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作成日: 2018.05.07

不動産投資でこんなときはどうする?もしも入居者から「古いエアコンを交換してほしい」と要望があったら……

不動産投資でこんなときはどうする?もしも入居者から「古いエアコンを交換してほしい」と要望があったら……

不動産投資をしている物件の入居者から、設備の交換を依頼されたらどうしますか?安いアイテムならまだしも、高額の設備になると受けていいのか判断に迷ってしまうかもしれません。例えば、「エアコンを新しくしてほしい」という入居者からの要望は応えるべきなのでしょうか。貸し主の責任範囲や具体的な対応策について考えてみましょう。

設備の交換で責任を持つのは入居者?貸し主?

不動産投資をしていると入居者から次のようなアイテムを交換してほしいという要望があります。

  • 電球やコンセントのカバー
  • 家具のネジや引き出しの取っ手
  • 網戸や畳
  • エアコン
  • お風呂の給湯器

1つ数百円のちょっとしたアイテムから、10万円単位のものまで、内容はさまざまです。これらに対して、「貸し主が負担すべきか」「入居者が負担すべきか」は何を基準に判断すれば良いのでしょうか?一般的には、「賃貸借契約書」や「重要事項説明書」に記載し修繕の責任範囲を明確にすることで解決方法を決めています。

記載がない場合は法律を元に判断します。その場合、民法606条では「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と定めています。つまり、法律では貸し主が責任を負うことになっているのです。

壊れたから交換してほしいと、古いから交換してほしいの違いは

壊れたから交換してほしいという場合、入居者の故意や過失で壊れた場合は入居者の責任範囲になります。過失などではない場合は貸し主の責任範囲というのが基本です。一方、ドアの取手や電球など軽微なものは賃貸借契約書に記載しておけば、入居者の自己判断で修理できます。契約書に記載がない場合は、交渉することは可能でしょう。

国土交通省の『賃貸住宅標準契約書』に、ヒューズの取り替え 蛇口のパッキン、コマの取り替えなど軽微な設備の交換、修繕は入居者が自分でできると記してあります。

エアコンなど保証期間がある場合の対応はどのようにすべきか

明らかな故障ではなく、「エアコンが古くて調子が悪い」という理由で交換を希望する場合は、判断が難しいところです。古いという言い分であっても入居者の過失で壊れた可能性もあります。その場合は必ずしも貸し主負担ではないので注意が必要です。また、その設備が古くなったという判断は、人によって変わってきます。

一定の年数が経過した設備を「まだ使える」と感じる方もいれば、「古いので変えるべき」と考える方もいます。客観的な判断材料として「保証期間」を目安にするのも一案です。保証期間はその設備が通常の状態で十分使える期間で設定されています。一般的には、エアコンの保証期間は5年、給湯器は10年です。

保証期間中に、「古いから変えて欲しい」と訴えがあったときには、「保証期間内なのでその間は我慢してもらえませんか」と対応してみるのもありです。しかし、「前の住人のタバコの臭いが不快」といった事情があれば、早めに交換する方が賢明でしょう。

バランスをみながら安定経営を

設備の交換や修繕に絶対法則はありません。だからこそ貸し主のセンスが問われます。入居を検討中の人から設備交換の要望があった場合は「○月まで入居していただけたら」という条件を出すのもひとつの手です。「入居者の要望を聞く」ということは出費にもつながるため、不動産投資の利回りを悪くします。一方で、不満が原因で退去されれば空室が発生するため、バランスを見ながら、安定経営につながる判断をしていきましょう。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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