大阪と奈良を結ぶ近鉄ジャンクション×日本一の町工場密度。下町の商店街と再開発が同居する街として注目される布施|まちの住みやすさ発見
見知らぬ土地に不動産を購入する際は、物件だけでなく周辺の環境を知っておきたいもの。現在の様子はもちろん、未来のまちを事前に把握できると、購入物件の将来の資産価値も予想しやすくなります。たとえば、商業施設やホテルが増えると雇用が創出され、賃貸需要が高まるといったケースも。「まちの住みやすさ発見!」では、さまざまな角度からまちのよさに迫ります。
今回は、近鉄奈良線・大阪線が乗り入れる布施駅周辺をご紹介します。
布施駅とは
布施駅は、東大阪市西部、大阪市との境界に近い場所に位置する近畿日本鉄道(近鉄)の主要駅です。近鉄大阪線と近鉄奈良線が分岐・合流する近鉄有数のジャンクション駅で、大阪方面と奈良方面を結ぶ交通の要衝となっています。近鉄奈良線を利用すれば「大阪難波」駅へ乗り換えなしでアクセスできるなど、大阪都心への移動利便性にも優れています。1日の平均乗降人員は約3万7,000人(2025年11月)にのぼります。
駅周辺は東大阪市を代表する商業エリアでもあります。駅を中心に東大阪エリア最大級の商店街群が広がり、昔ながらの個人商店から飲食店、日常の買い物を支える店舗まで、多彩な店が集積しています。交通結節点として多くの人が行き交う一方、地域に根付いた商店街のにぎわいも残ることが、布施駅周辺の大きな特徴です。
布施駅周辺・沿線の開発情報
布施駅前交通広場の利活用・にぎわい創出
布施駅では、駅前空間の新たな活用に向けた取り組みも進んでいます。東大阪市は、駅の南北2か所にある駅前交通広場について、路線バスの減便や休止により十分に活用されていない状況を踏まえ、交通結節機能を維持しながら、にぎわいを生み出す新たな使い方を検討しています。令和7年度には社会実験イベントを実施し、民間事業者による実験的な利活用を通じて、駅前広場の可能性を検証。交通のための空間としてだけでなく、人が集い、滞在し、まちの魅力を発信する場へと転換できるかを探る動きが始まっています。
河内小阪駅前再開発
河内小阪駅前では、近鉄グループによる再開発の動きが進んでいます。近鉄が保有していた小阪第1〜第5近鉄ビルはすでに解体され、跡地となる約13,000㎡の敷地について、地域の特性を踏まえた総合開発が計画されています。近鉄グループは、学園前や大和西大寺、大阪上本町などと並び、河内小阪を沿線再開発の重点エリアの一つとして位置づけています。現時点では、跡地に整備される施設の用途や規模、開業時期などは公表されていませんが、駅前のまとまった敷地が今後どのように生まれ変わるのか、注目されるエリアです。
大阪モノレール延伸
東大阪市では、大阪モノレールの延伸計画も進められています。現在の終点「門真市」駅から南へ延伸し、新たにOsaka Metro長堀鶴見緑地線、JR学研都市線、近鉄けいはんな線、近鉄奈良線の4路線と接続する計画で、完成後は既存区間と合わせて在来鉄道10路線を結ぶ広域交通ネットワークが形成されます。
東大阪市内には「荒本駅(仮称)」が設けられる予定で、近鉄けいはんな線「荒本」駅と接続。周辺では、旧イオン東大阪店跡地約1.8haを活用した商業機能中心の拠点整備も検討されています。東大阪市役所や大阪府立中央図書館が集まるエリアだけに、モノレール延伸を契機とした新たな中心拠点づくりが期待されています。
東大阪市の基本情報
東大阪市の人口
東大阪市の人口は約48万人(2026年7月末)です。大阪都心に近い交通利便性を備える一方、市内には数多くの中小製造業が集積し、「ものづくりのまち」として全国的に知られています。
市内の製造業事業所数は約5,564で全国5位。可住地面積あたりの事業所密度は全国1位(2021年経済センサス活動調査による工場数4000以上の都市で比較)とされ、高い技術力を持つ多種多様な企業が集まっていることが大きな特徴です。また、近畿大学東大阪キャンパスも立地しており、産業都市としての顔に加えて、若い世代が行き交う学術・教育の拠点としての一面も持っています。
市内の企業・周辺の大学
| 企業名 | 従業員数 |
|---|---|
