不動産投資のお金の管理は「1冊の通帳への集約化」だけでうまくいく
キャッシュフローを見える化するメリットとは?
不動産投資に限らず、あらゆる投資はキャッシュフロー(お金の流れ)の見える化が鍵になります。なぜなら、投資は「リアルタイム×スピード」が重要だからです。イメージ的には次のような流れです。
- キャッシュフローを見える化する
- リアルタイムの収支をつかみやすくなる
- それにより、投資拡大や撤退の判断がスピーディーにできる
株式や為替などの投資では、ポートフォリオ(資産の一覧表)を見れば、「全体でどれくらい儲かっているか」「現時点でどの株がどれくらいプラスか、マイナスか」がすぐにわかるでしょう。それに基づき、投資家は的確と思われる売買の判断ができます。
不動産投資はキャッシュフローがつかみにくい
不動産投資は長期のインカムゲイン(家賃収入)がベースですので、時間ごと、分ごとのキャッシュフローを把握する必要はありません。しかし、それでもリアルタイムの収支を知ることは大事です。例えば、収支が思わしくないときには、「これから着手する予定のリフォーム予算を抑えるべきか」といった判断ができます。逆に、利益が順調に増えているなら、新たな物件を買い増ししようといった判断も可能です。
問題は、不動産投資は各種税金の支払いやローンの返済など、キャッシュフローが意外と複雑なので、リアルタイムの収支がつかみにくいということです。専用ツールやキャッシュフロー計算書、またはエクセルなどで細かく収支管理している投資家は、リアルタイムの収支を把握していることも多い傾向です。しかし、本業のある忙しいビジネスパーソンはそこまでできないのが現実でしょう。
もちろん、申告時の各種帳簿で収支を確認することも可能ですが、タイムラグがあったり、専門知識がないと読み込めなかったりする場合もあります。
専用口座があっても集約されなければ意味がない
多忙なビジネスパーソンの不動産投資家が、リアルタイムの収支を簡単に把握する方法は、「専用口座を作ること」です。単純ですが、給与振込用の口座や生活用口座で不動産投資の入出金をしている方も結構います。また、せっかく専用口座を作っていても、家賃の振込先には使っているのに経費は他の口座から出金している方もいます。
これでは、専用口座があっても、リアルタイムの収支をつかむことができません。ポイントは、次に挙げるような不動産投資に関わるすべての入出金を1冊の通帳で行うことです。
〈入金〉
- 家賃
- 敷金
- 売却益など
〈出金〉
- ローンの支払い
- 設備購入費/工事費
- 各種経費(書籍代、税理士の契約料、会計ソフトの利用料など)
- 管理費
- リフォーム代
- 税金
- 不動産会社への手数料、広告費など
入出金を1冊の通帳に集約することで、残高を見れば「リアルタイムの収支」が感覚的につかめます。後は、定期的に帳簿と照らし合わせるだけで、効率的な収支管理が実現できます。どれくらいの頻度で帳簿との照らし合わせが必要かは、投資の規模などによるでしょう。戸数が少ない方であれば確定申告時の1年に1回でも良いでしょうし、戸数が多い方であればクオーター(四半期)ごと、あるいは、月ごとの照らし合わせを行うのが理想です。
専用口座があると入出金のもれもチェックしやすい
不動産投資のキャッシュフローを1冊の通帳に集約するもう一つのメリットは、入出金のもれがチェックしやすいことです。例えば、家賃の払い込みがされていないといった入金のもれ、リフォーム代を払い忘れていたなどの出金のもれを防ぐことができます。生活費の口座で不動産投資の管理をしていると、家賃の入金が遅れていても気付きにくい傾向があります。
専用口座なら残高が増えないので瞬間的にわかりやすい環境が作れます。リアルタイムの収支をつかみたい方は、専用口座を開設してみましょう。各種変更手続きなど、ひと手間かかりますが、いったん開設すれば後は楽に管理できます。
※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。
関連キーワード