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【初心者向け】ふるさと納税とは? 仕組みや注意点を解説

2020.10.16 更新日 2020.10.22

【初心者向け】ふるさと納税とは? 仕組みや注意点を解説

この記事を書いた人 RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。
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近年、テレビCMやニュースなどでも目にする機会が増えた「ふるさと納税」。お得な制度であるとはわかっていても、まだ利用したことがないという人もいるのではないでしょうか。今回は、そんな「ふるさと納税」の仕組みや、メリット・デメリットなどを解説していきます。

ふるさと納税とは?

「ふるさと納税」とは、生まれ育った故郷や応援したい地域に寄付ができる制度です。

ふるさと納税が生まれた背景

地方で多くの人が生まれ、教育や文化、医療などの行政サービスをそれぞれの自治体で受けて育ちますが、高校卒業などのタイミングで都会での暮らしがスタートすると、そこで働き税金を納めることになります。育ててくれた故郷にはお金が循環しない社会になります。

そこで納税者自身が自分の意思で納める場所を選べるようにと、寄附金税制を応用してできた制度がふるさと納税です。都道府県・市町村長への寄付の仕組みです。

参考: ふるさと納税研究会報告書

ふるさと納税と所得税・住民税の関係

ふるさと納税という寄付を行うと、ふるさと納税誕生の背景となった都会への納税、それまで納めていた税金はどうなるでしょうか。

寄付した金額は、寄付したことを申請すれば、住んでいる自治体に納める住民税(都民税と区市町村民税、または道府県民税と市町村民税)と、国税である所得税の還付で相殺されるようなかたちになります。住民税相当額を、選んだ故郷に納税したようなかたちになります。制度としては、所得税と住民税から原則として全額が控除される制度となります(上限あり)。

税金の控除

ふるさと納税 税金の控除について引用: 総務省|ふるさと納税ポータルサイト|ふるさと納税のしくみ|税金の控除について

寄付金のうち、2,000円は控除対象にはなりません。また、税金の控除を受けるためには「確定申告」もしくは、確定申告をする必要のない給与所得者なら「ワンストップ特例制度」によって寄金控除の申請をする必要があります。申し出ないと控除が受けられません。

確定申告をする場合と、ワンストップ特例制度どちらを使うかによって、控除が受けられる内容が変わります。ワンストップ特例による申請の場合、所得税からの控除は発生しなくなり、ふるさと納税をした翌年の6月以降に支払う住民税が減額されるかたちで控除されます。確定申告をする場合は、すでに納めた所得税が戻ってきて(還付)、翌年納める住民税から控除(減額)されます。

例では、確定申告をする場合でみていきます。

ふるさと納税によって10万円分寄付したとします。控除を受けられる合計は2,000円をマイナスした98,000円となります。控除の内訳は所得税と住民税です。まずは所得税の控除を出します。

例では所得税の税率を20%とします。控除の計算式は下記です。

所得税からの控除=(ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」

式にあてはめると、所得税から控除されるのは19,600円となります。

住民税からの控除は「基本分」と「特例分」に分けられます。

住民税からの控除(基本分)=(ふるさと納税額-2,000円)×10%

式にあてはめると、住民税(基本分)から控除されるのは9,800円となります。

住民税からの控除(特例分)=(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率

式にあてはめると、住民税(基本分)から控除されるのは68,600円となります。

所得税の還付として19,600円、住民税の控除は78,400円となり、控除の金額を3つ足すとふるさと納税として寄付した金額の98,000円となります。

※全額控除が受けられるふるさと納税額の上限は、給与収入額等や家族構成などにより異なります

ふるさと納税がオトクといわれる仕組み

ふるさと納税は「お得な制度」といわれています。それはなぜかというと、実質負担額2,000円で、寄付をした地域から特産品や宿泊券などのお礼の品(返礼品)を受け取ることができるからです。

利用者にとって魅力的なだけでなく、寄付された自治体側も地域の魅力をダイレクトにアピールできる仕組みとなっています。

返礼品の返礼割合は3割以下

以前は、寄付を集めたい自治体がその地域とは直接関係のない家電製品や商品券など、換金性の高いものが返礼品とされて、競争が激しくなっていました。

このため、地方税法等の一部を改正する法律が成立し、2019年6月1日以降はふるさと納税の対象となる自治体の条件が定められるようになりました。

  1. 金の募集を適正に実施する地方団体
  2. (1の地方団体で)返礼品を送付する場合には、以下のいずれも満たす地方団体
    ・返礼品の返礼割合を3割以下とすること
    ・返礼品を地場産品とすること

改正後、上記条件から外れて、ふるさと納税の対象外になった自治体もあります。

ふるさと納税のメリット

お得な納税制度として人気のふるさと納税ですが、具体的にはどのようなメリットがあるのかもみていきます。

さまざまな返礼品がもらえる

ふるさと納税の返礼品は、お肉や野菜、スイーツにお酒などの食品や飲料のほか、工芸品やホテルの宿泊券まで、寄付金額に応じてさまざまなものがあります。これまで知らなかった地域の魅力を知ることができる貴重な機会ともいえるので、寄付する地域が決まっていない人は、返礼品によって決めるのもよいでしょう。

