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作成日: 2018.06.04

マンション購入の際には生命保険も慎重に見直しを 団信は本当に必要?

マンション購入の際には生命保険も慎重に見直しを 団信は本当に必要?

多くの人にとって、マンションは非常に大きな買い物となるでしょう。マイホームでも投資用でも、物件選びには非常に頭を悩ませる一方、生命保険の見直しまで真剣に考える人は少数ではないでしょうか。

マンション購入に際しては、団体信用生命保険団信)の加入を検討するケースが多いですが、この加入についても、「住宅ローンの借入れに必須だから」と深く考えずに加入している人もいるはずです。

しかしマンション購入の際には、現在契約している生命保険が適切か、また団信の加入は本当にベストな選択肢か、という視点を持っておきたいところです。

マンション購入と生命保険

なぜマンション購入の際には生命保険も見直すべきなのでしょうか。

それは、マンション購入は金額も大きく、多くの人にとって重要なライフイベントとなるからです。人生にとっての重大な転機となるので、今後の人生におけるマネープランについても見直しておくべきでしょう。特に住宅ローンを組んで購入する場合、契約者に万が一のことがあった場合まで考える必要があります。住宅ローンの返済が滞ってしまうと、最悪の場合、遺された人が住居を失ってしまうことになります。

住宅ローンの貸し手となる金融機関にとっても、契約者に万が一のことがあった場合に不良債権となってしまう事態は避けたいところです。そこで、一般にマンション購入時には、団体信用生命保険団信)の契約が必須とされることが多いのです。マンション購入の際はこの団信を含めた生命保険全体の見直しを行い、マネープランを練るべきです。

団体信用生命保険とは?

マンション購入に際しては、併せて生命保険の見直しを行うべきですが、見直しを考えるにあたっては、団体信用生命保険団信)についての理解が非常に重要となります。

団信とは、住宅ローン契約者専用の生命保険です。住宅ローン契約者が死亡した場合や所定の高度障害状態となった場合に、住宅ローン債務の返済が不要となる生命保険です。契約者に万が一のことがあった際に、以降の住宅ローンの返済が不要となるため、遺族にとってはその後の住宅ローンの心配をする必要がなくなります。

住宅ローンの貸し手にとっても、契約者が団信に加入していれば、万が一のことがあった際の不良債権化を防げます。先述のように金融機関が提供する住宅ローンの多くは、その契約にあたり団信の加入が義務付けられています。

団信の加入が義務付けられている住宅ローンでは、団信の保険料も加味して金利が組まれているケースが殆どです。団信に加入した場合は、月々の返済額に団信の保険料も加味されている点は覚えておく必要があります。

団信加入のメリットとは

団信の加入にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

最も重要な点は、シンプルな仕組みで安心が買える点です。団信に加入してしまえば、住宅ローン契約者に万が一のことがあった場合でも、住宅や住宅ローンの心配をする必要はありません。また、多くの住宅ローンでは、借入金利に団信の保険料も含まれており、月々の住宅ローンの返済が保険料の支払いに繋がります。シンプルな仕組みで安心を買える点は団信の持つ最大のメリットと言えるでしょう。

また、団信の保険料は住宅ローン金利に上乗せされるのが一般的で、保険料に相当する上乗せ金利は一律です。つまり、審査に通れば年齢に関係なく同じ割合の保険料が課されることとなります。一般の定期保険等では、年齢が上がるほど保険料も高くなりますが、団信の場合は、若い人と同じ保険料で同じ内容の保障を受けることが可能です。

もちろん、健康状況などによってはワイド団信と呼ばれる上乗せ金利の高い団信に加入する必要もありますが、健康面での問題がなければ、年齢の高い人にとっては大きなメリットと成り得るでしょう。

団信に加入する場合は生命保険全体を見直そう

住宅ローンを組む場合、団信の加入が必須となっているケースも多く、マンション購入と同時に団信に加入する人も多いでしょう。また先程説明したように、住宅ローンの金利に上乗せすることで保険料の納付を行えるという手軽さから、団信に加入する人も多くいます。

マンション購入時に団信に加入した場合、生命保険の見直しを必ず行うようにしましょう。当たり前の話ですが、団信住宅ローンの残額相当の保険金が支払われる生命保険です。団信に加入しておけば、遺族の住宅費を考えなくて良くなるのです。

