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公開日: 2019.11.12 更新日: 2021.05.21

自分で不動産登記の名義変更を行う方法

監修:
税理士法人 スバル合同会計
自分で不動産登記の名義変更を行う方法

結婚して姓が変わったり、引っ越しをして住所が変わったら、所有している不動産について登記の変更を検討しましょう。変更は義務ではないので、所有者の住所・氏名が変わったからといって必ずしなければいけないものではありません。しかし将来、売却しようとするタイミングや、抵当権抹消登記をする場合には、変更が必要となります。後々、過去の住民票を集めるのに苦労することのないよう、ここでは変更の手続きについて解説します。 その他、相続や生前贈与、財産分与、不動産取引をしたときなど不動産登記の名義変更が必要になるケースはあります。

不動産登記の名義変更は自分でも可能

不動産登記の名義変更は専門家に依頼すれば楽で安心ですし、司法書士などの専門家に依頼するのが一般的かもしれません。ですが費用がかかってしまいます。ここでは、自分で不動産登記の名義変更を行うにはどうすればいいのか、その流れや費用、必要な書類まで解説します。

土地や建物の登記名義を変更するときは、法務局に必要な書類を提出し、名義変更に必要な税金の登録免許税を納めれば自分でも不動産登記の名義変更を行うことができます。

結婚して姓が変わった場合や引っ越しして住所が変わった場合

結婚して姓が変わった場合や引っ越しして住所が変わった場合であれば、登記手続きは難しくありません。登記申請書の書き方は法務局の窓口でも教えてもらえるので、不動産の登記事項証明書や住民票、戸籍謄本を持って法務局へ行けば自分で手続きをすることができます。

登録免許税は1つの物件につき1,000円です。家屋と敷地が一筆ずつであれば、合計2,000円で名義変更手続きが完了します。

不動産登記の名義変更の流れ

転勤による引っ越しや結婚で姓が変わった場合は上記のように簡単ですが、相続や生前贈与、財産分与、不動産取引によって不動産の名義が変わった場合の手続きは少し複雑になります。そのため、事前にしっかりと準備をしておく必要があります。

不動産登記の名義変更の大まかな流れは、必要書類をそろえ、登記申請書を作成し、それらを法務局へ提出し、登録免許税を納めることです。

相続による不動産登記の名義変更の流れ

相続によって不動産を取得した場合は、登記名義を変更しておかないと後の手続きが大変になってしまいます。

その不動産を売却するときには法定相続人全員の名義で行わなければならなかったり、相続人も亡くなった場合はさらにその法定相続人にも持ち分が移転するため、名義変更の手続き自体が難しくなってしまいます。

そのため、相続によって不動産を取得したら、早めに登記名義の変更をしておきましょう。相続による不動産登記の名義変更の流れは以下のとおりです。

1. 対象不動産の権利関係を確認する

相続によって取得した不動産を被相続人が間違いなく所有していたのかを確認します。そのためには、その不動産の登記事項証明書を取得します。共有者がいないか、抵当権などの担保権が付いていないかなども確認します。

2. 相続人を確定する

被相続人の法定相続人として誰がいるのかを調べます。そのためには、被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本を取得します。これによって被相続人の両親、兄弟姉妹、配偶者、子など法定相続人が判明します。

相続人が確定したら、各相続人が現在生存していることを証明するために相続人全員の最新の戸籍謄本も取得しておきます。

また、被相続人が死亡したことを証明するために被相続人の住民票の除票または戸籍の附票も取得しておきます。

3. 誰がその不動産を取得するのかを決める

法定相続人の全員が対象不動産を共同取得しても構いませんが、通常は、そのなかの誰が対象不動産を取得するのかを決めます。遺言書で指定されていればその内容に従い、遺言書がなければ遺産分割協議を行って決めます。

4. 必要書類を集める

以上で取得した書類の他にも対象不動産の固定資産評価証明書など、登記申請のために必要な書類がいくつかあります。登記申請書も法務局のホームページからダウンロードするなどして入手しておくとスムーズに登記申請を行うことができます。

5. 法務局へ必要書類を提出する

必要書類がそろったら、法務局へ提出することによって不動産登記の名義変更を申請します。提出先の法務局は、対象不動産の所在を管轄する法務局です。法務局のホームページで管轄の法務局を調べることができます。

6. 登録免許税を納める

相続による不動産の登記名義を変更する場合の登録免許税は、原則として対象不動産の評価額の0.4%です。

生前贈与による不動産登記の名義変更の流れ

生前贈与とは、贈与者が生存中に財産を別の誰かに無償で渡すことをいいます。渡す相手は法定相続人でも、それ以外の第三者でも構いません。主に相続税の節税や、渡したい相手に確実に渡すために行われます。

