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満室経営を目指す空室対策。入居付けの工夫

2019.12.16

満室経営を目指す空室対策。入居付けの工夫

この記事を書いた人 西山絵里香

2009年、区分マンションを購入、賃貸事業開始。2016年、区分マンションを売却後、福岡にて新築木造1棟目を購入。2018年、法人を設立後、1棟物件を買い進める。好きな言葉は三毒追放。特技はイタリア語。お金の大切さを子供達に伝えたいFP2級技能士。
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年末から春にかけ、引っ越しにともなうお部屋探しがもっとも増えるシーズンです。一方で、夏から秋は一般的に引っ越しのオフシーズンともいわれ、入居者付けが困難な時期です。良い立地であったり、妥当な賃料であっても内覧数自体が減る傾向にあります。
シーズンに関係のない満室経営を目指して、オーナーができる入居付け対策や、満室の時には気づきにくい管理会社との付き合い方について考えていきます。

入居者から賃貸物件に求められる人気の設備を調べる

すでに物件を購入済みの場合、立地や建物自体を変えることはできません。そのため、購入後にどのような工夫ができるかを考えていくことになります。

まずは管理会社の担当者から、人気の設備についてヒアリングしました。

単身者・ファミリーどちらにも人気の設備

単身者向け、ファミリー向けを問わず人気があり、今後もニーズが高まると予想されるのは、やはりWi-Fiを導入したインターネット環境です。

一人一台のスマホは当たり前という今、ネット環境は必須といっても過言ではない設備です。

続いて、ホームセキュリティー関連設備の人気も根強く、エントランスのオートロックが挙げられます。

オートロックがない物件は、カメラ付きインターフォンの設置も入居付けに有効です。特に女性には支持される設備です。

単身者に人気の設備

単身者に人気がある設備の上位は、宅配ボックスです。「家には寝に帰るだけ」という人が多いので、重視される設備です。

ファミリーに人気の設備

ファミリーからは、追い炊き機能が求められます。その他、温水洗浄便座やエアコン、室内洗濯機置き場や24時間利用可能ゴミ置き場なども、長年にわたって変わらず人気の設備です。

時代の流れによってニーズも変わってきます。今後どのような設備が求められるのかを、考えていくことも大事です。

賃貸物件向けに最適な、最新設備をチェックする

設備によっては、購入費用や設置費用などに多額のお金がかかる場合もあります。

そこでオーナーの負担を軽減する設備を探したり、社会の変化に合わせたサービスを導入することで、入居者のニーズをつかむことができます。

設置が簡単な簡易宅配ボックス

例えば宅配ボックスは、埋め込みか取り付けか、サイズや種類によっても費用はさまざまです。小型のものは数万円から、大型のものは数十万円の設備費用がかかります。

しかし、玄関前に設置しておけば荷物を受け取ることが可能な、施錠付きバッグ(未使用時は小さく折りたためる)なども登場しています。数千円で購入可能で、工事費用も不要で設置ができます。無料のアプリと連動して、荷物の預入完了の際は、配送完了通知が届きます。

配車サービス

高齢者による免許証返納や車を所有する若者の数も減少など、現在所有している車を手放したり、そもそも車を所有しないという人が今後は増える見込みにあります。そういった点に着目してみると、「ビジネス用 Uber」のような配車サービスを提供すれば、喜ばれるのではないでしょうか。

このサービスを入居者に提供することによって、多少立地が悪い物件でも、入居率が上がる見込みも出てきます。高齢化社会が進むと考えると、今後は需要の増加がありそうなサービス内容と言えます。

このサービスは、法人で物件を所有している人のみが対象になりますが、オーナーが乗車料金の負担額や、利用可能な範囲を決定することができます。

ただし、個人所有であっても法人所有であっても、入居付けに繋がる、低コストで入居者の希望に応えることができる最新サービスは、普段からもアンテナをはって調べておくことが必要です。

