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作成日: 2018.07.25

中古マンションを買った時の支払額が変わってくる!「取引態様」の違いを理解しよう

中古マンションを買った時の支払額が変わってくる!「取引態様」の違いを理解しよう

中古マンションの物件広告には、必ず「取引態様」が書かれています。書類の隅や小さい文字で記載されていることも多いので、スルーしてしまいそうになりますが、「取引態様」は買い手にとってかなり重要な情報です。今後中古マンションを買う予定の方は、これを機会にしっかり覚えておきましょう。

マンション広告の「取引態様」はなぜ重要?

取引態様は、不動産会社(宅建業者)の立場を明記したものです。一般の中古マンション販売では「売主」「媒介(仲介)」のどちらかのことが多いです。「取引形態の違いなんて関係あるの?」と思う方もいるかもしれませんが、この部分が違うだけで、最終的な支払い額が変わってくるため注意が必要です。

取引態様が「売主」の場合は、広告主である不動産会社と直接売買を行うため、2者間の取引になります。一方、「媒介」の場合は、不動産会社が中古マンションの所有者から依頼を受けて売買を仲介しているため、3者間の取引になります。取引態様が売主と媒介の場合のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

「売主」表記のメリットとデメリット

取引態様が「売主」の時のメリットとしては、「適正(相場)の価格で売られていることが多い」「リフォーム後の良い状態の物件が多い」などが挙げられます。さらに、宅建業者(売り手)と個人(買い手)の取引では、マンション購入後に見つかった隠れた欠陥を補償する「瑕疵担保責任」の期間が引き渡しから2年以上と買い手優位の設定になっています。

デメリットとしては、適正価格の物件が多いということは、見方を変えれば、「極端な割安物件と出会う可能性が低い」ということです。

「媒介(仲介)」表記のメリットとデメリット

取引態様が「媒介」の時のメリットとしては、「割安物件と出会える可能性もある」が挙げられます。大半の物件は媒介する不動産会社のアドバイスに従って適正価格になっていますが、中には、事情があって「市場価格よりも安くてもいいから早く処分したい」という方もいます。また、ある程度の期間市場に出していても問い合わせがない時には、不動産会社から「値下げをしてはどうか」とアドバイスされることもあります。

デメリットとしては、「瑕疵担保責任の期間が短い(契約時の特約によって無効にもできる)」「リフォーム前の状態の悪い物件が多い」などが挙げられます。

最終的に「売主」と「媒介」はどちらが得?

取引態様の「売主」と「媒介」には、もうひとつ根本的な違いがあります。

「売主」の場合は最終的に「企業対個人」の取引なので買い手が払う代金に消費税がかかりますが、「媒介」ではないので仲介手数料は不要です。一方、「媒介」の場合は、最終的には「個人対個人」の取引が多いので消費税がかかりませんが、間に入った不動産会社に仲介手数料を支払わなければなりません。仲介手数料は物件価格によって異なりますが、中古マンション価格が400万円以上の場合、手数料は「物件価格の3%+6万円(税抜)」です。

つまり、具体的に3,000万円のマンションを買った時の最終的な支払額をシミュレーションしてみます。

  • 取引態様「売主」の場合
    3,000万円×消費税8%=3,240万円
     
  • 取引態様「媒介」の場合
    3,000万円×手数料3%+6万円=3,103万6,800円
    ※手数料部分に消費税8%加算

この部分だけを見ると「媒介(仲介)の方が得」ということになりますが、単純にそうとも言い切れません。売主が不動産会社だと、構造などに隠れた不具合があった場合安心です。とくに多くの顧客から信頼されている不動産会社は心強いです。

また、「媒介」で相場より安いマンションを買ったと思っていても、その後、リフォーム代が予想よりもかかるならば、「はじめから不動産会社が売主の物件を買えば良かった」ということになりかねません。このようなリスクをしっかり理解しつつ「売主」「媒介」どちらの中古マンションを買うべきか決めましょう。

最終的には、取引態様にとらわれ過ぎず、自分にフィットした中古マンションを適正価格で買うことが大切です。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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