【後悔しないマンション選び】用途地域を必ずチェックした方がいい理由
これから買うマンションの周辺環境が、10年後、20年後どうなっていくかを完全に予想することはできません。しかし「用途地域」を確認すれば、そのエリアがどんな方向性で発展していくか、ある程度の予測が立てられます。それによって「静かな街に住みたい」「機能的な街に住みたい」といったニーズに合ったマンションを購入しやすくなります。
「用途地域」がなければ街はどうなるの?
「用途地域」は、「都市計画法」という法律において土地の利用に関して規制のある地域「地域地区」に含まれるものです。そのエリアにどんな建物を建ててよいか、どれくらいの規模の建物を造ってよいかを定めたものです。例えば、そのエリアごとに「戸建中心の住宅地」「マンションなどの中高層住宅のための地域」「商業施設、オフィス中心の地域」といった用途が決められています。
もし「用途地域」がなければ、さまざまな建物を自由に建てられるということになります。そうすると、住宅密集地に大きな工場がいきなり建てられたり、マンションの隣にホテルやパチンコ屋ができたりして、周辺環境が悪くなるといった問題が発生しやすくなります。
将来も落ちついた環境にこだわるなら「中高層住居専用地域」に
マンションを買う時になぜ「用途地域」を把握した方がよいかと言うと、 マンションのあるエリアが将来どうなるか、の予測が立てやすいからです。 「用途地域」には13種類の項目があります。このうち特にマンションと深く関わるのは以下の4つです。
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
上記のうち「第一種/第二種中高層住居専用地域」は、マンションなどの中高層住宅を建てるためのエリアを意味します。 残りの「第一種/第二種住居地域」は、住居も存在しますが、店舗、事務所、ホテルなどさまざまな建物が混じったエリアの意味です。
ということは、現時点では静かな落ち着いた環境だとして、「第一種/第二種中高層住居専用地域」はそのまま変化がないのに対し、「第一種/第二種住居地域」は店舗などが増え、賑やかになる可能性があるということです。
このことを踏まえれば、とくにファミリー世帯などで静かな環境にこだわりたいという方は、「第一種/第二種中高層住居専用地域」のマンションを購入した方が無難です。
ちなみに、それぞれの項目に付いている「第一種」「第二種」の違いは、第二種の方が建てられる建物の種類が多いというものです。
職住近接の街に住みたいなら「高層住居誘導地区」を
マンション購入時にもう一つ覚えておきたいことがあります。冒頭でお話しした通り、用途地域は「都市計画法」の柱の一つで「地域地区」の一部です。地域地区にはこの他にもたくさんの種類がありますが、次の2つはマンションと関わり深いものです。
- 働く場所の確保も意識した「高層住居誘導地区」
「職住近接」の環境を推進するためのものです。工場やオフィスの近くに高層マンションを造りやすいよう容積率が緩和されています。これにより、働く場所と住む場所のバランスがとれた街ができやすくなります。機能的な街に住みたいという方に向くエリアです。
- ゆったりとした敷地の物件が多い「高度利用地区」
狭い敷地のペンシルビルが集中するといったことを防ぐため、建物の周りにオープンスペースを確保しようという目的のものです。これに該当するエリアのマンションは、ゆったりとした敷地で緑が豊かな物件が多いです。
このように、都市計画法の「用途地域」や「地域地区」を知っておけば、そのマンションがあるエリアがどんな性格を持っているかが見えてきます。これらは物件広告の概要などに記載されていますが、確認しにくい場合は不動産会社の担当者に「用途地域や地域地区はどうなっていますか」と聞いてみましょう。
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