット
・年数が経つにつれて、毎月の返済額(元金+利息)が少なくなっていく
・元利均等返済に比べて、元金が少なくなるのが早いため、借入期間が同じケースだと、総返済額はこちらの方が少なくなる
デメリット
・返済開始時の返済額が多いので、最初の期間は大変になりがちで、多くの収入を必要とする
元利均等返済とは
元利均等返済とは、毎月の返済額が一定で、住宅ローンやリフォームローンでは主にこちらの方法で返済されます。
メリット
・金利に変更がない場合は返済額が完済するまで変わらないので、計画を立てやすい
デメリット
・返済当初は返済額に占める利息負担分が多く元金残高の減少が遅くなるため、借入期間が同じ場合、元金均等返済に比べて総返済額が多くなる
リフォーム・リノベーションする際に利用できる減税制度
特定の要件を満たすリフォーム・リノベーションを行った場合、税制の優遇措置を受けることができます。制度をうまく活用すれば節税につながるので、事前に内容をしっかりと確認しておきましょう。
減税の措置を受けられるのは、
- 所得税
- 固定資産税
- 贈与税
- 登録免許税
- 不動産取得税
のように様々な種類があります。
所得税の控除だと、投資型減税、ローン減税、住宅ローン減税のように制度の種類によって異なります。
それぞれの制度には異なる要件があります。例えば、投資型減税だとローンの有無は関係なく、ローン型減税だとローンの利用(償還期間)が5年以上の場合、住宅ローン減税だとローンの利用期間が10年以上の場合に要件を満たします。これらに加えて、リフォーム・リノベーションの内容によって制度が異なります。
リフォーム・リノベーションの内容で利用できる制度の違い
内容は以下の6種類に分けられます。
- 耐震
- バリアフリー
- 省エネ
- 同居対応
- 長期優良住宅化
- 上記以外
これらの内容は、投資型減税、ローン型減税と組み合わさっており、それぞれにあった減税措置を受けられます。
例えば、投資型減税制度を適用して、耐震、バリアフリー、省エネ、同居対応を組み合わせた場合、1年間で最大95万円分の控除額を得ることができます。
申請の流れ
減税制度を利用するためには、リフォーム・リノベーションする前にしっかりと申請を行う必要があります。
まずはリフォーム・リノベーションを契約する前に、最終的な見積金額を確認して、資金の計画を立てましょう。工事の内容やスケジュールが減税制度の各要件等の対象となるかを含め、どの減税制度を利用できるかなどを業者にも確認しておきましょう。減税制度を利用するための申請書類や、申請の手順や期日もチェックします。
実際に工事が始まるので、必要な契約書類と内容を確認します。そこで、請負契約書や領収書の写しは保管しておきましょう。その後、各種証明書の作成を依頼します。申告手続きに必要な証明書を発行できるのは次のいずれかのみです。
- 建築士事務所登録をしている建築士事務所に属する建築士
- 指定確認検査機関
- 登録住宅性能評価機関
- 住宅瑕疵担保責任保険法人
- 地方公共団体(耐震リフォームのみ)
各種証明書類がそろったら、期日までに税務署もしくは市区町村の役所に提出します。正しい方法で申請しないと、減税制度が認められない可能性があるので、注意しましょう。
大規模なリフォーム・リノベーションは住宅ローン控除も利用可
大規模なリフォーム・リノベーションの際、リフォームローンではなく住宅ローンを借りる場合、控除(減税)を利用が可能で、最大400万円の控除を受けられます。
これは所得税の控除にあたり、一定の要件を満たしたリフォーム・リノベーションで、償還期間(返済期間)が10年以上の場合に場合に利用できます。年末のローン残高の1%が所得税から10年間控除されます。
例えば4,000万円以上、返済期間10年以上の住宅ローンを借りて、年末のローン残高が4,000万円以上の場合(利息や補助金を除いた)40万円程度の控除が受けられます。ローン残高が減るにつれて、控除を受けられる額は減っていきます。
ただし、納付している税額以上の控除を受けることができないこと、また適用となる所得に制限がありますので注意が必要です。
また、以下の減税と併用して受けられます。
- 投資型減税:耐震リフォーム
- 固定資産税の減額:耐震リフォーム・バリアフリーリフォーム・省エネリフォーム・長期優良住宅化リフォーム
対象となる要件は以下の6つです。
(ただし、増改築等工事証明書により証明された工事が前提となります)
- 増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕または模様替
- マンションの場合で、床または階段・間仕切り壁・主要構造部である壁のいずれかのものの過半について行う修繕または模様替
- 居室・調理室・浴室・便所・その他の室(洗面所・納戸・玄関・廊下)のいずれかの床または壁の全部についての修繕・模様替
- 一定の耐震基準に適合させるための修繕または模様替
- 手すりの取り付けや浴槽、トレイの改良、段差の解消、通路または出入り口の拡幅などのバリアフリー改修工事
- 窓や壁、天井、床の断熱性を高める省エネ改修工事
リフォームを実施する住宅の要件は以下の4つを満たす必要があります。
- 自ら所有し、居住する住宅であること
- 床面積の1/2以上が居住用であること(併用住宅の場合)
- 改修工事完了後6ヶ月以内に入居すること
- 改修工事後の床面積が50m 2 以上であること
要件は多いですが、一般的にリフォーム・リノベーションを行う場合はこれらを満たす場合が多いので、各項目を調べて、自分に合った住宅ローン控除を受けましょう。
実際の金融機関のリフォームローンをネットで比較してみると、ご自身の中でローンのサービスの幅も把握することができ、参考になるでしょう。
なお消費税10%の引き上げにあわせ2019年10月1日から2020年12月31日までに入居した場合でマンションの取得にかかる消費税が10%の場合には、控除期間が3年延長され13年間控除されます。また、新型コロナの影響により2020年12月31日までに入居ができなかった場合でも、2021年12月31日までに入居すればこの適用を受けることができます(ただし、新築については2020年9月末、中古住宅の取得、増改築等については2020年11月末までに契約を締結しているケースに限る)。
令和3年度税制改正の大綱(2020年12月21日閣議決定)では、2021年1月1日から2022年12月31日までの間に入居した場合、控除期間の3年間の延長や床面積の緩和(50㎡以上からが40㎡以上に)などの特例措置があります。
まとめ
リフォームローンは固定金利・変動金利によって価格が変わり、担保の有無も関係してきます。また、減税制度も様々あり、住宅ローン、投資型減税、リフォームの内容によっても異なります。まずは自分に合ったリフォームローンを確認し、それにあった金融機関を検討しましょう。
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