不動産を生前贈与するときの登記の名義変更の流れは以下のとおりです。

1. 対象不動産の権利関係を確認する

生前贈与の場合も、まずは対象不動産の登記事項証明書を取得して、所有名義や、抵当権などの担保権が付いていないかなどを確認します。

2. 不動産贈与契約書を作成する

生前贈与も贈与契約の一種です。契約は口約束でも成立しますが、後々トラブルを招かないように契約書を作成することが重要です。登記申請をするときにも必要になるので、不動産贈与契約書は必ず作成しておくべきです。

3. 必要書類を集める

不動産贈与契約書の他にも、その不動産の登記済権利証、固定資産評価証明書など必要な書類がいくつかあります。登記申請書もあらかじめ入手しておくとスムーズに登記申請を行うことができます。

4. 法務局へ必要書類を提出する

必要書類がそろったら、法務局へ提出することによって不動産登記の名義変更を申請します。提出先の法務局は相続の場合と同様、対象不動産の所在を管轄する法務局です。

5. 登録免許税を納める

生前贈与による不動産の登記名義を変更する場合の登録免許税は、対象不動産の評価額の2%です。

財産分与による不動産登記の名義変更の流れ

財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して築いた財産をお互いに分け合うことです。今まで夫婦で住んでいた家に妻が離婚後も住み続ける場合に、その家の登記名義を変更することがよく行われます。

財産分与によって不動産の登記名義を変更する流れは以下のとおりです。

1. 対象不動産の権利関係を確認する

相続や生前贈与の場合と同じように、初めに対象不動産の登記事項証明書を取得して、所有名義を確認しておくことが必要です。

2. どの不動産を財産分与するのかを決める

離婚する際はどちらに離婚を招いた責任があるかにかかわらず、必ず財産分与の請求権が発生しますが、自動的に不動産の名義が変更されるわけではありません。どの不動産を財産分与するのかを決める必要があります。

協議離婚の場合は夫婦の話し合いで決めます。調停・審判・訴訟といった裁判手続きで決めることもできます。

3. 必要書類を集める

どの不動産を財産分与をするかが決まったら、書面を作成します。強制力を持たせるために公正証書を作成するのが望ましいですが、私的に作成した離婚協議書でも登記申請はできます。裁判をした場合は、調停調書や審判書、判決書の謄本で登記申請できます。

他にもいくつか必要書類があるので、集めておきます。登記申請書もあらかじめ入手しておいた方がよいことは相続や生前分与の場合と同じです。

4. 法務局へ必要書類を提出する

財産分与の場合も、対象不動産の所在を管轄する法務局へ必要書類を提出することによって不動産登記の名義変更を申請します。

5. 登録免許税を納める

財産分与による不動産の登記名義を変更する場合の登録免許税は、対象不動産の評価額の2%です。

不動産取引による不動産登記の名義変更の流れ

売買などの不動産取引をした場合の登記名義の変更も自分で行うことができます。流れは以下のとおりです。

1. 対象不動産の権利関係を確認する

他の場合と同様に、まずは対象不動産の登記事項証明書を取得して、所有名義や担保権の有無を確認します。

2. 不動産取引を行う

取引する物件を正確に特定した上で売買などの取引を行います。売買代金の金額や支払い方法なども明確に決めておく必要があります。売買契約がまとまったら、売買契約書を作成しておきます。

3. 必要書類を集める

売買契約書の他にも登記済権利証や固定資産評価証明書など他にもいくつか必要書類があるので、集めておきます。登記申請書もあらかじめ入手しておいた方がよいことは他の場合と同じです。

4. 法務局へ必要書類を提出する

不動産取引の場合も他の場合と同様、対象不動産の所在を管轄する法務局へ必要書類を提出することによって登記申請を行います。

5. 登録免許税を納める

不動産取引によって不動産の登記名義を変更する場合の登録免許税は、土地が評価額の1.5%(2021年4月1日以降は2%)、建物が評価額の2%です。

登記変更にかかる費用

登記変更を申請するときにかかる費用として主なものは登録免許税です。相続、生前贈与、財産分与、不動産取引それぞれの場合の税率は既にご説明しましたが、まとめてみましょう。

