賃貸管理の仕事内容は大変? 気になる内容とは
「不動産を所有する」「大家さんになる」「家を貸す」。不動産投資に興味を持ち始めた人の中には、大家業をやってみたい、と漠然と思われている方もいるかもしれません。賃貸管理は不動産経営に欠かせないもので、入居者の生活と密接に結びつくその仕事内容は、多岐にわたります。賃貸管理の仕事内容を解説します。
賃貸管理の役割とは?
マンションやアパートを借りた経験のある方は記憶にあるかと思いますが、家を借りている間にやりとりするのが、「賃貸管理業務」を行う賃貸管理会社や大家さんです。もしかしたらあまり印象に残らないかもしれませんが、借りて2年、地域によっては1年が経つ頃、契約更新をする時期に連絡をくれる会社(もしくは大家さん)が、賃貸管理の業務を行っています。
家を借りた経験のある人で「大家さんとは会ったことがない」という人もいると思います。そのようなケースでは、大家さんは自ら賃貸管理を行わず、第三者に管理業務を委託していることになります。
特に問題なく暮らしている場合には契約更新時くらいしか接点がありませんが、「何かあったら連絡くださいね」の連絡先となっているのが、賃貸管理業務を行う人たちです。
賃貸管理の仕事内容を徹底解説
では実際、賃貸管理にはどのような仕事があるのか、みていきましょう。
入居者管理業務
入居者管理の業務は、大きく2つあります。ひとつは入居者からの家賃の振り込みや苦情への対応、もうひとつは契約更新や解約したいと連絡があった際の契約解約の対応です。
集金
毎月決まったタイミングで家賃が振り込まれているかを管理します。金融機関から自動的に指定の口座に振り込まれる設定になっていたとしても、確実に入金されているか毎月確認します。自動送金・自動口座振替の設定がない場合は、金額の間違いなども発生します。
家賃の催促
家賃が期限までに振り込まれなかった場合、入居者に払ってもらうよう催促します。入居したてなどのタイミングでは、単に振り込み漏れということもあります。すぐに入金されれば問題ないのですが、相手と連絡が取れない場合には家に直接出向いたり、連絡が取れても催促に応じないということもあります。そのような場合には督促状の作成や、最悪の場合訴訟の手続きも行わなくてはなりません。
設備故障の対応
家の給湯器やエアコン、トイレなど、設備が動かないなど故障した場合に対応をします。特に給湯器やエアコンの故障は、冬場でも夏場でも、ないと生活に支障をきたし、時に命に関わることもあるので早急な対応が必要となります。
電池や電球などの消耗品は、一般的に入居者が交換するという契約になっていることが多いです。
そのほかにも入居者が鍵をなくしたなど、困ったことが起きた場合の対応も必要となります。
苦情の対応
近隣住民との間で起こるトラブルへの対応も必要です。騒音、タバコの煙、ペットの鳴き声や臭い、ゴミ出しルール違反など、苦情はさまざまです。
マンション付近で不審者が出る場合の告知なども必要になるかもしれませんし、マンション周辺で事件が発生した場合には、防犯カメラの画像提供などにも捜査協力する必要が発生するかもしれません。
契約および契約更新
入居者が決まった際の賃貸借契約の契約締結までの業務が発生します。郵送したりといった事務業務も行います。
契約書の締結に加え、入居にあたっての注意事項の説明や鍵の受け渡しまでを行います。
一般的な賃貸借契約である普通借家契約の場合、2年(2年が主流ですが地域によっては1年)で更新するケースが多いです。この更新時の契約も行います。
入居者を募集する際、不動産仲介会社に情報を提供したりする業務も発生します。部屋の写真を撮ったり、内見の対応をしたり、なかには家の周りの生活情報を手作りで用意する、などという大家さんもいます。
部屋の維持管理
退去者が出た場合、部屋のクリーニングが必要です。壁紙や床の張り替えも発生します。クリーニング業者を手配する、壁紙を張り替えてくれる職人を手配する、などの業務です。次の入居者を決めないと賃料収入が見込めないので、スピードが大事になってきます。
また、築年数が経過して、通常のクリーニングと壁紙の張り替えでは部屋に魅力がなくなってきた、入居者がなかなか見つからないという場合には、「リフォーム」や「リノベーション」を検討することも必要となります。キッチンを一新したり、浴室の設備を一新したりといったリフォームを実施したり、小さな部屋同士の壁を抜いて大きな部屋に変えるといったリノベーションを実施することを検討する必要も出てきます。
不動産の管理は委託すべき? 自主管理と徹底比較してみた
建物管理業務
マンションやアパート1棟を所有する場合には、賃貸管理業務とは別に建物の管理維持を行う必要があります。分譲マンションの場合は、区分所有者でつくる管理組合が共用部分の管理方法を決定します。そのため区分所有者一人の判断だけでは共用部分に関しては決められません。
建物の管理には、日々の業務と、長期的なメンテナンス計画と実施の業務が含まれます。
日々の業務
掃除、ゴミ出しなどを行います。共用部分の照明の取り換えなども発生します。平常時の業務に加え、台風や大雨などが起きた場合には対策が発生するかもしれません。
長期的なメンテナンス
建物はどうしても時間の経過とともに老朽化します。そのために、定期的なメンテナンスが必要となります。マンションであれば長期修繕計画を立てる必要があります。アパートも修繕用の予算計画を立てるなど、物件の価値を落とさないための非常に大切な業務となります。
賃貸管理・建物管理を大家1人で全部こなすのは難しい
大まかに挙げただけでも、不動産管理の仕事が多岐にわたることが想像できたでしょうか。大家1人の力では限界があります。そこで、不動産管理を請け負ってくれる賃貸管理会社と建物管理会社というものが存在します。
委託できる業務の範囲もさまざまで、入居者募集だけを委託したいとか、賃貸管理業務は自ら行うが建物管理業務を委託したい、などです。
入居者の管理業務が得意な会社、建物管理に特化した会社など、会社によって得意分野、不得意分野がある場合もあります。
不動産会社に相談しよう
漠然と「大家さん」に興味がある場合には、大家さんの業務を知ることから始めましょう。不動産会社に相談するのもひとつの手です。書籍やセミナーなど、実際の話を聞くことも有益です。
まとめ
不動産を所有することで発生する不動産管理業務。オーナー1人の力では全範囲を網羅することはおそらく難しいでしょう。そこでさまざまな人に業務を依頼することになり、賃貸管理会社と建物管理会社という力強い存在もあります。
自分にあった不動産管理会社を見つけることができれば、二人三脚で頑張ってくれるいいパートナーを得られるでしょう。予期せぬトラブルが起きたときの対応は面倒だけど、メンテナンスや清掃程度であれば空いた時間にできるかも……という方は、自分で管理してみてもいいかもしれません。不動産管理会社に委託したい内容を区別したうえで、自分で所有物件の管理をするのか委託するのか、じっくり考えてみてください。
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