リノベで資産価値が上がったら、固定資産税も増えるの?
マンションなどの不動産を所有すると発生する固定資産税。保有する固定資産の価値に掛けられる税金ですが、もしリノベーションで資産価値が上がったら、固定資産税もアップすることになるのでしょうか? 固定資産税とは何か、マンションの固定資産税の計算方法などを含めて解説していきます。
固定資産税の正体と計算方法
固定資産税は、土地や家屋などの不動産の所有に対して掛かる税金で、毎年1月1日時点における登記上の所有者が納税義務者です。固定資産税は土地と家屋のそれぞれに掛かり、マンションの場合、土地については持ち分割合に応じたものとなります。
固定資産税は課税標準額に対して、1.4%の税率で税金が掛かります。固定資産税の土地部分は、実際に購入した金額ではなく固定資産税評価額が課税標準額です。固定資産税評価額は、ほとんどの場合、新築時に各自治体で取り決め、その後は経年による逓減で試算されます。マンションの場合は、200m2以下の小規模住宅地の特例が適用されて1/6に減額されることが多いです。
家屋部分は、同じ建物をつくるのに掛かる費用である「再建築価格」に、築年数に応じて価値が減っていく「経年減点補正率」を乗じた金額が課税標準額となります。マンションは、「3階建て以上の耐火構造の住宅」に該当するため、新築から5年間120m2までの部分は1/2に減額されます。
リノベーションをすると固定資産税は上がる?
リノベーションで建物の価値が向上すると、固定資産税は上がるのでしょうか?
戸建てのリノベーションで増築を伴う場合は、増築した部分の固定資産税も課税されるようになるため固定資産税はアップします。しかし、壁紙やフローリングの張り替え、キッチンやユニットバスの入れ替えといった設備機器の交換は、建物を維持するためのものとみなされるため、固定資産税は変わりません。
主要構造部の過半を改修するような大規模なリノベーションの場合には、確認申請が必要であり、固定資産税が上がる可能性もあります。実質的には、確認申請を行わないで済む範囲のリノベーションであれば、固定資産税は上がる可能性は低いです。
マンションのリノベーションは構造体に関わる工事はできませんので、リノベーションで固定資産税が上がることはほぼありません。
マンションの固定資産税は契約内容に注意!
固定資産税は、毎年1月1日の所有者に対して課税されますので、中古マンションを購入した年には実質的に固定資産税の支払いの義務はありません。しかし、慣習で当該年度の固定資産税を日割りで支払うことが多いため、売買契約を結ぶ際には契約条件について確認しましょう。
また、固定資産税のほかに、都市計画区域の市街化区域などでは都市計画税も併せて払います。定期借地権つきマンションの場合は、土地に対しての固定資産税の負担はありません。
固定資産税は、マンションを所有している限り毎年支払いの義務が生じます。マンションを購入したらローンや管理費、修繕積立金の支払いのほかに、固定資産税を払うことを念頭において資金計画を立てましょう。
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