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更新日: 2022.04.18

アルコーブとは?門扉や玄関ポーチと何が違う?〜マンションの規約違反にならない使い方を解説

アルコーブとは?門扉や玄関ポーチと何が違う?〜マンションの規約違反にならない使い方を解説

購入したマンションに玄関ポーチやアルコーブが付いている場合がありますが、自由に使ってよいものなのでしょうか?そこで今回は、玄関ポーチとはどんなものなのか、アルコーブとは?また玄関ポーチがどのように扱われるものなのかについて解説していきます。

アルコーブとは

アルコーブとは、マンションなどの玄関前にある1㎡ほどのスペースで、玄関ポーチの入り口に門扉が設置されていないものを指します。もともとは「くぼみ」を意味する言葉です。アルコーブがあると、外からの視線を遮ることができますし、雰囲気を変えるために鉢植えなどを置くケースも多いです。ただし、アルコーブは廊下やエントランスのようにマンションの居住者全員が使用できる共用スペースのため、玄関ポーチとは異なります。

玄関ポーチとは

玄関ポーチとは、各部屋の玄関にアプローチする場合の独立性を高めるために設置されているスペースで、アルコーブと違うのは門扉がついている点です。アルコーブと同様に、玄関ドアまでワンクッション置くことによって、プライバシーを守ることができるだけでなく、防犯性も高めることが期待できます。

では、玄関ポーチは、住戸のように入居者が自由に使用してもよいのでしょうか?

玄関ポーチは共用部分ではあるものの専用使用が認められる

マンションは、専有部分と共用部分の2つで構成されています。専有部分とは、誰にも邪魔されずに使用できる場所、共用部分とは、居住者全員が使用できる場所のことを意味します。

前者は各住戸など、後者は廊下やエントランス、バルコニーや玄関ポーチなどです。

しかし、共用部分だからといって玄関ポーチやバルコニーに「自分にも使う権利がある」と他の居住者が入ってくると、防犯性が低くなるほかプライバシーを守ることができません。

そのため、これらの場所については共用部分ではあるものの、これらが付帯している部屋の居住者だけが特別に使うことを認められている「専用使用部分」として扱われるのが大きな違いと言えるでしょう。

自転車や私物を置く時は要注意

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専用使用部分であるということは、自転車や私物を置くなど自分の好きなように使用しても問題ないように感じますが、実際にはどうなのでしょうか?

専用使用部分であることが何に記載されているのか、またポーチとアルコーブでは条件が異なるのかどうかについてみていきましょう。

マンションの管理規約をチェック

専用使用部分であるかどうかは、マンションの管理規約に記載されています。管理規約には、玄関ポーチに「専用使用権」が設定されているかどうかのほか、使用条件についても細かく記載されています。

「部屋の居住者のみが使うことができる」と言っても、使用条件が記載されている場合にはその範囲に限られるため、マンションの管理規約をよくチェックすることが重要です。

では、実際にポーチとアルコーブに自転車や私物を置くことができるのか検討してみましょう。

ポーチの場合

玄関ポーチには、専用使用権が設定されているのが一般的ですが、設定されていない場合もあります。ポーチに専用使用権が設定されている場合は、居住者はマンションの管理規約の範囲内でポーチを使用できます。

しかし、玄関ポーチとしての用途に限定されている場合は、物置や好きなものを置く展示スペースとして使用していると、撤去されてしまう場合もあるので注意が必要です。

また、専用使用権が設定されていない場合は、廊下などと同じく共用部分として扱われます。避難経路としてポーチを使用する可能性もあるため、勝手に物を置いて避難経路を塞いでしまうことがないように注意しましょう。

アルコーブの場合

アルコーブは、専用使用権が設定されることがないケースが多いことから、基本的に廊下などと同じく共用部分として扱われます。

マンションの居住者全員に使用する権利があるにもかかわらず、独占して使用するということは、集合住宅における近隣住民との円滑な関係を築く妨げにもなるため、勝手な行動をとらないようにしましょう。

実際にあった玄関ポーチの話

RENOSY Magazine編集部メンバーが、過去実際に自分が住む家を探していたことがありました。その際、とある中古マンションの内見の際、玄関ポーチを見て感じたことがありました。

「物が乱雑に置いてあって雰囲気が良くない家の隣には住みたくないな…」

内見した家自体には何も問題はなかったのですが、その隣の家の玄関ポーチに個性的な置物が山積みになっていたのが気になったそうです。この編集部メンバーは、その中古マンションを購入しませんでした。

玄関ポーチは便利な反面、近隣の売却活動の障害となってしまうなど、思わぬリスクもあるようです。しっかりと管理規約を守り、近隣に迷惑をかけないように使用しなければなりません。管理会社にもしっかりと管理してもらいたいですね。

掃除は誰が、どうやってやる?