固定資産評価額 相続(0.4%) 生前贈与(2%) 財産分与(2%) 不動産取引(3.5%)
1,000万円 4万円 20万円 20万円 35万円
2,000万円 8万円 40万円 40万円 70万円
3,000万円 12万円 60万円 60万円 105万円
5,000万円 20万円 100万円 100万円 175万円
7,000万円 28万円 140万円 140万円 245万円
1億円 40万円 200万円 200万円 350万円
2億円 80万円 400万円 400万円 700万円

※不動産取引については、土地1.5%、建物2%の合計3.5%で計算しています。2021年4月1日以降は土地の税率が2%になります。

登録免許税以外にも必要な費用があります。以下、個別に解説します。

相続による不動産登記の名義変更の費用

相続による不動産登記の名義変更を申請する場合は必要書類が数多くなりがちなので、それらの書類の取得費用が高くなる傾向にあります。具体的には以下のとおりです。

種類 1通あたりの取得費用 
不動産登記事項証明書 600円
固定資産評価証明書 300円
戸籍謄本 450円
住民票 300円
印鑑登録証明書 300円

不動産登記事項証明書は登記申請に必要なわけではありませんが、前述したとおり、最初に権利関係を確認するために必要です。オンライン取得すれば1通あたり500円(最寄りの登記所などで受け取ると480円)になります。

その他の書類の取得費用は自治体によって異なります。上記の金額はおおよその相場になります。

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本は、高齢で亡くなった方の場合は5通程度必要になるのが通常です。また、法定相続人の人数分の戸籍謄本、住民票、印鑑登録証明書が必要になります。

土地一筆と建物一筆を相続で取得し、法定相続人が5人いるケースであれば、以上の書類の取得費用が合計で9,300円程度かかります。

これらの書類は遠方であれば郵送で取り寄せることになります。普通郵便で構いませんが、往復の郵送費が別途かかります。

その他、相続税がかかる場合は納税する必要があります。相続税は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除の範囲内であれば課税されません。課税される場合でもさまざまな特例の適用を受けることで大幅に減税されることがあります。

生前贈与による不動産登記の名義変更の費用

生前贈与の場合は、一対一の贈与契約であることが多いので、必要書類はそれほど多くありません。

ケースにもよりますが、取得費用がかかる書類としては、贈与する方の住民票、贈与を受ける方の印鑑登録証明書、固定資産評価証明書くらいで多くの場合は足ります。

なお、贈与契約書には200円分の収入印紙を貼る必要があります。

これに土地一筆、建物一筆の登記事項証明書の取得費を加えると、合計で2,300円程度になります。

その他、贈与税がかかる場合は納税する必要があります。贈与税基礎控除額は110万円なので、不動産を生前贈与した場合の多くは贈与税がかかります。

財産分与による不動産登記の名義変更の費用

財産分与の場合も、通常はそれほど多くの書類は必要ありません。

取得費用がかかる書類としては、固定資産評価証明書、離婚後の戸籍謄本、財産分与を受ける方の住民票くらいで多くの場合は足ります。

離婚協議書は非課税なので、収入印紙を貼る必要はありません。裁判をした場合の調停調書、審判書、判決書は1通なら取得費用はかかりませんが、追加で謄本の発行を申請する場合は1ページにつき150円の手数料がかかります。

固定資産評価証明書、戸籍謄本、住民票に土地一筆と建物一筆の登記事項証明書の取得費用の合計は2,250円程度になります。

税金について、財産分与を受ける側は登録免許税と取得後の固定資産税以外は非課税となります。ただし、離婚と財産分与の時期がずれている場合は贈与税不動産取得税がかかることがあります。財産分与する側には譲渡所得税がかかりますが、対象不動産の時価が取得時よりも財産分与時の方が低い場合は課税されません。

不動産取引による不動産登記の名義変更の費用

不動産取引の場合は、固定資産評価証明書、売主・買主それぞれの印鑑登録証明書、買主の住民票などを取得する必要があります。

売買契約書に貼る収入印紙の金額は売買代金によって異なりますが、売買代金1,000万円超5,000万円以下の場合の印紙代は1万円です。

以上の他に土地一筆と建物一筆の登記事項証明書の取得費を合わせると、1万2,400円程度がかかります。

その他、売主には譲渡所得税、買主には不動産取得税がかかります。居住用不動産を売買した場合は、いずれも軽減措置の適用を受けることで課税されないケースも多くあります。

登記変更にかかる期間

登記変更にかかる期間の目安は、おおむね以下のとおりです。

作業内容 期間の目安
1. 対象不動産の権利関係を確認する 1~2週間
2. 戸籍謄本等の証明書類を収集する 1週間~2ヶ月
3. 登記原因証明情報を作成する 1~2週間
4. 登記申請書を作成する 数日
5. 登記申請及び審査期間 1~2週間
6. 登記識別情報の受領と登記事項証明書の取得 1週間
合計1~4ヶ月

