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2021.03.15

マンションの共有持分だけを売却したい。注意すべきポイントは?

マンションの共有持分だけを売却したい。注意すべきポイントは?

共有名義のマンションを持っている場合、処分・売却はどのようにすればいいのか、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。自分が所有している共有持分のみを売却できるのか、全員同意のうえで売却するべきなのか、不動産売買は取引金額が大きいだけに、曖昧な知識のまま売却を進めてしまうと、ほかの共有名義人やマンションを購入した人(以下、「買主」という。)とあとからトラブルになる可能性もあります。そこで今回は、共有名義マンションの持分売却のパターンや注意点などについてお伝えします。

マンションの共有持分だけを売却することはできる?

2人以上の共有名義でマンションを持っている場合、そもそも共有持分だけを売却できるのでしょうか?

原則として、マンションの共有持分のみを売却することは可能です。例えば、複数人で共同所有しているマンションの場合でも、「自分の所有権持分のみ」を売却できます。また、「自分の持分のみを売る」という場合、ほかの共有名義人の同意は必要なく、残った共有者は各自の持分を、そのまま所有し続けることが可能です。

一般的に、不動産を複数人で共有するのは、以下のようなケースが多いです。

  • 親族同士で資金を出し合って購入した
  • 夫婦連名(収入合算による連帯債務など)のローンで購入した
  • マンションを被相続人の配偶者や子などが複数人で相続した

上記のように共同所有している場合、マンションの売却方法は共有持分のみの売却も含め、いくつかのパターンがあります。

共有名義のマンション売却のパターンは?

共有名義のマンションを売却する場合、売り方としては以下の4つのパターンに分けられます。

1. 自分の持分を共有名義人へ売却する

自分の持分を共有名義人へ売るパターン。この場合、共有名義人はマンションをそのまま所有することができ、自分だけが持分の処分を行えるのが特徴です。また、持分を共有名義人に売却することで、バラバラだったマンションの所有権を単独所有にまとめることができるので、「その後の固定資産(不動産)管理や処分などがしやすくなる」といったメリットがあります。

そのため、共有者がそのマンションに住んでいたり、将来的に利用を考えていたりする場合に向いている方法といえます。

2. 共有持分を第三者へ売却する

2つ目は、自分が持っている共有持分のみを第三者へ売却するパターンです。売却先は、共有持分の買取りを行っている不動産会社や、「購入→転売」によって利益を得られる不動産投資家などが挙げられます。

共有名義人が持分の買取りに合意している場合は、このパターンであれば売却が可能です。ただし、先述した通り自分の持分のみを売る場合、共有名義人の同意がなくても第三者へ売却できますが、実際にはあまり現実的とはいえません。なぜなら、買主(不動産会社や不動産投資家)が買い取ったマンションにはまだ共有名義人が残っているため、買主はせっかく買い取ったマンションのリフォームや転売を自由に行えないからです。

例えば、もし買主がマンションを転売する場合は、共有名義人の同意が必要になりますが、もし共有名義人がそのマンションに居住し続けているのであれば、同意がもらえる可能性は低くなってしまいます。こうしたリスクを避けるために、買取りを行っている不動産会社や投資家などは、もし買い取ったマンションに共有名義人が残っている場合、あらかじめ共有名義人の同意を得て「転売に関する合意書」や「覚書」を作成しておくことが多いです。

3. 共有持分を放棄または贈与する

3つ目は、売却ではなく共有持分を放棄するパターンです。放棄した持分は、その分の所有権が共有名義人へ渡る(帰属する)ことになりますが、それぞれ共有持分の割合に応じて割り振られることになるため、放棄した持分を誰か1人だけに渡すことはできません。放棄でなく贈与の場合は、特定の1人へ持分を渡すことが可能なため、「放棄」と「贈与」にはこうした違いがあります。

参照:民法第255条

放棄または贈与の場合、売却のように利益を得ることはできませんが、何らかの事情で共有状態を解消したいときには、選択肢の一つとして検討してみるとよいでしょう。なお、放棄・贈与によって持分を得た共有者には、贈与税の負担が生じます。

4. マンション全体を売却する

4つ目は、マンション全体を売るパターンです。自分の持分のみを売るのではなく、「共有者全員でマンションそのものを手放す」ということです。

この場合、1人の意思で売却することはできず、民法第251条に基づき、共有名義人全員の同意が必要になります。それ以外は通常のマンション売却と同じ流れのため、同意を得ることさえできれば、比較的スムーズに売却できる方法です。このとき、「共有名義人全員がマンション売却に同意をした」という「合意書」または「覚書」を作成し、共有者全員の署名捺印をとっておけば、売却後のトラブル発生を防ぐことにもつながります。また、こうした合意書類があると買主にとっても購入の安心材料になります。

注意すべきポイントは?