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各住戸は専用部分であるため、室内の清掃は各自で行いますが、共用部分の清掃は誰が行うのでしょうか?

また、玄関ポーチのように共用部分ではあるものの専用使用権が設定されている専用使用部分である場合は、共用部分と同じと考えてよいのでしょうか?それぞれの疑問について、また自分で清掃する場合の注意点についてみていきましょう。

共用部なので管理人の担当

共用部分の管理は、マンションの入居者全員で行うのが一般的です。しかし、マンションの管理について全くの素人である入居者が行うのはリスクが高いため、管理会社に依頼してマンションの管理を代理で行ってもらいます。

そのため、共用部分については管理会社の社員でマンションに派遣される管理員が清掃を行います。専用使用権が設定されている専用使用部分であっても共用部分であることから、玄関ポーチも管理人の清掃範囲に含まれていることが多いです。

しかし、いくら清掃範囲であったとしても、玄関ポーチに荷物を置いている場合は、それを移動させてまで清掃を行ってくれません。

清掃の妨げになることで玄関ポーチが汚くなるだけでなく、清掃が行き届かないことで劣化につながる可能性もあるため注意しましょう。

もし自分で掃除したい時は

管理人が清掃を行ってくれると言っても、管理人が休みの日などに雨などで玄関ポーチが汚れた場合や誰かが家に来る場合には自分で清掃したくなる時があります。

玄関ポーチを自分で清掃する場合には、どのように清掃するのが一番よいのでしょうか?掃除の方法と注意点についてみていきましょう。

水を流すのはトラブルのもと

汚れがこびりついている場合には、水を流しながらブラッシングしないと取れない場合がありますが、トラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。

玄関扉や門扉に水がかかってしまうと、表面の塗装が剥げてしまったり錆びてしまったりする可能性があります。玄関ポーチの床面を水で流すのはトラブルのもとになる可能性が高いため、管理人に任せた方がよいと言えるでしょう。

水を使わない掃除方法

水を使わない手入れ方法は、掃き掃除が中心になります。鍵穴やレバー部分、インターホンなどは埃をハケで取り除きます。

また、丁番や表札は乾いたタオルでは汚れが落ちない場合があるため、よく絞ったタオルで汚れを拭き取っていくようにするとよいでしょう。

おしゃれな玄関ポーチにしよう

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玄関ポーチは物を置くことが原則禁止されていますが、マンションの管理規約によっては一定の範囲内での使用が認められている場合があります。

その範囲内であれば自由に玄関ポーチを使用できますが、どのような利用方法があるのでしょうか?おしゃれな玄関ポーチを楽しむ方法について検討してみましょう。

玄関は家の第一印象を決める

マンションは、玄関ドアも同じものを使用していることから個性に欠ける部分があります。

しかし、個性を出すために玄関ドアを変えることは、マンションの外観上の統一性を乱してしまうことになるため、管理規約で禁止されていることがほとんどです。

そこで、他の住戸と差別化を図るために玄関ポーチにディスプレイスペースを設けるなどの方法が挙げられます。ディスプレイスペースに植物や雑貨などを設置することで、殺風景な印象から華やかな印象に変えることができるでしょう。

玄関ポーチのおしゃれは規約範囲内で楽しむ

一度こだわり始めると「もっとこうしたい」「次はこうしよう」と考える可能性が出てきます。最初は管理規約の範囲内で楽しんでいたものの、知らぬ間に限度を超えてしまうといったケースです。

限度を超えたことで管理規約に抵触してしまった場合には、置いているものを撤去される可能性もあります。ご近所さんの売却活動の邪魔をしてしまう可能性もあります。しっかりと管理規約を確認し、その範囲内で楽しむようにしましょう。

玄関ポーチやアルコープは共用部分

マンションを購入した際に付帯している玄関ポーチやアルコープは、自分専用のスペースに見えるかもしれませんが、あくまでも共用部分です。

ただし、玄関ポーチには専用使用権が設定されているのが一般的です。マンションの管理規約の範囲内であればおしゃれな玄関ポーチにするなど、インテリアを楽しむことができます。

管理規約に抵触すると、他の入居者にも迷惑になるため、しっかりと管理規約を確認してからその範囲内で使用することを心がけるようにしましょう。

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この記事を書いた人

RENOSYマガジン編集部

「不動産やお金の疑問をわかりやすく解決するメディア」を掲げ、本当にためになる情報の提供を目指すRENOSYマガジン編集部。税理士やファイナンシャルプランナーの人たちと共に、中立・客観的な視点で「不動産とお金」を解説、読んでいる人が自分の意思で選択できるように日々活動している。

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