以上は、登記の申請方法や関連する手続きを何も知らない一般の方が自分で調べながら行った場合にかかる期間の目安です。スムーズにできればもっと早く完了する可能性も十分にあります。

2の戸籍謄本等の証明書類の収集にかかる期間は、相続の場合は被相続人が高齢で亡くなったり、法定相続人の人数が多かったり、戸籍が遠方の市区町村にある方が多い場合は1~2ヶ月を要することが多いです。相続以外の場合はそれほど多くの証明書類は必要ないので、1週間もかからないことも多いです。

3の登記原因証明情報というのは、どのような原因によって不動産登記の名義を変更するかを証明する書類のことです。相続なら遺産分割協議書、生前贈与なら贈与契約書、財産分与なら離婚協議書、不動産取引なら売買契約書が登記原因証明情報にあたります。

これらの書類の作成は、慣れた方であれば数時間でできます。慣れていない方は調べながら作成するのが通常なので、1~2週間を目安としておきました。

6については、不動産登記の名義変更を申請しても、即日すぐに登記手続きが完了するわけではありません。その後に法務局で審査が行われます。この審査には通常1~2週間かかります。他のプロセスをどんなにスムーズに行っても、この期間だけは短縮することができません。

以上のプロセスを経て、相続の場合は2~4ヶ月程度、その他の場合は1~2ヶ月程度で登記変更の手続きが完了する場合が多いでしょう。

登記変更に必要な書類

登記変更を申請するためにはさまざまな書類が必要になります。相続、生前贈与、財産分与、不動産取引のそれぞれの場合で必要書類は異なります。以下、個別に解説します。

相続登記に必要な書類

相続によって不動産登記の名義変更を行う場合には、「法定相続分を相続する場合」「遺言書がある場合」「遺産分割協議を行った場合」の3種類があります。それぞれ必要書類が少し異なります。

法定相続分を相続する場合

法定相続分どおりに相続する場合は、遺言書も遺産分割協議書も不要です。基本的には相続関係を明らかにするための書類が必要となります。

必要書類 備考
亡くなった方に関する書類 被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本 法定相続人を調査するために必要です。
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 被相続人が死亡したことを証明するために必要です。
相続する方に関する書類 相続人全員の現在の戸籍謄本 各相続人が生存していることを証明するために必要です。
相続人全員の住民票 名義変更後の登記簿に記載する名義人の住所を証明するために必要です。
その他の書類 固定資産評価証明書 登録免許税の金額を算定するための資料として必要です。

遺言書がある場合

遺言書の内容に従って不動産登記の名義変更を行う場合は、遺言で取得者と指定された相続人と被相続人の相続関係のみを証明すれば足ります。被相続人の戸籍謄本を出生から死亡まで全てそろえたり、相続人全員の戸籍謄本をそろえたりする必要はありません。

必要書類 備考
亡くなった方に関する書類 遺言書 自筆証書遺言と秘密証書遺言については家庭裁判所による検認を受けていることが必要です。
公正証書遺言については検認不要です。
被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本 それよりも前の戸籍謄本は不要です。
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 被相続人が死亡したことを証明するために必要です。
相続する方に関する書類 対象不動産を取得する相続人の現在の戸籍謄本 その相続人が生存していることを証明するために必要です。
上記相続人の住民票 名義変更後の登記簿に記載する名義人の住所を証明するために必要です。
その他の書類 固定資産評価証明書 登録免許税の金額を算定するための資料として必要です。

遺産分割協議を行った場合

遺産分割協議によって不動産登記の名義変更を行う場合は、相続関係を明らかにすることに加えて、遺産分割が有効に行われたことも明らかにする必要があります。

 必要書類 備考
亡くなった方に関する書類 被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本 法定相続人を調査するために必要です。
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 被相続人が死亡したことを証明するために必要です。
相続する方に関する書類 相続人全員の現在の戸籍謄本 各相続人が生存していることを証明するために必要です。
対象不動産を取得する相続人の住民票 名義変更後の登記簿に記載する名義人の住所を証明するために必要です。
遺産分割協議書 相続人全員の署名押印が必要です。押印には実印が必要です。
相続人全員の印鑑登録証明書 遺産分割協議書の署名と実印による押印、印鑑登録証明書を合わせて遺産分割協議が有効に行われたことを証明します。
その他の書類 固定資産評価証明書 登録免許税の金額を算定するための資料として必要です。

