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更新日: 2020.11.19

【初心者必見】ふるさと納税の確定申告。準備物や申告方法を解説

監修:
税理士法人 スバル合同会計
【初心者必見】ふるさと納税の確定申告。準備物や申告方法を解説

ふるさと納税を利用した際、所得税の還付や住民税の控除を受けるためには、ただ寄付するだけでなく、ご自身での申請が必要です。手続きが簡単なワンストップ特例制度を利用するか、確定申告をしなければなりません。ワンストップ特例制度では申請書を提出するだけで手続きが完了しますが、なかには確定申告しかできない場合もあります。今回は、ふるさと納税で確定申告を行う際に必要な書類や手順をまとめました。

ふるさと納税で確定申告が必要な人の条件 

ふるさと納税を行った場合、ワンストップ特例制度もしくは確定申告をする必要があります。忘れてしまうと税金が控除されずに、純粋に寄付をしたことになります。そうならないため、必ず期日までにいずれかの手続きを済ませるようにしましょう。ただし、好きな方法を選べるわけではない場合があります。

副業をしていない会社員など、1つの企業からのみ給与を受け取っている給与所得者は、年末調整をしているために基本的に確定申告は不要です。しかし、以下に該当する場合などは確定申告する必要があります。

  • 給与の年間収入が2,000万円を超える場合
  • 不動産投資をして、不動産所得がある場合
  • 副業の所得金額が20万円を超えた場合
  • 医療費控除や住宅ローン控除(初年度)、ふるさと納税以外の寄金控除などを受ける場合

また個人事業主の場合も、確定申告を行っているため、ワンストップ特例制度は使えず、確定申告によってまとめて申告をする必要があります。

【関連リンク】
【初心者向け】ふるさと納税とは? 仕組みや注意点を解説

不動産投資をしていると、ふるさと納税の上限がアップする可能性があります

不動産投資を始めて黒字になる、つまり不動産所得があると、所得の合計金額が増えるため、ふるさと納税の控除の限度額も増える可能性があります。

不動産所得とは、家賃などの収入から経費をマイナスしたものです。

不動産所得の金額=総収入金額-必要経費

不動産所得があれば、よりたくさん応援したい地方に寄付ができ、多くの返礼品を受け取ることができるようになります。

ふるさと納税のポータルサイトでは、不動産所得や事業所得など複数の収入がある場合の詳細なシミュレーションができるサービスもあります。そのようなサイトでは、給与所得以外の所得を含めた控除限度額が試算できます。

【関連リンク】
効果的に節税? ふるさと納税の仕組みや注意点とは

ワンストップ特例制度とは

ワンストップ特例制度は、確定申告をしなくてもふるさと納税の控除が受けられる制度です。

「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を記入し、身分を証明する書類の写しとともに寄付先の自治体に送付すれば申請完了です。自己負担額の2,000円を差し引いた金額が、住民税から控除されます。

確定申告をする必要がない人にとって、簡単な手続きで控除が受けられるのは大きなメリットでしょう。ただし、以下に該当する場合は確定申告しなければなりません。

  • 寄付先が5自治体を超える場合
  • ワンストップ特例の申請書を期限までに提出しなかった場合

申請書はすべての寄付先に送る必要があります。また5自治体までの寄付のみとなっています。自治体が同じでも2回寄付をしたら書類は2枚必要となります。うっかり送付し忘れていた分があったり、6自治体以上に寄付を行ったりした場合には、ワンストップ特例制度を利用できません。

また、ワンストップ特例制度を利用した後に確定申告を行う必要が出てきた場合、申請書は提出していても無効となります。ワンストップ特例で申請した分も、確定申告で改めてふるさと納税を申請しなければならない点に注意しましょう。

確定申告時に用意するものはコレ!