もし共有持分だけを売却する場合は、注意すべきポイントが3つあります。共有持分の売却は、一般的な不動産売却(単独所有権の売却)とは異なるため、実際に売却を進める前に注意事項として把握しておきたいポイントです。

1. 売却価格が相場よりも安くなる

共有持分のみを売る場合、売却価格は相場よりも安くなることがほとんどです。安くなってしまう理由は、売買対象物件の所有権が「全部」ではなく、「持分」という権利のみの売却だからです。購入しても、そのマンションが自由に使用できるわけではなく、買主にとってメリットは多くありません。

そのため、通常よりも安くなければ、「売れない」もしくは「売れるまでに数年かかる」といったケースが多いのです。相場の50%程度で売れる場合もありますが、中には相場の30%以下の価格になることもあります。

例えば、2人の名義人で所有しているマンション全体の査定価格が4,000万円の場合、自分の持分が2分の1であれば、価格は2,000万円です。しかし、権利のみの売却となると、相場の50%なら1,000万円、30%なら600万円となります。

もし取引相場の30%程度(上の例では600万円)で持分を売却してしまった場合、共有名義人が「それなら自分の持分も一緒にして通常の相場(4,000万円)で売ったのに!」と怒り出す可能性もあります。共有持分のみを売却したい場合は、不動産相場について把握しておくことが重要です。

2. 一般個人にはなかなか売れない

共有持分のみを売却する場合、一般個人へ売ろうとしても、なかなか買い手がつきません。その理由は前述の通り、持分の権利だけを購入しても自由に使えないからです。

リフォームをしたり、マンション全体を売却したりするにも、共有名義人の同意が必要となります。そのため、一般個人で共有持分のみを購入する人は少ないのが現状です。その結果、売却先は不動産会社か投資家となることが多いのです。それ自体は悪いことではありませんが、売買物件にほかの共有名義人の所有権が残っている以上、売却後に問題が生じる場合もあります。

3. 購入者と共有名義人の間でトラブルが生じる可能性も

共有持分のみを売却した場合、購入者と共有名義人との間で、トラブルが生じる可能性があります。なぜなら、不動産会社や投資家の購入目的は、権利を所有するだけではなく、リフォームリノベーションを行ったあとに転売をするケースが多いからです。一般的に、不動産業者や投資家は、収益物件(マンションやアパートなど)の転売や賃貸運用によって利益を得ることを目的としています。

そのため、不動産会社や投資家は、購入後に以下のことを行いたいと考える場合が多いです。

  • 共有名義人からも持分を買い取り、マンション全体で売却したい
  • 購入した持分を、共有名義人に売却したい
  • 共有名義人がマンションに住んでいる場合、持分に応じて賃料を払ってほしい

上記のような交渉を、共有名義人へ持ちかける可能性があります。話し合いがスムーズに進めばよいのですが、住み続けたい共有者に対して売買や賃料の支払いを迫ると、トラブルに発展する場合もあります。

共有持分のみを売却する場合は、この点を意識しておくことが必要です。可能であれば、不動産会社や投資家へ、購入後のプランを事前に確認しておきましょう。

マンションの共有持分の売却は3つの注意点に気をつけよう!

マンションは共有持分のみを売却可能です。ただし、気をつけるべきポイントも3つあります。

「売却価格が安くなること」「売却先が不動産会社や投資家になること」「買主と共有名義人とでトラブルになる可能性があること」の3つです。売却する際には、これらを意識しておくとよいでしょう。

また、共有名義のマンションを売却するには、いくつかのパターンがあります。共有名義人への持分売却や贈与、共有者の同意を得てマンション全体での売却も選択肢の一つです。また、共有持分の売却に関しては、通常のマンション売却よりもシビアな問題になることが多いため、わからないことがあれば、まずは不動産仲介会社へ相談してみることをおすすめします。

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※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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