今後の賃貸物件選びでは、今までに人気がある設備はすでに物件に備わっているものと考え、さらに利便性を考慮した、それ以上の設備が求められるようになっていきます。

入居者の立場で住居環境を見直す

可能であれば、一晩でもいいので、原状回復後にオーナー自らが空室物件に滞在してみることもお勧めです。

宿泊してみることによって、新たな発見が見つかることもあります。「自分がその場所に住んでみたなら」という観点は、とても重要になります。

実際に過ごしてみると、物件が大通りに面しているけど夜は意外と静かだとわかったり、逆に、近所の騒音がうるさかったり、駐車のバックライトが室内を照らして眩しかったりすることなどがあります。

もしくは、エントランスに照明はあるものの、実際は夜になると、物件のエントランスが暗く見えるなど、数時間滞在するだけでも、入居者の目線で通常では見えなかった物件の良さと欠点が見えてきます。

気づいた問題点で、すぐに改善できる部分は、速やかに改善するようにします。

このように、自分自身が経験して、所有物件の問題点の改善を少しでも行うということは、入居者が契約した後の長期契約へと繋がることになります。

募集条件を見直してみる

最もよく行われる空室対策の基本としてあげられるのは、敷金・礼金をゼロにして入居者の初期費用を抑えるプランに変更する、また賃料をただにするフリーレントの実施などで、募集条件を見直しすることです。

管理会社への広告料を1カ月分から2カ月分に変更してみると、入居付けに協力的になってくれます。

先に管理会社へ募集の提案をしておく、または入居条件を共有しておくことでも、内覧者から反応があった際のレスポンスがスムーズに行えます。

最近の動向では、入居者が築古賃貸物件を自由にDIYできる物件などがあり、とても人気です。

管理会社や入居希望者からの相談があれば親身に聞き、柔軟な姿勢で対応することが大事です。

募集条件の中に、設備の変更に関して入居者が選べるオプションにするということも一案です。

入居希望者が欲しい設備に対して追加料金を支払えば、設備のグレードアップができるといった具合です。

オーナーにとっては設備費用が節約でき、入居希望者にとっては必要な設備が使用できるという、お互いにとってメリットのある条件になります。

このオプションをつけると、物件や立地は良いけれど、必要な設備がないために入居を諦めるということがなくなります。

ペットブームという観点から、建物全体のルールが許せばペット可や二人入居可などへ変更をしてみたり、高齢者や外国籍の方の入居希望が増加していく傾向を予測して、募集条件を緩くするなど、入居審査の見直しも検討していく必要があります。

地域によって、住居に求められるニーズも変わります。例えば音大の近くなら、防音性能を高めたリフォームをして入居者を音大生にターゲットを絞るなど、近隣の物件との差別化を図れるような、募集条件の変更を検討してみます。

賃料改定

空室になると、まず真っ先に家賃を下げることを検討するオーナーがいますが、その前にできる範囲で設備を整え、もしくは問題点を改善することによって、家賃を下げず、上げることも可能です。

家賃は一旦下げると、そのまま下落してしまいます。一度下げたものを上げるのは難しいです。

消費者には、値段が安いものよりも、高いものの方がクオリティが良いのでは?というサンクコスト効果という心理が働き、家賃が他より高いのだから何か価値がある、もしくは安全な住居なのでは、と思ってもらえることがあります。もちろん、思わせるだけではなく、入居後も満足してもらえるように住居環境を整え、物件管理を行っていく必要があります。

上げた家賃の差額を積み立て、新たに設備投資へと回すこともできます。さらに、将来の出口戦略として物件の売却を計画しているのなら、所有物件の家賃は上げた方が、利回りが良くなるので売却価格が上がる可能性もあります。

気をつけておきたいことは、特別な設備を設置したわけでもなく、大改装を行ったわけでもないのに、突然の大幅な家賃の値上げをする、ということは完全な逆効果であるということです。

周辺相場と大きくかけ離れない程度の金額で、退去時ごとに新たな募集条件で徐々に家賃を上げていくことが、とても重要なポイントとなります。

何度も空室物件に足を運んでみる

「入居者目線で物件を見直す」という観点をお伝えしましたが、今度はオーナー目線で考えてみます。

空室期間中に、何度か物件を訪れてみます。物件の周辺を散策してみたり、物件自体を眺めてみたりすると、大なり小なりオーナー目線で気づく、新たな発見が毎回あるからです。

