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更新日: 2021.05.21

中古マンションでフラット35を使うには?クリアすべきポイントはココ!

中古マンションでフラット35を使うには?クリアすべきポイントはココ!

住宅ローンで人気の高い「フラット35」は、中古マンション購入でも利用することが可能です。ただし、中古マンションならではの注意点もあります。ここでは、そもそもなぜフラット35が住宅購入者に支持されているのか、実際に利用するためにはどのようなことに留意しないといけないかを解説します。

フラット35とは

フラット35とは、住宅金融支援機構と金融機関が提携して行う住宅ローンのことです。最長35年の全期間、固定金利の住宅ローンで、銀行や信用金庫、信用組合など、ほとんどの金融機関で取り扱っています。

住宅金融支援機構とは、「安定的な資金供給を支援し、住生活向上への貢献をめざす」ことを目的とした財務省が所管する独立行政法人機関になります。フラット35は、(これから解説する)大きなメリットがあるためとても人気があります。

フラット35にどれくらい申し込み件数があるのか

住宅金融支援機構の資料では2015年から2018年まで、毎年7万5,000を超える申込があります。

2015 2016 2017 2018
注文住宅 14,680 15,239 13,632 11,792

土地付き注文住宅

23,739 24,582 24,837 22,655
新築戸建(建売) 15,388 14,789 15,760 17,001
新築マンション 8,965 7,760 8,181 7,849
中古戸建 5,476 5,570 6,044 7,248
中古マンション 7,214 8,161 9,510 11,135
75,462 76,101 77,964 77,680

傾向としては、中古マンションでの利用件数の増加が顕著です。

フラット35の3大メリットとは

フラット35の特徴は、窓口となる金融機関によって「利率が変わってくること」です。メリットとしては、次の3つが挙げられます。

フラット35のメリット
1.長期固定金利であること
2.保証料、繰上返済手数料が無料
3.住宅の性能によりさらなる金利引下げ

特に1つ目のメリットはフラット35の最大の魅力です。メリットについて1つずつ具体的に説明していきます

1.長期固定金利であること

1つ目のメリットは、35年までの長期固定金利です。一般的な住宅ローンの固定金利は一定期間のみに適用されます。たとえば、当初の10年のみ固定金利で、その後は変動金利あるいは高い利率での固定金利に移行するといった具合です(※)。フラット35の場合は、35年間変わらず固定金利のため、金利上昇リスクを気にする方にとって、大きな安心感になります。

※一般的な金融機関の固定金利は3年、5年、10年、15年などの固定期間の設定があります。

2.保証料、繰上返済手数料が無料

一般的な金融機関だと、融資を受ける際の保証料や、繰上返済手数料がかかりますが、フラット35の場合は無料です。繰上返済をすると多額の手数料がかかる金融機関もありますので、とても大きなメリットといえます。

3.住宅の性能によりさらなる金利引き下げ

中古マンションの場合は該当しないケースも多いと思いますが、住宅の性能によって金利が引き下げられる特典です。省エネルギー性、耐震性、バリアフリー仕様などの条件を満たすことで0.25%引き下げられます。

フラット35の利用条件

対象となる住宅の条件

  • 1億円以下の住宅
  • 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅
  • 以下の床面積を持つ住宅
    • 一戸建て、連続建ておよび重ね建ての場合:70㎡以上
    • 共同建て(マンションなど)の場合:30㎡以上
       

利用可能な人の条件

  • 申込み時の年齢が満70歳未満
  • 日本国籍を持つ人、もしくは永住許可を受けている外国人
  • カードローンを含むすべての借入金に対する年間の返済額が、年収に対して次の割合を占めていること
    • 年収400万円未満:30%以下
    • 年収400万円以上:35%以下

融資金額

  • 100万円以上1億円以下で、建設費または購入額以内

中古マンション購入でフラット35を利用するには

「適合証明書」が必要になります。これは、フラット35で設定している技術基準をその物件がクリアしているかの証明書です。中古住宅の技術基準に適合することを確認するため物件検査を申請して、合格すると取得できます。以下の表が中古マンションのチェック項目になります。

建築確認日 1981年6月1日以降
接道義務 原則として一般の道に2メートル以上接道
住宅の規模 30平方メートル以上
住宅の企画 原則として2以上の居住室、キッチン、トイレ、浴室の設置
併用住宅の床面積 住宅部分の床面積が全体の2分の1以上
住宅の構造 耐火構造、準耐火構造または耐久性基準適合
管理規約 所定の事項が定められていること
長期修繕計画 計画期間20年以上

上記を全てクリアし、合格した物件だけが融資対象になります。どれが欠けても融資の対象にはなりません。しかし、購入したい中古マンションが基準をクリアしているかの判断は素人には難しいものです。便利なツールとして、下記の検索サイトがあります。これは、所在地や物件名でフラット35の融資対象となるかを検索できるものです。

参考:中古マンションらくらくフラット35検索

リノベーションの費用を含めて利用可能

中古マンションを購入するのであれば、できればリフォームリノベーションも行いたいところです。リフォームを行うことで、購入資金とリフォーム工事費用を100%借りられる「フラット35リフォーム一体型)」や、さらに金利引き下げができる「フラット35(リノベ)」があります。

マイナス金利導入から低金利が続く今、フラット35は、最も利用したい住宅ローンの一つといえます。中古住宅、マンションであれば、さらに金利優遇を受けられますので、賢く利用しましょう。

まとめ

フラット35には、35年間まで固定金利という大きなメリットがあります。これは、「金利上昇リスクが回避できる」と言い換えてもよいでしょう。その一方で、技術基準をクリアしなければならないという絶対条件もあります。

住宅購入において、資金計画は重要です。購入予定の物件がフラット35の対象になるかを早めに確認しましょう。使えない場合、一般の金融機関の長期固定金利もあります。長期固定金利にこだわる方は、リサーチしてみましょう。

※本記事の情報は、信頼できると判断した情報・データに基づいておりますが、正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。法改正等により記事執筆時点とは異なる状況になっている場合があります。また本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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