エレベーター待ちの多いマンションほどイライラするものはない【購入前のチェックポイント】
何階建てのマンションからエレベーターが必要なの?
はじめに、マンションのエレベーターの基本をざっと学びましょう。例えば、同じ4~5階建てのマンションなのに、あちらの物件はエレベーターがある、こちらの物件はエレベーターがないということがあります。そもそも何階建てから、エレベーターの設置義務があるのでしょうか?これについては、建築基準法の「高さ31メートルをこえる建築物には、非常用の昇降機を設けなければならない」の部分が参考になります。
「非常用の昇降機=ふだんは通常のエレベーター」と解釈できます。つまり、31メートル超の7~10階建てマンションには必ずエレベーターが必要ということです(※)。しかし、住人の利便性を考え、それ以下の高さでもエレベーターを設置しているのが現状です。
※各自治体の条例でも異なります。
1基あたりの戸数が待ち時間を決める
マンションのエレベーターの利便性を左右するのは、「何戸に対して1基エレベーターがあるか?」です。1基あたりの戸数が少ないほど、待ち時間が少なく、ストレスのない環境になります。この部分については、特に法律の規定はありませんが、一般的には「50戸に対して1基程度のエレベーター」が目安となります。
しかし、これはあくまでも目安のため、エレベーター1基あたりの戸数は、さらに少ない方が望ましいでしょう。ちなみに「1基あたり戸数」を確認するには、そのマンションの総戸数とエレベーターの設置数を不動産会社にヒアリングすれば簡単に割り出せます。
戸数割合が少ないと快適な反面、コスト増の可能性も
エレベーターの待ち時間をもっと減らしたいという方には、「3戸に1基以上の割合」で設置されているマンションがおすすめです。仮に1フロア3戸、15階建てマンションの場合、45戸に対して1基の割合になります。
一方で、少ない戸数に対してエレベーターが設置されているということは、稼働させるためのランニングコストが大きくなってしまうだけでなく、修繕費の負担が重くなりやすいです。管理費や修繕積立金のバランスなども考えながら設置台数を見るのも1つのポイントといえるでしょう。
部屋とエレベーターの距離も要チェック
マンションのエレベーターの快適性というテーマでは、部屋との距離も関係してきます。特に1フロアの戸数の多い大規模マンションを購入される方は要チェックです。部屋とエレベーターの間は毎日、何度も行き来する方も多いため、数十メートルの差でも負担になる可能性があります。だからといって、エレベーターと部屋の距離があまりに近すぎると、利用者の音が気になる場合もあるので注意してください。
特にタワーマンションはエレベーターのチェックが重要
このほか、「エレベーターの広さは十分か」「セキュリティ面は万全か」「清潔な雰囲気か」などの項目も確認しましょう。そのマンションの管理の質が、エレベーターに表れることもよくあります。エレベーターの清掃や管理が行き届いていない物件は、管理のレベルが低い可能性があります。特に戸数が多く高層階のあるタワーマンションは、エレベーターの適正な台数のチェックが重要です。同規模のマンションと比較するなどして、待ち時間がなるべく少ないマンションを選ぶのが賢明です。
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