例えば、一棟を所有しているオーナーならば、敷地内に駐輪場が設置できそうなスペースを考えたり、郵便ポストが劣化していることに気づいたり、もしくは、周辺にリサイクルショップを見つけたりと発見があります。

リサイクルショップはホームステージングを行うためにも利用できます。その他、近所にコーヒーショップがあれば、店長に交渉してみて入居者特権としてオーナーが先に支払いを済ませ、コーヒー1杯無料券を入居者へプレゼントする企画、などのアイディアも生まれます。

自分で確かめた、お勧めの店舗情報を物件周辺マップとして作成するオーナーもいます。現在はネット社会といわれていますが、自作の周辺マップは入居者にとっては心温まる印象の良いものです。

もちろん、満室の状態でも所有物件には足を運ぶことをお勧めします。

満室でも、入居者に不満がないわけではなく、掲示板に他住人へのクレームが貼ってあったりします。その場合は、速やかに管理会社へ報告し、入居者アンケートを取るなどの対策をとってもらうなど、何かしらのアクションをしてもらう必要があります。時間がたつほど、問題解決まで時間がかかるものなので、迅速な対応が求められます。

その他、共有部分のゴミを拾ったり、雑草を取るなどして普段から清潔感のある良い環境を保ち、満室が空室へ反転しないようにと心掛けます。

ホームステージングを実施する

空室で何も物がない状態の物件は、部屋自体はよく見えるものの、印象としては閑散としていて寂しく感じてしまいます。

賃貸物件の契約を後押しさせるには、部屋の第一印象が最も大事です。おもに、入り口の印象が大きいといわれています。

雑貨店や大型家具屋へ行くと、さまざまなホームステージングがなされていますが、そのような空間を目にすると、それらを生活に取り入れ、使用している自分の姿を自然と想像するようになります。

インテリアを取り入れ、物件の雰囲気を良くし、他物件との差別化を図ることができれば、ホームステージングは空室対策にはとても適した方法です。

内覧時に良い印象を与えることによって、次の成約までの期間も短縮できることが期待されます。

初心者でも手軽に始めることができる一方、ホームステージングを行う際には、奇抜なインテリアやあまりに安物の家具を選んでしまうと、物件の価値を下げてしまう可能性もあるので、そこは注意が必要です。

管理会社との距離感について

退去報告を受けると、オーナーの気持ちは沈みます。しかし、不安や心配はさておき、管理会社と一緒に、次の契約が決まるように問題解決へ向けて動き出すことが重要です。

感情的になると、不動産事業を行う上での正しい判断が不可能になってしまい、誤った判断からは誤った結果が生まれるものです。

必要以上に悲観的になる必要もなく、あらゆる方法を吟味して空室対策を行っていきます。そして、良い結果、つまり満室経営へと繋げることが大切です。

その為には、普段からも管理会社との信頼関係を保つことがとても重要です。管理会社との関係がこじれて、入居付けを後回しにされ、契約がなかなか決まらないという話もしばしば耳にします。

しかし担当者も人間ですので、オーナー側からの一方的な意見や態度を取るのではなく、相手の意見も尊重しつつお互いが協力して問題解決へと向かうべきです。

一方、一緒に対策を考案していく中で、それでも協力的ではない管理会社は、早めに管理会社の変更を検討します。

入居付けに強い管理会社かどうかは、いくつかの不動産会社を通じてヒアリングができる為、地域密着型なのか、レスポンスが早いか、提案をしてくれるかなどいくつかの対応をみて、各管理会社を比較し、必要であれば変更してみることも検討します。その際、今までお世話になっていたので、という感情は一切不要です。

まとめ

不動産事業は事業としてオーナーがそれを自覚し、計画的に効率よく結果を出すことが必要です。管理会社頼りではなく、オーナーが知恵を絞った空室対策をして入居付けを心掛けることが事業の行き先を左右します。

物件の空室が長引くということは、つまり地域や町の活気減にも繋がります。利益がでることを前提としながらも、入居者に喜ばれ、また、地域の助けになるということは、オーナーにとっても楽しく喜ばしい事業ではないかと思います。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。(株)GA technologiesにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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