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作成日: 2018.05.07

リニア開通は日本の不動産にどう影響する?価値向上エリアは品川、名古屋以外にも

リニア開通は日本の不動産にどう影響する?価値向上エリアは品川、名古屋以外にも

2027年のリニア(中央新幹線)の開通は、まだ遠い先の話のように感じるかもしれません。しかし、不動産の世界では一足早く名古屋への注目度が徐々に高まりはじめています。リニア開通は日本の不動産にどのような影響を与えるのでしょうか?品川・名古屋にとどまらず、途中駅周辺の価値向上も期待されるリニア経済効果について考えます。

名古屋の不動産価値が急上昇!東京に匹敵する伸びに

当面のリニア終着駅ができる名古屋市の公示地価が上昇傾向にあります。2018年に国土交通省が発表した公示地価における2017年の前年平均変動率は、名古屋市の住宅地が前年比+1.3%、商業地が+6.2%でした。同年の東京の前年平均変動率は住宅地が前年比+1.8%、商業地が+4.9%ですので、匹敵する伸びを示しています。

名古屋駅を擁する中村区名駅地区の乗り入れはJR、近鉄、名鉄、地下鉄2線の5路線です。元々東海地区最大のターミナル駅ゾーンとして知られています。リニアはこの名古屋駅とクロスする形で乗り入れます。駅前周辺には、すでにJRゲートタワーをはじめとする高層ビルが林立していますが、反対口はまだ開発余地がありそうです。いずれにしても、中村区名駅地区は日本の不動産で注目度の高いエリアのひとつといえるでしょう。

リニア開通はビジネスチャンスの拡大や本社機能の分散化をもたらす

写真:PIXTA

リニア中央新幹線の名古屋~品川間は約40分といわれています。これはどれくらいの時間感覚なのかというと、関東圏ならJR埼京線の大宮~渋谷間が快速で約40分ですので、大宮で乗車して渋谷に着く前に名古屋まで到着している計算です。いかに早いかがわかるでしょう。この機動性の向上は、名古屋に拠点を置く企業にビジネスチャンス拡大をもたらす可能性があります。

これまで東京進出をためらっていた企業も、首都圏在来線並みの移動時間で東京に着くことで、営業所の新設も視野に入ってくるでしょう。名古屋にドミナント(地域集中出店)展開している地元各種チェーン店も、東京まで店舗網を拡大するかもしれません。逆に東京に本社を置く企業も、本社機能の一部を名古屋に移す可能性があります。

名古屋~東京間の交流が活発になることで、オフィスビルの空室率に貢献するなど、双方の不動産業界にとってプラスになることは間違いありません。

東京、名古屋ばかりじゃない!他エリアの駅の価値向上に期待

多くの人の目が東京、名古屋の不動産に集中するということであれば、途中駅周辺の不動産に着目するという手もあります。現在、途中駅として決定している地域は、神奈川県相模原市、山梨県甲府市、長野県飯田市、岐阜県中津川市の4ヵ所です。この内、相模原市は橋本駅付近に設置されることが決定しています。

所在地は相模原市緑区橋本ですが、相模原市が推進している橋本地区整備計画の対象区域に入っています。整備計画面積は120ヘクタールという広大なものですので、今後、不動産需要の高まりが期待できます。

リニア駅の設置には「直下型」と「分離型」がありますが、品川が品川駅地下に設置する「直下型」に対し、橋本はJR橋本駅と離れた地域に設置する「分離型」であることも、新たな繁華街の創出という意味で注目できます。

2037年に大阪まで延伸、淀川区の不動産に注目する投資家も

リニアの夢は2027年の開通で終わるわけではありません。それから10年後の2037年には大阪までの延伸が予定されています。全線開通後は東京~大阪間が67分で結ばれることになります。そのとき、不動産市場の主役になるのが、リニア駅の設置が予定されている新大阪駅(淀川区)周辺です。現在、投資家の目は名古屋に注がれていますが、2037年を見越して大阪の不動産に着目する投資家が増えることでしょう。

さらに、リニアで乗車時間が大幅に短縮されることで、淀川区から近い距離にあるユニバーサルスタジオジャパンの入場者数増加も予想されます。大阪への観光客そのものが増えれば大きな強みになります。ポスト東京五輪の大本命事業であるリニア開通がもたらす不動産市場活性化の行方に、今後も一層の注目が集まるでしょう。リニアは乗客のみならず、不動産業界の夢も乗せて走ることになります。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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