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作成日: 2018.11.19

注文住宅のローンは月々いくら返す?住宅価格と自己資金の平均、ローン借入の目安を紹介

注文住宅のローンは月々いくら返す?住宅価格と自己資金の平均、ローン借入の目安を紹介

間取りや仕様などの希望が反映される、注文住宅を建てるのは憧れますよね。注文住宅はいくらくらいするのか、自己資金だけで難しい場合は、いくらくらい住宅ローンを組むものなのでしょうか。住宅の価格や注文住宅のローン借入、返済について平均値をみていきましょう。

注文住宅の価格はどれくらい?

住宅金融支援機構が実施した「2017年度 フラット35利用者調査」の調査結果(フラット35を利用する際に提出された借入申込書から集計されたデータ)から探っていきます。

土地付き、注文住宅の金額をまずはみてみます。

土地付注文住宅の一戸当たりの金額(土地代含む)は、全国平均では4,039万円となっています。最も高いのは東京都の平均5,592万円、逆にもっとも安いのは鳥取県の平均3,051万円です。

土地の価格を除いた建築費をみてみると、注文住宅の建設費は全国平均で3,356万円です。最も高いのは東京都の3,936万円、最も安いのは鹿児島県の2,824万円となっています。

次に、それらの住宅を購入する際、平均すると自己資金はどれくらいだったのか、今度はそれぞれ地域ごとにみていきます。

所要資金および自己資金の平均について

土地付きの注文住宅を購入した人の自己資金額です。

地域

土地費用+建設費(円)

自己資金平均額(円)

自己資金比率全国

全国

4,039万

450万

11.1%

首都圏

4,717万

500万

10.6%

近畿圏

4,148万

454万

11.0%

東海圏

4,071万

456万

11.2%

その他の地域

3,677万

423万

11.5%

(土地付注文住宅融資利用者の主要指標より)

こちらは、後述する建物のみ購入した人に比べ、自己資金の金額が低くなっており、自己資金比率は11%前後となっています。

次に、建物のみ購入した人の自己資金額です。

地域

建設費(円)

自己資金平均額(円)

自己資金比率

全国

3,353万

651万

19.4%

首都圏

3,627万

769万

21.2%

近畿圏

3,408万

698万

20.4%

東海圏

3,437万

677万

19.7%

その他の地域

3,193万

578万

18.1%

(注文住宅融資利用者の主要指標より)

首都圏とそのほかの地域では自己資金の金額に200万円程の差はありますが、建設費に対する自己資金比率に大きな差はなく、おおむね20%前後となっています。

注文住宅におけるローン借入の統計

注文住宅の購入にあたり、他の人はいくらくらい借り入れしているのでしょうか?引き続き上記の調査結果をみて、どのくらいの額を借りているのかみていきましょう。

平均借入額

土地付きの注文住宅を購入した人たちが借り入れた金額の平均額をみてみます。

地域

借入平均額(円)

全国

3,448万

首都圏

4,009万

近畿圏

3,536万

東海圏

3,477万

その他の地域

3,149万

(土地付注文住宅融資利用者の主要指標より)

地価が影響するため、東京を含む首都圏の借入額が多く、その他の地域との差が1,000万円近くあることが読み取れます。そのため、土地を買いたいと思っている地域の相場を知ることが、借入額を考えるうえでの目安となるでしょう。

次に、元々所有していた土地に住宅を建てるなど、建物費用のみを借りた人の平均借入額は、以下のような結果となっています。

地域

借入平均額(円)

全国

2,633万

首都圏

2,782万

近畿圏

2,637万

東海圏

2,696万

その他の地域

2,547万

(注文住宅融資利用者の主要指標より)