| 近畿日本鉄道 | 6,674名 2026年3月31日現在 |
| 近鉄不動産 | 1,011名 2026年4月1日現在 |
| ハウス食品グループ本社株式会社 | 6,564名(連結、2026年3月31日現在) |
| ロート製薬株式会社 | 9,292名 (連結、2026年3月期現在) |
| 大学名 | 学生数 |
|---|---|
| 近畿大学 東大阪キャンパス | 約27,400名 |
| 東大阪大学 | 約550名 |
| 大阪樟蔭女子大学 | 約1,700名 |
| 大阪商業大学 | 約4,800人 |
現在のまちの様子(2026年9月時点)
布施駅北側駅前
布施駅の北口を出ると、まず目に入るのが駅前ロータリーと「ヴェル・ノール布施」です。駅周辺には商業施設が集まり、「ヴェル・ノール布施」には「イオン布施駅前店」をはじめ、市民プラザや行政サービスセンターなど、日々の暮らしを支える施設が揃っています。駅から徒歩約5分のところには「コーナン布施駅前店」もあり、インテリアや日用品も手軽に購入できます。
駅直結の「ロンモール布施」も日常使いに便利です。モール内にある「近鉄ぷらっと」には「カルディコーヒーファーム」や「Seria」、「3COINS+plus」などが集まり、「近鉄百貨店東大阪店」ではデパ地下グルメを満喫できます。さらに、線路の高架下には飲食店がずらりと並び、買い物の途中や仕事帰りに立ち寄るのにもぴったりです。
また、駅北側の商店街「ブランドーリふせ」の中には、ホールや会議室などを備えた「街の駅 クレアホール・ふせ」が立地。イベントが頻繁に開催されていて、にぎやかな市民の交流拠点となっています。
商店街中核エリア
布施駅を中心に、複数の商店街が広がる布施のまち。駅北側の「ブランドーリふせ」は、東大阪市と大阪市をまたいで続く全長約600mのアーケード商店街です。夏に開催される「土曜夜市」では100軒以上の露店が並び、多くの人でにぎわいます。
「ブランドーリふせ」から線路を南へくぐると、「布施本町商店街(フラワーロード本町)」が現れます。ここは、青果店や鮮魚店、お惣菜店などが並ぶ人通りの多い商店街。「布施戎神社」の参道にもなっていて、路地を西へ入ると神社があり、日本一大きいとされる戎様がまつられています。
このほかにも、大通り沿いを南北に延びる「プチロード広小路」と「広小路東商店会」、東西には「二条通商店会」や「みやこ町商店会」など、さまざまな商店街がつながるように広がっています。商店街の中には「御菓子司モモヤ 布施店」や「金太郎パン」など、地元で愛され続ける老舗店も多数。さらに「商店街まるごとホテル」をコンセプトにする「SEKAI HOTEL」もあり、入浴は「戎湯」で、モーニングは「池田屋珈琲」で、と商店街の魅力を体感できます。
住宅街混在エリア
商店街を抜けると、まちの表情は少しずつ変化します。大通り沿いにはところどころに飲食店も見られますが、次第にマンションが増えていき、一本入ると戸建て住宅の多い穏やかなまち並みになります。住宅の多いエリアを南へ歩くと、大通り沿いに「三ノ瀬公園」が出現します。緑豊かな園内にはベンチや遊具が複数設置されていて、市民の憩いの場として親しまれています。隣接する「三ノ瀬公園軟式庭球場」では、テニスに汗を流す人の姿も。「三ノ瀬公民分館」は、地域の生涯学習や交流の場となっています。
このエリアのすぐ隣の荒川は、個性豊かな飲食店が点在する地域。「喫茶フタゴ」は、静かな時間が流れる本と喫茶のお店です。あんことバターのトーストや日替わりのおやつを味わいながら、店内の本をゆっくりと楽しめます。ほかにも、週2日だけオープンする多国籍料理の「ソルソイル」や、七輪でお肉を焼く焼肉店「卓上七輪 福ちゃん」などさまざまな店があり、お気に入りを探すのも楽しそうです。
昔ながらの商店街と、新たな都市機能が調和する街
大阪線・奈良線が分岐する交通の要衝でありながら、昭和レトロな商店街の生活感も色濃く残す布施。隣接する河内小阪・荒本エリアの大型再開発もあり、下町と都市機能が共存するまちへと進化を続けています。
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