生前贈与に必要な書類

生前贈与の場合は相続関係を明らかにする必要がないので、必要書類は少なくなります。

必要書類 備考
贈与する方に関する書類 贈与契約書 登記原因を証明するために必要です。
印鑑登録証明書 贈与契約書と合わせて贈与の意思があることを証明するために必要です。
登記済権利証または登記識別情報通知 対象不動産の所有者であることを証明するために必要です。
固定資産評価証明書 登録免許税の金額を算定するための資料として必要です。
贈与を受ける方に関する書類 贈与契約書 上記の贈与契約書と同じものです。
住民票 名義変更後の登記簿に記載する名義人の住所を証明するために必要です。

財産分与に必要な書類

財産分与の場合は、夫婦が離婚したことと、財産分与の内容を証明することが必要です。

必要書類 備考
財産分与をする方に関する書類 離婚協議書、または調停調書・審判書・判決書等の謄本 登記原因を証明するために必要です。
印鑑登録証明書 上記書類と合わせて財産分与の意思があることを証明するために必要です。
登記済権利証または登記識別情報通知 対象不動産の所有者であることを証明するために必要です。
離婚の記載がある戸籍謄本 離婚したことを証明するために必要です。
固定資産評価証明書 登録免許税の金額を算定するための資料として必要です。
財産分与を受ける方に関する書類 住民票 名義変更後の登記簿に記載する名義人の住所を証明するために必要です。

不動産取引に必要な書類

不動産取引による場合は、売主と買主の人的関係を証明する必要がないため、必要書類は少なくなります。

 必要書類 備考
売主に関する書類 売買契約書 登記原因を証明するために必要です。
印鑑登録証明書 売買契約書と合わせて売買の意思があることを証明するために必要です。
登記済権利証または登記識別情報通知 対象不動産の所有者であることを証明するために必要です。
固定資産評価証明書 登録免許税の金額を算定するための資料として必要です。
買主に関する書類 売買契約書 上記の売買契約書と同じものです。
住民票 名義変更後の登記簿に記載する名義人の住所を証明するために必要です。

司法書士や土地家屋調査士などの専門家に登記変更を依頼するケース

以上に解説してきたとおり、不動産登記の名義変更は必要書類をそろえて費用を支払えば、自分で行うことができます。

しかし、通常は自分で行うためには相当な時間と手間がかかります。相続の場合は戸籍謄本などの証明書類を収集するのが大変です。遺産分割協議書や贈与契約書、離婚協議書、売買契約書の作成も法的に必要な要件を網羅しないといけないので、自分で作成するのは難しいものです。

登記申請書も一言一句正確に記載しなければ受け付けてもらえないので、意外に大変です。

そこで、登記変更手続きは専門家に依頼した方が楽であり、安心できます。

安価で登記手続きを依頼できる専門家は司法書士か土地家屋調査士ですが、土地家屋調査士が依頼を受けることができるのは「表示に関する登記」のみであり、「所有権移転登記」を依頼することはできません。

したがって、相続や生前贈与、財産分与、不動産取引による不動産登記の名義変更を依頼するのは司法書士ということになります。

費用

司法書士に支払う報酬は、司法書士ごとの独自の報酬基準によって算定されます。事案の難易度や複雑度によっても異なります。

相場としては、登記手続きのみを依頼する場合は3万円~7万円程度です。上で解説した費用とは別にこの金額を報酬として司法書士に支払うことになります。

ただ、多くの司法書士が登記手続きだけではなく、必要書類の収集や遺産分割協議書・贈与契約書・離婚協議書・不動産売買契約の作成、遺産分割や離婚協議・贈与や売買の契約のサポートまで含めた料金を設定しています。

登記手続きに加えて必要書類の収集も依頼する場合の報酬の相場は7万円~15万円程度、さらに書類の作成やサポートまで含めた場合の報酬の相場は15万円~30万円程度となっています。

自分でできるところまでは行い、自分では難しい部分だけを依頼すれば支払う報酬を抑えることができます。

まとめ

実際のところ、不動産登記の名義変更は司法書士に依頼する方がほとんどです。一生に一度か二度しか登記手続きをする機会がない方は司法書士に依頼した方がいいかもしれません。

ただ、時間と手間をかければ自分でもできます。7万円~30万円の司法書士費用を削減できれば金銭的なメリットは大きいです。また、不動産投資をしていて登記をする機会がたびたびある方の場合は、勉強のために自分で行ってみるのもいいでしょう。

※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

この記事を監修した人

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