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作成日: 2018.07.27

マンション広告でよく見る「耐震・制震・免震」…どんな違いがあるの?

マンション広告でよく見る「耐震・制震・免震」…どんな違いがあるの?

地震大国、日本。気象庁発表の「平成29年(2017年)の地震活動」によると、2017年に全国で発生した地震の回数は、震度1以上の地震は2,025回、震度4以上では40回。10日に1回程度はどこかで大きな地震が起きている計算です。これからマンションを買う方には、地震対策の知識が欠かせません。押さえておきたいのは「耐震制震免震」の違いです。

「耐震・制震・免震」はどんな工法?どう違う?

マンションの構造について詳しい知識がない方でも、「耐震制震免震」といった言葉を聞いたことはあるでしょう。なんとなく、地震の揺れに対応するための工法だということはご存じかもしれません。しかし、同じ地震対策でも根本の考え方が違います。それぞれの工法の特徴を確認していきましょう。

「耐震」マンションの倒壊を防ぐことを重視
耐震とは、読んで字のごとく揺れに耐えることを目的に行われる工法です。とにかく構造を頑丈なマンションにして地震に対抗しようというのが基本的な発想です。具体的には鉄筋の量・柱の数を増やしたり、構造体に耐震壁やフレームを設置したりすることで耐震性を高めています。

木造の戸建て住宅だと、斜めに木材を打つ「筋交い」によって耐震性を高めるのが伝統的です。同様に、マンションでも鉄骨の筋交いを設置することで耐震性を高める技術もあります。揺れの力を逃がすのではなく、揺れに耐える工法のため、建物が揺れること自体を防ぐことはできません。そのため、地震対策をしていない家具が倒れたり、外壁が破損したりする可能性もあります。

「制震」地震の揺れ幅を抑えてマンションを守る
制震は、建物の揺れに耐えるのではなく、制震ダンパーと呼ばれるアイテムで揺れ幅を抑えたり、揺れを早く止めたりする働きをします。そのため、耐震よりも建物に伝わる揺れが少なく、家具が倒れて破損・ケガをするということが比較的発生しにくいといわれています。制震装置の数によって効果が変わる点に注意が必要です。

「免震」最新の高層ビルでよく採用されている
制震でも使われていた耐震ダンパーを基礎部分に設置、地震の揺れが建物にダイレクトに伝わらないようにする工法です。加えて、短く激しい揺れの周期を長い周期に変換するアイソレーターもあわせて設置。それにより、大幅に揺れを緩和することができます。最新の高層ビル、タワーマンションでよく採用されている方法です。

注意点としては、地震のタイプによっては大きな被害を受ける可能性が指摘されていることです。2016年に起こった熊本地震のようなタイプの「長周期パルス」と呼ばれる地震では高層階で強い揺れを感じたり、免震装置の限界値を超えたりする可能性が疑われています。

また、耐震制震と違い周囲の建築状況や土地の広さなどにより装置が設置できない、3種の工法では最も費用がかかるといったデメリットがあります。

最新のマンションなら耐震 + 制震・免震の組み合わせが前提 
ここまで解説してきた「耐震制震免震」ですが、3つの工法のうちいずれか1つを採用するとイメージされる方も多いでしょう。しかし、実際には最近のマンションであれば、耐震工法は採用されているのが前提です。そこに、タワーマンションや大型マンションなら制震免震を組み合わせて耐震性を高めているのが一般的です。

また、地震に対する備えという部分では、工法・構造だけでなく、地盤についても考える必要があります。地盤そのものが弱いと、大地震の際、液状化現象などが発生する可能性もあるので注意が必要です。エリア別の地盤の強さについては、下記の記事で簡単にチェックできますので、あわせて確認しましょう。

軟弱地盤のマンションを買わないために。5クリックで地盤を調べる方法

地震のリスクをゼロにすることはできませんが、最新工法や事前のリサーチ・備えによって、リスクを大幅に軽減できます。財産と生命を守るために、どのような工法・エリアを選択すべきかしっかり考えましょう。

※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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