生命保険は、遺族がお金の心配をしなくて済むように必要保険金額を計算し、それに基づいて契約や見直しを行う必要があります。必要保険金額の計算では、遺族の衣食住に係る費用をはじめ、教育費や医療費等も考慮して計算しなければなりません。団信では、その中の住居費を賄うことができるので、必然的に他の生命保険における必要保険金額は少なくなります。

マンションを購入し、団信に加入したものの、生命保険の見直しを行っていないというケースでは、必要保険金額に対して、過剰な生命保険の契約となっている場合も多くあるでしょう。

団信住宅ローン金利に上乗せして支払うケースが多いため、生命保険に加入しているという意識が薄れてしまいがちです。マンション購入の際は、団信の意味と仕組みを理解して、家計の生命保険全体を見直す作業を必ず行うようにするべきです。

団信加入のデメリットは 控除が使えない?

団信の加入にデメリットはないのでしょうか。実は団信には少なからずデメリットも存在します。

まずはメリットの点でも説明しましたが、団信は金利に上乗せして保険料を支払うため、年齢に関係なく、同じ割合の保険料が課されてしまいます。年齢の高い人ならその点が有利に働きますが、一方で若い人の場合、年上の人と同条件の契約しか結ぶことができません。若い人にとってみれば、この点は団信のデメリットと言えます。20代から30代前半くらいまでの人は、この団信のデメリットを意識しておくべきでしょう。

また団信は生命保険であると説明をしてきましたが、実は生命保険料控除が使えません。生命保険料控除は、保険金受取人が自身や配偶者、親族である場合に適用されるものです。団信の保険金受取人は金融機関等の住宅ローンの貸し手となります。

契約者にとってみれば、住宅ローン残債相当の保険金が受け取れるのではなく、住宅ローン債務が免除になるというのが団信の特徴であり、現行の制度では、団信は生命保険控除の対象となりません。

保険料を所得から差し引ける生命保険控除が使えないという点は団信の大きなデメリットでしょう。団信と一般の生命保険を比較する場合、この点を踏まえて計算を行うようにする必要があります。

団信に入らないというのも一つの選択肢

マンション購入の際には、生命保険についても考えるべきですが、生命保険を考えるにあたり、団信に加入しないという選択肢も頭に入れておきましょう。

団信にはデメリットもあり、契約者の年齢等によっては、団信に入るより、一般の生命保険で住宅ローン相当の保険金額が支払われる契約を結んだ方が、支払い金額を安く抑えることができるケースもあります。もちろん年齢や健康状態、検討する生命保険の種類等によってその効果は違いますが、場合によっては、数十万円単位で違ってくる可能性もあります。

マンション購入時には生命保険の見直しを行うべきですが、その際には、団信ありきで考えるのではなく、もう一歩立ち戻り、団信が必要であるかどうかを検討してみるのが良いでしょう。

フラット35なら団信の加入は任意

ただ、多くの金融機関では、住宅ローンの借入れに際して団信の加入が義務付けられているのが現状です。団信の加入有無を検討する際は、団信に加入しなくても借入れができる住宅ローンを知っておくべきです。

団信に加入しなくても加入できる住宅ローンの代表格は住宅金融支援機構の「フラット35」です。「フラット35」では、団信の加入は任意となり、加入しない場合、適用金利は0.2%低くなります。この0.2%と、団信では利用できない生命保険料控除を念頭に、一般の生命保険と保険料の比較を行ってみて下さい。

団信の検討にあたり、注意すべき点は、団信は途中加入できないケースも多いという点です。住宅ローンの申し込み時に加入をしておかなければ、途中で団信に入りたくなった場合でも受け付けてもらえません。「フラット35」ではそのような仕組みとなっています。ただ、途中加入を受け付けている住宅ローンもあるため、住宅ローンの借入れ時には、その辺りの規約にも注意しておくべきです。

なお「フラット35」でも、団信の途中解約は可能です。

マンション購入と生命保険は切り離せない

住宅ローンを組んでマンション購入をする場合、生命保険の見直しは不可欠です。住宅ローンの申し込みにあたって、団信の検討を行う必要があるため、生命保険全体の見直しを必ず行う必要があります。

団信に加入するべき人とそうでない人を分ける明確な基準は無く、個人の年齢や健康状態、考え方等によって状況は大きく異なります。重要な点は、団信のメリットとデメリットを正しく理解した上で、自身の状況に当てはめ、合理的な判断を下すことでしょう。

マンション購入という人生の一大イベントの際には、その後のマネープランもしっかりと練り込み、お金の不安を極力取り除くようにしましょう。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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