使用貸借

しようたいしゃく

ものを貸し借りする契約としては、賃借人（借りる人）が賃貸人（貸す人）に賃料を支払って行う貸し借り、つまり賃貸借が一般に挙げられます。

ところが、無償での貸し借りもあります。例えば、友人に本を貸す場合、賃料を取る人はまずいないでしょう。これが使用貸借です。つまり、無償（タダ）でものを貸し借りする契約が使用貸借です。

不動産でも使用貸借はあります。よくあるのが、親子間での土地や建物の貸し借りです。例えば「親が建物を息子夫婦にタダで貸す」「土地を娘夫婦にタダで貸す」というようなケースです。なお、親が未成年の子供を家に住まわせる際に、部屋をタダで使わせるのは扶養義務の範囲内ですから使用貸借ではありません。

不動産の貸し借りが賃貸借か使用貸借かは税金の関係で重要です。例えば、土地を貸す場合、賃貸借であれば最初に権利金の支払いがあるのが通例です。そこで、「毎月賃料は払うけど権利金はなし」という条件で土地を娘夫婦に貸すと、賃貸借なのに権利金を免除したということで贈与税が発生してしまいます。一方、使用貸借であれば権利金は、本来、発生しません。「賃料等は一切払わない」という条件で土地を娘夫婦に貸すのであれば、使用貸借なので贈与税は発生しません。

なお、使用貸借は借地借家法の適用がないので借りる人の保護も弱いものになります。

使用貸借

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