地域差の大きい土地代が含まれないためか、建物に関しては地域差が少ないことがわかります。

月々の平均返済額

注文住宅のローン利用者における月々の返済額の平均を土地なし、土地付きと各地域それぞれでみてみました。

土地代を含めて購入で注文住宅を購入した人は、前記の通り所要資金のうち自己資金分を除く約90%弱をローン利用で賄うことになります。が、その月々の平均返済額の全国平均額は10.8万円です。首都圏は12.7万円、近畿圏11.0万円、東海圏10.8万円、その他の地域9.7万円でした。

土地所有で注文住宅を購入した人は、前記の通り所要資金のうち自己資金分を除く約80%をローン利用で賄うことになりますが、その月々平均返済額の全国平均額は8.9万円です。首都圏は9.6万円、近畿圏9.0万円、東海圏9.0万円、その他の地域8.5万円でした。

土地付きで購入した方が総借入額が増えるため、住宅ローンの返済額も大きくなることが読み取れます。

借入の重要なポイントは返済負担率

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ローン審査の重要なポイントとされる返済負担率とは、一体どのようなものでしょうか?

返済負担率とは

住宅ローンの審査にあたり、重要視されるのが「返済負担率」です。返済負担率とは、世帯年収に占める年間返済額の割合を指します。

返済負担率が高くなると返済が滞るリスクが高くなるため、金融機関の基準を超えた場合は借入額を減らされたり、融資そのものが受けられなかったりすることもあるようです。

返済負担率の基準は金融機関やローンの種類および年収によって異なりますが、その多くは25~35%ぐらいとなります。フラット35の返済負担率の基準は年収400万円未満で30%以下、年収400万円以上で35%以下です。

月々に無理なく返せる目安は?

住宅ローンを無理なく返せる目安は、現在に至るまで月々払ってきた家賃や貯蓄の額から、今後必要になるコストを差し引いたものと考えられます。コストには今後の教育費の増減や収入の増減も考慮しておく方が安全でしょう。

仮に現在の家賃が10万円、月々4万円を貯蓄していて、今後の家族に必要と想定されるコストが月々5万円とすると、毎月返せる額は以下の通りです。

現在の家賃10万円 + 現在の貯蓄4万円 - 今後必要なコスト5万円 = 9万円

大まかな計算になりますが、9万円程度であれば返済が可能であると言えます。

注文住宅のローンはどれくらい借入できる?

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実際に注文住宅を発注する場合、どのくらいの金額を借り入れできるのでしょうか?

年収別借入額の目安

一般的に言われている住宅ローン年間返済額の安心ラインは、返済負担率25%以内と言われています。

下記の表は返済負担率25%、住宅ローン金利1.6%、35年返済、元利均等、ボーナス時加算なしという条件で、年収別に試算しました。あくまで目安としての参考にしてください。

年収(税込み)

目安となる借入額

300万円

2,080万円

400万円

2,678万円

500万円

3,348万円

600万円

4,017万円

700万円

4,687万円

注意すべきは同じ年収であっても、すべての人がフルで借りても問題ないのかと言えばそうではありません。個々の家庭で、家族の構成や資産状況は異なります。住宅ローンを利用する際には、個々の状況も考えて慎重に進めていきましょう。

土地、建築費以外の費用も念頭に

注文住宅の建築費と土地代が費用のすべてだと考えている人も多いと言われています。しかし、「本体工事費」は住宅建築費用のうちの75%程度に過ぎないのです。

そのほかに水道の引き込み費用などの「別途工事費」が20%程度、仲介手数料や税金などの「諸費用」も5~7%程度かかってきます。

注文住宅を建てる際は、土地建物の価格だけでなく、上記のような費用もかかってくることを念頭に置いて予算を組んでいきましょう。

まとめ

注文住宅のローン返済で重要なのは、年収だけでなく、その他の借入を含めた返済負担率が重要となります。また、これまでの貯蓄可能金額等も考慮して、実際に返済できる金額も異なります。

マイホーム購入で失敗しないためにも、住宅ローンを利用するときには慎重に借り入れる額を決めるようにしましょう。

※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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