確定申告をオンラインではなく紙で申請する際には、以下の書類の提出が必要となります。

ふるさと納税の控除を受けるためには、寄附金受領証明書が必要です。そのために書類は大切に保管しておく必要があります。

e-Taxで申請する際にも、寄附金受領証明書は手元にあった方が便利です。自治体名や寄付をした日など、確定申告の寄附金控除の入力画面で記入がスムーズになります。保管スペースはとりますが、寄付した自治体の書類は保管しておく方がいいでしょう。

寄附金受領証明書は送られてくる

寄附金受領証明書は、ふるさと納税で寄付をした自治体から送付されます。万が一紛失してしまった場合は、自治体に連絡して再発行してもらえるか相談してみましょう。

再発行してもらえても、再発行され郵送されるまでに時間はかかります。申請の期限が迫っているとしたら間に合わないかもしれないので要注意です。

還付金を受け取る口座の情報

源泉徴収などですでに納めた税金が、本来納めるべき税金の額を上回っている場合、確定申告で税金の還付があります。還付金を受け取るための口座情報が必要となります。

なお一部のネット銀行は、還付金の振込先として指定できない場合があります。

参考: 【税金の還付】|国税庁

源泉徴収票

給与所得がある会社員などの場合、勤務先から発行される源泉徴収票を用意(提出は不要)します。もしも発行されていなければ、勤務先の担当部署に確認してください。

医療費控除の明細書、社会保険料控除証明書など

1月1日~12月31日に支払った医療費が10万円を超える場合は、医療費控除を受けられます。明細書を見て金額を確認し、該当するようならば申請するようにしましょう。

また医療費と同じく、社会保険料や生命保険料、地震保険料なども、証明書を提出することで控除を受けられます。該当するものがあれば、あわせて書類を揃えておいてください。

収支内訳書、青色申告決算書、帳簿など

個人事業主の場合、不動産投資をして不動産所得がある場合、収支内訳書や青色申告決算書などの書類が必要です。

マイナンバーカード(もしくは個人番号がわかる書類と身分証明書)

確定申告書には、個人番号の記入欄が設けられています。また、番号の記入だけでなく本人確認にも必要なため、マイナンバーカードもしくは番号が確認できる書類(マイナンバー通知カード、マイナンバーが記載された住民票など)と身分証明書のセットが必要です。なお、e-Taxならば本人確認書類の提示や写しは提出しなくてOKです。

印鑑

e-Taxを利用する場合には押印不要です。

確定申告の手順と注意点 

通常、翌年の3月15日までにe-Taxもしくは郵送または最寄りの税務署へ出向いて直接書類を提出する必要があります。申告が無事に終われば、ふるさと納税の控除が受けられ、所得税は還付され、翌年度の住民税から控除されます。

1. 必要な書類を揃える

まずは前述した書類一式を揃えましょう。

2. 確定申告の書類を作成する

給与所得者で通常は確定申告の必要がないケースでは、ふるさと納税だけならばさほど書類作成は難しくはないでしょう。確定申告の時期になると、税務署内で申告相談を行っていたり、電話での相談も可能な場合もあるので活用するのもひとつです。

3. 確定申告書を提出する

提出する書類の作成が終わったら税務署へ提出します。e-Taxならば場所と時間を問わずに提出ができます。

ふるさと納税は年末ギリギリに行わない方が○

ふるさと納税は1月1日から12月31日まで、1年中申し込みが可能ですが、人気の返礼品などは品切れになる場合もあるようです。また、年末に申し込みをしても手続きの関係で入金日が年明けになってしまうと今年度分として処理できなくなる場合もあります。自治体によっては12月初めに締め切りが設定されることもあるため、早めの申し込みが肝心です。

まとめ

ふるさと納税を確定申告で申請する必要がある方は、寄附金受領証明書を必ずとっておき、寄付先の抜け漏れがないように注意しましょう。

高額納税者ほど、さまざまな自治体から返礼品を受け取れるようになります。確定申告をすることで、税金の還付・控除が受けられる制度です。純粋な寄付ではなく控除を受けるためにも、忘れずに確定申告するようにしてください。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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