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更新日: 2021.01.27

不動産投資のレバレッジ効果とは!メリットやデメリット、仕組みを理解しよう

不動産投資のレバレッジ効果とは!メリットやデメリット、仕組みを理解しよう

投資でよく使われる言葉に「レバレッジ」があります。レバレッジとは、「てこの原理」のように「小さな投資で大きなリターンを生み出すこと」を意味します。一方、不動産投資においては、これとは少し違うニュアンスで「レバレッジ」というキーワードが用いられています。この記事では不動産投資におけるレバレッジを解説します。

不動産投資におけるレバレッジ効果とは

レバレッジは、「他人資本を使って、少ない自己資本の利益率を高める」というものです。少ない自己資金でも金融機関からお金を借りることで、「価格が大きい物件を購入して収益を生み出す」といったことが可能です。これをレバレッジ効果といいます。

不動産投資は、投資対象となる物件が高額なため、自己資金だけで物件を購入する投資家は少数派です。そのため、個人・法人問わずほとんどの投資家は金融機関の不動産投資ローンを利用するケースが多く、ここでレバレッジ効果が期待できることになります。

例えば、販売価格3,000万円の中古アパートを購入するとき、300万円~500万円の自己資金があれば投資を開始することができます。なぜなら、足りない分は金融機関からの借入金で補填できるため、ここで大きなレバレッジを生み出すことが可能になるのです。

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レバレッジ効果とは

不動産投資にはさまざまな種類や方法があり、ワンパターンの「王道投資法」というものは存在しません。そこで、不動産投資の手法として行われている主なやり方を以下に挙げてみました。

  • 中古の賃貸マンション1棟や賃貸アパート1棟を購入して運用する
  • 中古のワンルームマンションを購入して賃貸運用する
  • 土地を購入し賃貸マンション1棟を新築して運用する
  • 土地を購入し時間貸し駐車場の経営をする
  • 土地や収益物件の転売をする

このように、不動産投資の方法は何パターンもあるため、自己資金の範囲だけで投資方法を考えるよりもレバレッジを利かせたほうが投資の幅は広がります。

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レバレッジを活用した投資比較

例えば、自己資金2,000万円で、2,000万円のワンルームマンションを購入したケースで考えてみましょう。仮に、この物件の家賃を月10万円とすると「年間家賃収入が120万円」で表面利回りは6%になります(120万円÷2,000万円×100)。

次に、自己資金(頭金)200万円で、2,000万円のワンルームマンションを購入すると考えます。2,000万円のうち残りの1,800万円は金融機関の借入れでまかなっています。家賃収入は同じく家賃を月10万円とすると「年間家賃収入が120万円」で表面利回りは6%になります(120万円÷2,000万円×100)。

両者を比較すると、自己資金が1/10で、同じ収益を生み出す不動産を購入することができます。自己資金に対して10倍の投資、レバレッジ10倍と考えることができます。このように他者(金融機関)の力を借りて大きな投資を行うこと、これが不動産投資における「レバレッジが効いている」という意味です。

同じように、使える自己資金が2,000万円あるならば、その2,000万円を頭金に、借入れをして例えば8,000万円の物件を購入できるとしたら、2,000万円の物件を購入し家賃10万円の収入を得るよりも、家賃収入は10万円よりも増額を望めるでしょう。これがレバレッジ効果です。

現物資産が担保だから高額融資でもスムーズ

ここで考えたいのは、なぜ不動産投資に対してだけ金融機関が高額の融資をしてくれるのか?という点です。一般的に、「投資がしたいから」という理由に対して、好条件の融資がされることはありません。それにも関わらず不動産投資に限っては、低金利で長期の融資がされるのはなぜでしょうか?

それは不動産が現物資産であり、担保として高く評価されるからです。FXや先物取引などの投資の場合、損をするとキャッシュそのものが目減りするため回収が難しくなります。一方、不動産の場合は、万が一、返済が滞った場合でも物件を処分することで回収しやすくなります。

こういった背景があるので、不動産投資に対する融資では借り入れる方の年収と共に、購入しようとしている土地や建物の価値(評価額)が重要になってきます。単純に、評価が高い不動産は融資額が高額になり、評価が低い不動産は融資額が少なくなります。土地や建物の評価額が融資の基準になるため、サラリーマンでも多額の投資が受けられるというわけです。

他者の資金で投資ができる、これが不動産投資の魅力

通常の投資では自己資金が必要です。対して不動産投資は、「金融機関の融資=他者の資金」を活用して投資ができます。この部分が、他の投資と不動産投資の大きな違いです。

投資対象そのものに価値がある不動産に、自分のお金ではなく、金融機関の融資を活用して投資し、さらに入居者からの家賃収入で融資返済ができるのが不動産投資なのです。

家賃収入で融資を完済すれば、残債のない不動産という実物資産が手に入ります。時間をかけて、徐々に投資した不動産が自分のものになっていくというわけです。

逆レバレッジとは

レバレッジとは、ローンの金利が、収益物件利回りよりも高くなってしまった場合のことをいいます。例えば、利回り5%の新築賃貸マンションをローン金利3%で購入した場合。

利回り5%

ローン金利3%

=想定利益率2%

もし、経済情勢の変化によってローン金利が6%に上がってしまうと、利回りがローンの支払金利よりも下回ることになります。

利回り5%

ローン金利6%

=想定利益率-1%

これでは、ローン金利のせいで収入よりも支出が増える結果になるため、損失が出てしまいます。これが逆レバレッジの状況です。実際には、管理費や修繕費が上がることで実質利回りが下がってしまう場合もあるため、「逆レバレッジがさらに拡大してしまう」といったリスクも考えられます。

ローンを利用して不動産投資を行う場合は、こうした逆レバレッジになる可能性も考慮しておく必要があります。

レバレッジがリスクになる可能性も

不動産投資はレバレッジを活用することにより、投資金額を拡大し資産を拡大することができますが、必ず想定通りになるかというと、100%ではありません。

家賃収入があり、毎月返済できることが前提になりますし、現在の超低金利時代が変化し金利が上昇するとなると、返済額が引き上がるなど、リスクはあります。

これらのリスクを回避するためには、空室リスクを回避するために物件選びを慎重にしましょう。また、ローンの期間を長めにすることでも毎月の返済額は抑えられるため、そのような回避方法もあります。

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レバレッジを利用して、安定的な資産形成を

不動産投資に長けた方はこのレバレッジの特性をよく知っているので、たとえ手もとにキャッシュがあったとしても融資を積極的に利用しています。また、キャッシュをあまり持っていない方でも、潤沢な自己資金がある方と同じような発想、投資の取り組みができます。不動産投資ならではのレバレッジを利用して、安定的に資産を形成していきましょう。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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