寄付金の用途を指定できる

ふるさと納税を行ったものの、自分のお金が地域でどのようなことに使われるのか、気になる人もいるのではないでしょうか。ふるさと納税では、寄付したお金を自治体がどのようなことに使うのか、その用途を指定することもできるのです。たとえば自治体の医療・福祉、子育て環境の整備、自然の保護や動物愛護など、各自治体は寄付金の使い道を示しています。寄付金の使い道から、応援したい地域を選ぶのもひとつの手段です。

全国の自治体から自由に寄付ができる

「ふるさと納税」というネーミングから、故郷の自治体に寄付できる制度というイメージもありますが、自治体は全国から自由に選ぶことができます。生まれ育った場所以外にも、思い入れのある場所や、返礼品や寄付金の使用用途から魅力に感じた自治体など、さまざまな観点から選べるのも魅力です。

自治体やふるさと納税紹介サイトによってはポイントがもらえる

自治体やふるさと納税を紹介しているサイトによっては、その自治体の返礼品やサイト内などで使えるポイントがもらえるケースもあります。さらにお得に利用したい人は、ポイントがもらえる自治体やサイトを選んでみるのもよいでしょう。

ふるさと納税のデメリット

多くのメリットがある「ふるさと納税」ですが、いくつかのデメリットもあります。ふるさと納税を利用してみたい人は、以下の点も考慮するようにしましょう。

減税・節税にはならない

所得税の還付や住民税の控除があることから、「ふるさと納税をすると節税になる」と思っている人もいるかもしれませんが、節税や減税になるわけではありません。支払いの総額は変わらず、翌年の税金を「前払い」で支払っているかたちとなります。しかし、寄付をすることにより返礼品がもらえるため、通常どおり税金を納めるよりも、商品分がお得となっています。

控除の上限額が決まっている

ふるさと納税は寄付すればするほどお得な制度のように感じられますが、実は控除できる金額には上限が決まっています。控除される寄付の上限額は、前年の所得や扶養の人数など、さまざまな要素が関わってくるため、ふるさと納税を扱うサイトにあるシミュレーターなどを利用して計算しましょう。

寄付そのものへの上限はないので、もし控除の上限を超えた場合は、超えた分が自己負担になり、純粋な寄付となります。

6自治体以上に寄付すると確定申告が必要

サラリーマンなどの給与所得者がふるさと納税を利用する場合、ワンストップ特例制度を使えば確定申告を行う必要はありません。しかしワンストップ特例制度を利用できるのは「1年間に5自治体以内」という決まりがあるため、6カ所以上の自治体へ寄付した場合は、確定申告を行う必要が出てきます。手続きを増やしたくない場合は、寄付する自治体を5カ所以内にとどめるようにしましょう。

ふるさと納税を利用するときの注意点

ふるさと納税のメリットやデメリットを把握し、実際に「申し込みたい」と思ったときには、申し込む前に以下のような点も注意しておきましょう。

申し込みのタイミングに注意

ふるさと納税は、1月1日から12月31日までの年間を通していつでも好きなタイミングでの申し込みが可能です。しかし、今年の所得に対する税の控除や還付を受けようとした場合は、申し込みのタイミングに注意が必要です。というのも、控除や還付は「12月中に受領されたもの」が対象となるため、年内に申し込みをしても、入金が年をまたいでしまったときには今年の寄付金として処理できなくなる可能性があります。

2020年の控除対象は、受領証明書にある受領日が2020年12月31日までの分になるので注意しましょう。

「ワンストップ制度」は寄付を行った回数分の申請が必要

「ワンストップ特例制度」は確定申告が必要なく、スムーズにふるさと納税を利用できる便利な制度ですが、寄付を行った回数だけ申請が必要となります。たとえ同じ自治体に寄付をした場合でも、2回寄付したら申請も2回必要となり、一度で済ませられるわけではないので注意してください。

確定申告とワンストップ特例制度の併用はできない

ワンストップ制度を利用した後に、確定申告をすることになった場合は、すでに提出したワンストップ特例の申請書は無効となり、再度その年に寄付をした金額分を改めて控除申請する必要があります。このとき、ワンストップ制度を利用して寄付をした自治体への連絡などは不要です。

ふるさと納税の利用状況

2020年8月5日に発表された「ふるさと納税に関する現況調査結果」によると、2019年の納税額は4,875億円、寄付された件数(受入数)は2,333万6千件、控除の適用を受けた数は約406万人でした。納税額は7年ぶりに減少となりました。

金額は減少はしていますが、開始当初から寄付された件数(受入数)、控除適用者数は伸びています。

ふるさと納税の受入額及び受入件数の推移(全国計)引用:「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和2年度実施)」(総務省) 

まとめ

ふるさと納税は、地域を応援しながら、さまざまな特産品が手に入れられるお得な制度です。今回ご紹介したいくつかの注意点も考慮しながら、賢くお得に“ふるさと納税デビュー”をしてみてはいかがでしょうか。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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